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標高2450mの「ホテル立山」が2026年8月31日で宿泊終了。閉館ではなく、レストランと売店は残る

2026年8月31日 ・ トレンド「ホテル立山 宿泊 終了 2026 室堂 標高2450m 日本最高所 いつまで」より

「ホテル立山が、いつまでもみなさまの心の中に、あたたかな思い出とともにあることを願っております」。立山黒部アルペンルートのアカウント(@tateyamakurobe_)が2026年8月31日の午前10時44分に出した投稿です。標高2,450mの室堂に建つホテル立山が、この日の営業をもって宿泊サービスを終えました。投稿は数時間で表示11万回を超え、いいねは2,600を上回っています。

添えられた写真は4枚。雪に埋もれた季節の室堂と、緑が戻った季節の室堂に、同じ建物が写っています。日本でいちばん高いところにあるホテルが、どんな場所に建っていたのかがひと目でわかる並びです。

1972年9月1日開業、日本最高所に建っていたホテル

ホテル立山があるのは、富山県と長野県を乗り物で結ぶ立山黒部アルペンルートの途中、室堂ターミナルです。公式サイトのクロージングページには「標高2,450m立山室堂平の地で、日本最高所に建つホテルとして1972年9月1日に開業以降、当時の建造物の姿を維持しながら54年もの間営業してまいりました」と書かれています。

建て替えずに54年というのが、この宿のいちばんの特徴でした。設計を担当したのは村田政真。標高2,450mという場所に、資材を運び上げて建てた建物が、そのままの姿で半世紀動き続けたことになります。サイトのキャッチコピーは「標高2450メートル、星にいちばん近いリゾート。」で、これは今も掲げられています。

終わったのは宿泊部門だけで、レストランと売店は続く

ここは取り違えられやすいので先に書いておくと、ホテル立山は閉館したわけではありません。公式のお知らせには「ホテル立山はこのたび、 令和 8(2026) 年 8 月 31日をもちまして、宿泊サービスの営業を終了することとなりました。」とあり、続けて「なお、レストラン・売店部門につきましては、これまで通り営業いたします。」と書かれています。泊まれなくなっただけで、行けば飯は食えるし土産も買えます。

発表そのものは1年前で、2025年7月31日に立山貫光ターミナル株式会社と立山黒部貫光株式会社の連名で報道発表資料が出ています。理由として書かれているのは、アルペンルートが全線開業から約半世紀を経たいま「立山黒部貫光株式会社の運輸事業を主体としながら、飲食・物販を合わせた各事業へ経営資源を集中し」たいということ。宿泊業から手を引いて、乗り物と飲食に寄せるという事業判断です。

同じ資料の別紙には最終年度の営業日程も載っていて、「令和 8 年度営業:令和 8 年 4 月 15 日~8 月 31 日(30 日宿泊)まで」となっています。つまり最後に泊まれたのは8月30日の夜で、8月31日は宿としての最終日でした。

最後の1年に用意された企画と、2,450円のオムライス

発表から終了まで1年あったので、その間はクロージング企画が続いていました。目玉のひとつが建築ツアーで、2026年6月5日から8月30日にかけて、各回15名限定で開催。コースはAが12,000円、Bが5,000円、Cが2,000円という設定で、最終回にあたる8月30日は建築史家の倉方俊輔氏(大阪公立大学教授)が講師を務めました。

ホテルのフロントロビーでは、同じく倉方氏の監修でメモリアル企画展も開かれていました。こちらは2025年10月21日から2026年8月30日までの開催です(冬の営業休止期間は除く)。売店ではホテル立山FinalStory記念グッズが並び、500円から、ルームキーをかたどったキーホルダーが700円。

そして記念メニューが、室堂ターミナル2階のレストラン立山で出している「室堂山オムライス」です。値段が2,450円。

返信欄に並んだ、泊まった人の記憶

終了を伝える投稿の返信欄には、実際に泊まったことがある人の書き込みが並びました。

2018年6月に泊まったという人は、下界が梅雨の真っ最中だった日の夕食中、店の人から「こんなに綺麗な夕陽は滅多にない」と屋上をすすめられて見た景色が忘れられない、と写真つきで書いています。昨年のゴールデンウィークに初めて泊まったという人は、料理がおいしくてゆったり過ごせたと振り返っていました。「もう1回泊まりに行きたい、は叶えられませんでした」という、間に合わなかった側の声もありました。

このあたりは、標高2,450mまで上がってそこで一泊するという体験が、そもそもなかなか他で代えがきかないことの裏返しでもあります。同じ立山の一帯は特別天然記念物ニホンライチョウの生息地としても知られていて、富山ではひなが一度に7羽ふ化したという話も今年ありました。

泊まれなくなっただけで、まだ行ける

宿としての営業は終わりましたが、建物は残り、レストランと売店はこれまで通りです。記念グッズは11月29日まで、室堂山オムライスは11月30日まで。アルペンルートが出している9月以降の飲食物販施設の営業時間案内でも、レストラン立山は11月30日まで、ホテル立山売店は11月29日まで営業日が組まれています。アルペンルート自体の2026年度の営業も11月30日までなので、この秋のうちなら間に合います。

ちなみに「移動そのものが名物になっている宿」つながりでいうと、和歌山には客室まで5分45秒かかるホテル浦島のエスカレーター「スペースウォーカー」があります。あちらは高低差77mを館内で稼いでいて、こちらは最初から標高2,450mの地面に建っていました。宿の「高さ」の出し方にもいろいろあります。

室堂に行く予定があるなら、2,450円のオムライスを頼んでみてください。数字の由来を知っていると、ちょっと注文しがいがあります。

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