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「ナイトミュージアム」の博物館はどこ、正解はNYで館内はカナダのセット

2026年9月20日 ・ トレンド「ナイトミュージアム 博物館 どこ アメリカ自然史博物館 ロケ地 セット バーナビー 金曜ロードショー お泊まり」より
「AMERICAN MVSEVM OF NATVRAL HISTORY」と彫り込まれたアメリカ自然史博物館の南側外観
画像: ニューヨークのアメリカ自然史博物館の南側の外観(CC BY-SA 4.0 / Antigng, via Wikimedia Commons。当サイトで縮小・切り抜きをしています。改変後の画像も同じ CC BY-SA 4.0 で提供します

9月18日の金曜ロードショーで『ナイト ミュージアム』が放送された。21時からの放送で、夜になると展示物が勝手に動き出すあの1本だ。

で、観終わったあとに「この博物館って実在すんの?」を検索した人がかなりいたらしい。9月上旬は1日200〜600PVで推移していた日本語版Wikipediaの「ナイト ミュージアム」が、放送のあった18日だけで49,183PVまで跳ねている。同じ日に続編の「ナイト ミュージアム2」も9,135PV、「ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密」も8,372PVを記録した。1本の放送で3本ぶん調べられている。

告知した番組公式のポストは9,700いいねを超えていた。先に答えを書いておくと、モデルになった博物館はニューヨークに実在する。ただし、映画で見たあの館内は一度もそこで撮られていない。

モデルはニューヨークのアメリカ自然史博物館

舞台のモデルは、マンハッタンのセントラルパーク西側に建つアメリカ自然史博物館(American Museum of Natural History、略してAMNH)だ。恐竜の全身骨格でも、天井から吊るされた実物大のシロナガスクジラでも有名な、あの巨大な館である。

正面の石には「AMERICAN MVSEVM OF NATVRAL HISTORY」「FOVNDED 1869」と彫り込まれている。創設は1869年、建物も棟がいくつも連結された迷路みたいな造りだ。ラリー(ベン・スティラー)が夜警として雇われる設定に無理がないだけの広さと古さが、実物のほうに最初からある。

館内のシーンは一度もそこで撮っていない

ここからが本題で、英語版Wikipediaの製作(Production)節にははっきりこう書かれている。

The building featured in the film, which was constructed on a soundstage in Burnaby, British Columbia, is based on the American Museum of Natural History in New York City, external shots of which were used in the film.

つまり、映画に出てくる建物はカナダ・ブリティッシュコロンビア州バーナビーのサウンドステージに建てられたもので、AMNHをもとにしている。実物のほうから使われたのは外観のショットだけ、ということだ。

バーナビーはバンクーバーの隣にある街で、北米の撮影がまとめて流れ込む撮影地として知られている。夜の博物館を舞台にした映画なら、閉館後の数時間を毎日借りるより、同じ広さの館内をまるごと建てたほうが早い。ティラノサウルスの骨格が走り回ってもネアンデルタール人が館内で火をおこしても、セットなら本物の標本を1ミリも傷つけずに済む。あれだけ館内を派手にぶち壊しておいて実物が無傷なのは、単純に実物ではなかったからだった。

ロビーの吹き抜けも、恐竜の化石が並ぶホールも、ガムをねだってくるモアイも、日本の視聴者が「ニューヨークの博物館」として見ていた画は、ほぼカナダで組まれた作り物ということになる。

映画のあと、実物の来館者は2割近く増えた

セットで撮ったのに、恩恵を受けたのは実物のほうだった。同じく英語版Wikipediaによると、AMNHの関係者は公開後のホリデーシーズンの来館者数がおよそ20%増えたことを、この映画のおかげだとしている。

配給側からすれば外観を借りただけ、館側からすれば毎年の繁忙期の客が2割増し。ロケ地としてはかなり効率のいい取引に見える。

そのAMNHでは「お泊まり」が本当にやっている

そしてここがいちばんの「へぇ」なんだけど、実在するほうのAMNHには、映画とまったく同じ名前の企画がある。「A Night at the Museum: The Overnight Experience」、つまり博物館でのお泊まり会だ。

対象は6歳から12歳の子どもと付き添いの大人で、月1回のペースで開催されている。公式ページの説明によれば、参加者は閉館後の館内を歩いたあと、シロナガスクジラの下か、ほかの展示に囲まれて眠りにつく。懐中電灯を持って3階と4階の化石ホール(ティラノサウルスがいるやつ)をガイド付きで回り、1階と2階はアフリカ哺乳類ホールのジオラマや生きた昆虫の展示を自由に見て歩く。夜食と軽い朝食が付いて、カラオケと読み聞かせまである。

公式ページの日程欄を見ると、10月23日・11月20日・12月18日の3回はすでに全部 SOLD OUT。次に買えるのは年明けの1月22日から3月13日までの4回で、会員先行が10月21日の10時30分、一般発売が10月28日の10時30分と告知されている。世界中で観られた映画と同じ体験が月1回しか用意されていないのだから、まあ、そうなる。

なお公式ページには、元祖のお泊まり会が始まったのは2006年と書かれている。映画1作目の全米公開も2006年だが、どちらが先でどう影響したのかについて公式は何も説明していない。

「ナイトミュージアム」を名乗るイベントは日本にもある

ちなみに日本でも「ナイトミュージアム」という呼び方は普通に使われていて、映画とは無関係の夜間営業イベントにこの名前が付いていることが多い。横浜みなとみらいの体感型古代エジプト展が10月にやるナイトミュージアムもそのひとつで、こちらはツタンカーメンが題材。映画の権利とは何の関係もない、一般名詞としての使われ方だ。

同じ「ナイトミュージアム」でも指しているものが違うので、検索結果に夜間営業のイベントが並んできたらそっちだと思っていい。映画のほうの答えは、ニューヨークのアメリカ自然史博物館。ただし中身はカナダ。旅行で本物に行った人が「思ってたのと違う」となるのは、たぶんこれが理由だ。

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