ナンバープレートがフリーダイヤルの一部、稚内の電器店ハイエースは「0120-70-4219」で「なおしにいく」
シルバーのハイエースのお尻に、赤い小さな字で「フリーダイヤル」、そのすぐ右に緑の大きい数字で「0120」。少し離れた右側にも、同じ緑の数字で「19」だけが書かれています。間が抜けているように見えて、そこにナンバープレートがはまっている。プレートの数字は「70-42」で、左から順につなげると 0120-70-4219 になります。@BG4Tuned さんが8月28日15時43分に投稿したこの1枚は、翌29日朝の時点で6万5000いいねを超えました。添えられた言葉は「そういうナンバーの使い方あるんだ」の一言だけです。
「0120」と「19」のあいだを、ナンバープレートが埋めている
プレートを近くで見ると、上段が「旭川430」、ひらがなが「さ」、大きい数字が「70-42」。白地に緑文字のプレートです。その左に車体印刷の「0120」、右に「19」があるので、車の後ろに立って左から読むと 0120-70-4219、区切りを外せば 0120-704219 になります。
タネはプレートの下に書いてありました。ここにも赤い字で「フリーダイヤル」、そのとなりに黒い字で「なおしにいく」。704219 を、な(7)お(0)し(4)に(2)い(1)く(9)と読ませる語呂です。答えが車体に印刷されているので、こちらが読み解く余地もありません。
向きを間違えないでおきたいのは、電話番号をナンバーに変換したわけではないという点です。会社の側が、自分のフリーダイヤルの真ん中4桁をナンバープレートに肩代わりさせている。プレートは車ごとに違うので、この見せ方が成り立つのはこの1台だけということになります。
番号をたどると、北海道稚内市の電器店にたどり着く
プレートの右下には、黒地に白抜きで「有限会社ヤマモトデンキ」というステッカーが貼られています。車体側面の赤い看板は車の陰になって全部は読めませんが、「電化製… ヤマモトデ… フリーコール 01…」までは判読できます。
法人番号のデータベース gBizINFO で引くと、有限会社ヤマモトデンキは北海道稚内市港3丁目3番12号にある会社で、法人番号は 5450002011219。電話帳サイトの登録でも、業種は家電修理サービスや電器修理・取付店に分類されていて、載っているフリーダイヤルは 0120-704219 です。車体の番号とぴったり同じ。家電を直しに行く会社が「なおしにいく」を番号にしているので、語呂と業種もかみ合っています。
ただ、写真がどこで撮られたかは投稿からはわかりません。旭川ナンバーの管轄は、上川総合振興局・留萌振興局・宗谷総合振興局の管内に、空知総合振興局の深川市と雨竜郡を足した広い範囲です。稚内市もその中に入っています。稚内の会社の車が旭川ナンバーを付けているのは自然ですが、撮影地まで稚内だと決めつけられるわけではない、というくらいの話です。
下2桁の「42」は、ふつうなら払い出されない
この車の一連指定番号は 7042 なので、下2桁は 42 に当たります。ここが地味に引っかかるポイントで、日本のナンバープレートは下2桁が 42 と 49 になる番号を原則として出しません。
見ているのは末尾2桁だけのようで、同じ日本のナンバープレートの項には「語呂合わせでマイナスイメージのあるものであっても、「42-19」(死に行く)などは欠番でなく、実際に存在する。」とも書かれています。字面がどう読めるかではなく、下2桁が 42 か 49 かだけを見ている、というルールです。
「70-42」は抽選番号ではないので、申し込めば取れる
希望ナンバーには人気の番号を抽選で配るしくみがあります。希望番号申込サービスの説明では「抽選対象希望番号とされている番号以外は、全て一般希望番号です。」で、一般希望番号のほうは「その番号が全て払い出しされない限り取得できます。」。そして同じ日本のナンバープレートの項によれば、登録自動車で全国共通の抽選対象になっているのは2025年5月12日以降、1、7、8、88、333、358、555、777、888、11-11、33-33、55-55、77-77、88-88 の14通りです。「70-42」はここに入っていないので、旭川で地域別の抽選対象になっていない限り、申し込みで取れる一般希望番号ということになります。
申し込みは希望番号申込サービスのウェブから。ただし手続きの流れを見ると、希望番号のプレートは「1枚ごとの注文製作となるため、交付可能となるまで数日かかります」とあり、ふつうのペイントのプレートで目安は「入金確認後6日程度」(土日祝と年末年始を除く)。思い立った日にすぐ付け替えられるものではありません。フリーダイヤルの語呂に合わせて番号を押さえて、そこに合わせて車体の印刷まで発注していると考えると、なかなか手が込んでいます。
数字4桁を、看板の一部として使い切っている
ナンバープレートは本来、車を見分けるための番号です。それを自社の電話番号の真ん中に組み込んで、車体側は前後の「0120」と「19」だけで済ませてしまう。プレートを一度も隠さずに広告面積を増やしているわけで、思いつくのはともかく、実行するのがすごいです。
ナンバーの数字がネタになった話としては、並んだ高速バスのナンバーが「12-76」と「12-67」で見分けられなかった話もありました。営業車まわりだと、営業車の代名詞プロボックスが耐久レースに参戦した話もあります。北海道でシルバーのハイエースを見かけたら、お尻の数字を左から続けて読んでみてください。