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三菱が新型パジェロを世界初披露、7年ぶりの復活。名物の背面タイヤは床下収納になった

2026年9月2日 ・ トレンド「新型パジェロ 三菱 パジェロ フルモデルチェンジ 2026 世界初披露 復活 スペアタイヤ 床下収納 グランドカリスマ」より

三菱自動車が2026年9月2日、クロスカントリーSUV『パジェロ』をフルモデルチェンジして世界初披露した。公式X(@MMCjpn)の投稿は同日13時35分。国内向けの生産は2019年8月で終わっていたので、パジェロという名前が現行モデルとして戻ってくるのは7年ぶりになる。

三菱はリリースで、この5代目を「これからの三菱自動車ブランドを象徴する新世代のフラッグシップモデル」として位置づけている。そして写真を見た人がまず気づくのが、リヤにあの背面タイヤが付いていないことだ。

1982年生まれ、初代から4代目までで329万台

パジェロが誕生したのは1982年。本格的な悪路走破性と高い信頼性に、乗用車並みの快適性を足したクロスカントリー4WD車として出てきた。三菱自身のリリースは、国内では90年代のRVブームを牽引するモデルの一つになったとしたうえで、「初代モデルから4代目モデルまでの累計生産台数は329万台を超え、170以上の国と地域で親しまれてきた三菱自動車を代表するモデルとなっていました」と書いている。

その国内向けの生産が終わったのが2019年8月だった。三菱は同年4月24日に生産終了を発表し、あわせて特別仕様車の「FINAL EDITION」を700台限定・4,530,600円(消費税8%込)で設定している。以来、日本のカタログからパジェロの名前は消えていた。

戻ってくること自体は予告されていて、三菱は2026年5月29日付で「新型クロスカントリーSUV『パジェロ』を2026年秋に世界初公開」とアナウンス済み。今回はその予告どおりの登場になる。4代目の発売から数えると20年ぶりの新型だ。なお同じリリースの注記によると、国内向けが2019年に終わったあとも海外向け仕様は2021年まで作られていた。日本のカタログから消えていた期間と、パジェロという車が世界から消えていた期間はイコールではない。

背面タイヤは消えたのではなく、床下に移った

歴代パジェロの顔といえば、リヤゲートに丸くくっついたスペアタイヤ。新型の写真にはそれが無い。ただし完全に無くなったわけではなくて、テールゲートには六角形のヘキサゴンデザインモチーフが入っている。三菱の説明では、これは「4代目パジェロのスペアタイヤの意匠からインスピレーションを得ています」というもので、意匠のほうを残した形だ。

では実物のタイヤはどこに行ったのか。公式スペシャルサイトにはっきり書いてある。「伝統的なアイデンティティを大切に受け継ぎながら、実物のタイヤ自体は床下収納へと変更しています。これにより、ラゲッジ容量を拡大し、3列目乗員の快適性も向上させています」。見た目のアイコンだけ引き継いで、機能は荷室と3列目のために床下へ回した、という判断になる。

デザインの他の部分にも歴代からの引用が入っている。サイドのCピラーは初代パジェロのロールバーから着想を得たもので、フロントフェイスについては「日本の剣道に通じる内面の強さを表現しています」と説明されている。デザインコンセプトの名前は「グランドカリスマ-泰然自若-」。名前だけ聞くと強めだが、要は落ち着き払った見た目にしました、という話だ。

2.4Lディーゼルで480N・m、最低地上高は230mm

中身の数字も出ている。ボディサイズは全長4,920mm、全幅1,925mm、全高1,910mm、ホイールベース2,870mmで、前後トレッドは1,630mm。最低地上高は230mm。この全高と最低地上高、それに続く角度はいずれも20インチタイヤ装着車の値で、アプローチアングル30.4度、ランプブレークオーバーアングル22.6度、デパーチャーアングル25.8度、前後重量配分は52対48。

エンジンは専用開発の2.4Lクリーンディーゼルで、ワイドレンジのシングルVGターボ付き。組み合わせるのは新開発のスポーツモード付き8速ATで、最大トルクは480N・m(一部仕様では470N・m)。四駆はスーパーセレクト4WD-Ⅱ(SS4-Ⅱ)に、三菱おなじみの車両運動統合制御S-AWCを組み合わせる。ドライブモードはNORMAL、ECO、GRAVEL、SNOW、MUD、SAND、ROCKの7つ。SANDとROCKが別々に用意されているあたりに、世界100カ国規模で売るクルマの事情が出ている。

内装の着想源は京都の木目込み、音はヤマハと共同開発

室内は3列7名乗車で、2列目には150mmのロングスライドとタンブル機構が付く。ディスプレイは14.3インチが2枚並ぶモノリスディスプレイ(一部仕様は12.3インチ)で、メーターの背景は時間の経過に合わせてリアルタイムに変わる全16種類。

手触りの部分に妙な凝り方をしていて、三菱の説明はこうだ。「京都の伝統技法である『木目込み技法』を着想源に、熟練の職人が上質な合皮を手作業で張り込んだソフトパッドを、インパネやドアトリム、コンソールに贅沢に施しました」。悪路を走るためのクロカンの内装に、京都の伝統技法の名前が出てくるとは思わなかった。

オーディオはヤマハと共同開発したDynamic Sound Yamaha Ultimateで、スピーカーは計12個、アンプはデュアル構成になっている。

会場にはラリーコンセプトも並んだ

ワールドプレミアの会場には、モータースポーツブランドのRALLIARTが手がけた新型パジェロ ラリーコンセプトモデルも展示された。カラーリングはトライトン ラリーカー AXCR2026と同じものだという。

ラリーの絵が出てくるのは飾りではなくて、パジェロは1983年からダカールラリーに参戦し、7連覇を含む通算12勝を挙げている。悪路走破性の説明に説得力があるのはこの戦績があるからで、名前が戻ってきた以上ここも一緒に持ち帰りたい、という意思表示に見える。

日本での発売日と価格はまだ出ていない

気になるところだが、日本の発売日も価格も現時点では発表されていない。リリースに書かれているのは投入計画までで、「2026年度は生産拠点であるタイを皮切りに、日本、オーストラリアに投入し、次年度以降、アセアン、中南米及び中東など世界約100カ国へ順次展開していく計画です」とある。つまり日本には2026年度に入ってくる予定、というところまでが確定している情報になる。

三菱の岸浦恵介 取締役代表執行役社長 兼 COOのコメントでは、新型パジェロは中長期ビジョンの第一弾という位置づけで、「この後に続く『パジェロ』シリーズをはじめ、すべての三菱車を牽引していくフラッグシップモデルです」と説明されている。シリーズ展開を明言しているので、パジェロを名乗る別のモデルもこの先に控えているらしい。

価格が出ていないので現実味を測りようがないが、逆方向の新型車としては88万円で車検不要の電動ミニトラック「ビベルトラック」みたいなのも走っている。同じ「新型車」でも幅がありすぎる。

詳しいスペックは三菱自動車のニュースリリースに、外観と内装の作り込みは新型パジェロのスペシャルサイトに載っている。7年前に何が終わったのかを確認したい人は、2019年のFINAL EDITIONのリリースも並べて読むと、700台という数字の重さがちょっと違って見えるはずだ。

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