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RADWIMPS「セプテンバーさん」は9月3日の曲じゃない、野田洋次郎さんが21年目に書いた「さん」の意味

2026年9月5日 ・ トレンド「セプテンバーさん 意味 9月3日 RADWIMPS 野田洋次郎」より

9月3日になると、タイムラインに同じ言葉が並びます。「ハロー、セプテンバーさん」。RADWIMPSの曲名で、9月3日はその曲を聴く日ということになっている。今年もそうでした。

そして今年は、曲を作った本人がその輪に入ってきました。

野田洋次郎さんが9月3日の16時38分に投げた、たった一言のポストです。いいねは7万4千を超えました。ここまでは、みんなが待っていたとおりの9月3日でした。

9月3日説の出どころは、公式サイトのライナーノーツだった

そもそもこの通説、ファンが勝手に言い出したものではありません。RADWIMPS公式サイトにある「07. セプテンバーさん」のライナーノーツには、はっきりこう書いてあります。「タイトルの意味は、9月3日。」

続けて、9月3日がバンドにとって「大切な日で、初めてワンマンライブをやった日」であることも説明されています。この曲が初めて演奏されたのは2005年9月3日、ライブハウスから横浜BLITZに上がってのワンマンライブ。デビュー前なのに1000人が詰めかけ、そのライブでメジャーデビューを発表した、という日です。

しかもこのとき、曲はまだ完成していませんでした。ライナーノーツによると、洋次郎さんは「この日に間に合わそうと思ったけれど、まだ歌詞が全部できてない(笑)」と前置きしてから演奏したそうです。歌詞が途中の曲を1000人の前で初披露して、それが21年後もこうして毎年再生される。

2025年には9月3日公開のファン参加型MVまで作られた

「9月3日=セプテンバーさんの日」は、年々ちゃんと制度化されていました。

去年はデビュー20周年を記念して、Yahoo!検索が「セプテンバーさん」オリジナルMV制作キャンペーンをやっています。募集期間は2025年8月18日から28日まで、集まった素材で作ったMVの公開日は2025年9月3日。日付をこの日に合わせにいっているわけです。企画の内容は音楽ナタリーでも報じられました

そのキャンペーンページにも、曲の説明としてこう書かれています。「この曲のタイトル「セプテンバーさん」は、“9月3日”という特別な日付に由来しています。」

公式サイトも、大手の企画ページも、同じ説明で揃っている。だから毎年9月3日にみんなが再生ボタンを押すのは、別に思い込みではなかった。

作った本人が翌日「決してそんなことはなく」と書いた

ところが翌9月4日の19時11分、野田洋次郎さんがもう一度ポストしました。

書き出しは「「セプテンバーさん」 今でも毎年聴いてくれる人がいてとても嬉しいです。ひとつ、この曲を作った21年前の想いを。」。ここから本題に入ります。

曲が描いているものについては、こう説明しています。「はしゃぎきった8月が終わりやってくる「9月」。みんなどこか後ろ髪をひかれながら迎えるこの月がなんだか他人のように思えなくて、そんな彼なのか彼女なのかへの慈しみ、親しみ、慕情を歌にしました。」

そのうえで、日付の話です。「初披露したのが2005年9月3日だったことでなんだか「この曲が歌っているのは9月3日のことなんだ!この日に聴くべきなんだ」みたいな意見もちらほらあるようですが決してそんなことはなく、晩夏から秋へと移り変わるこのひと月を想う曲であることを伝えさせてもらいます。」

つまり、歌っているのは1日ではなく1か月まるごと。この曲は9月3日の歌ではなく、9月そのものへの歌だった、というのが作った本人の説明です。

このポストは9月5日夕方の時点で表示266万、いいね5.2万、リポスト約6,000まで伸びていました。

「さん」は3という以上に、9月への呼びかけだった

じゃあタイトルの「さん」は何なのか。本人はこう書いています。「「3」という以上に、僕の中では呼称としての「セプテンバー”さん”」という意味合いが強いです。」

9月という月を、田中さんとか佐藤さんみたいに人として呼んでいる。「ハロー、セプテンバーさん」が挨拶に見えるのは、本当に挨拶だったからです。

注意して読みたいのは、「「3」という以上に」という言い方をしている点です。数字の3という読みを完全に消したわけではなく、自分の中では呼びかけのほうが強い、という比重の話をしている。ライナーノーツの「タイトルの意味は、9月3日。」がウソだったという話ではなくて、9月3日の側だけが独り歩きしていた、というのが近い。

そして最後にこう付け足しています。「にしても、歌詞も未完成のまま横浜ブリッツで初披露した21年前にはこんな未来でまだ聴かれる歌になっているなんて想像もしていませんでした。」

9月3日はやっぱり大事な日、ただし曲ではなくバンドの日

整理するとこうなります。9月3日は初のワンマンライブでメジャーデビューを発表した日で、RADWIMPSにとっての記念日。「セプテンバーさん」はその日に間に合わせようとして、間に合わないまま初披露された曲。日付とセットで語られてきたのは、曲がその日を歌っていたからではなく、バンドがその日に立っていたからでした。

曲そのものは、公式チャンネルにライブ映像が上がっています。2013年の野外ライブ「青とメメメ」の映像です。

「答え合わせ」と「え、9月3日だったの?」が同時に流れた

本人ポストへの反応は、きれいに2つに割れました。

ひとつは、毎年9月3日に聴いてきた人たちの「答え合わせ」側。「9月3日、RADWIMPSのセプテンバーさん聴かないと!って毎年使命感に駆られる」と書いていた人や、「正直9月3日への想いが強めでした…てことで改めて ハロー、セプテンバーさん。」と投稿し直す人が並びました。9月に入るとイントロだけで夏の終わりを感じる、エモいという感想も毎年恒例です。

もうひとつが、この騒ぎで逆に9月3日説を初めて知った側です。「セプテンバーさんって9月3日だったのか」「セプテンバーさんで9月3日って読むの初めて知った。」という声がふつうに流れていました。中には「9月3日→セプテンバーさんってことだったんだ…○○さんって人の名前みたいにしてるもんだと思ってた」という人もいて、この人の当初の理解が本人の説明といちばん近かったことになります。

昔を懐かしむ声もありました。一昔前は9月1日に「♪お~セプテンバ~」とでも書こうものなら、「セプテンバーさんは9月3日ですよ!」と仕切ってくる人が現れてタイムラインが険悪になった、という思い出話です。その言い争いは、21年目にして発端の本人が引き取っていきました。

毎年決まった日に同じ曲が回ってくる型としては、連休が明けるたびに打首獄門同好会が「はたらきたくない」を貼る恒例も近い。曲が季節の合図になると、そのうち日付のほうが独り歩きします。ポケモンの「GOTCHA!」が公開から6年かけて1億再生に届いたように、長く聴かれる曲はだいたい、聴く理由のほうが後から増えていく。

というわけで、今年の9月3日はもう過ぎましたが、対象は月まるごとだそうです。9月中はいつ聴いても、本人公認ということになります。

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