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架空のチケット戦争「TICKET WARS」、SS席のボーダーは20秒

2026年9月13日 ・ トレンド「TICKET WARS 架空のチケット戦争 常春 チケット争奪戦 ゲーム 2026」より

一般発売の10時に画面へ張り付いて、指を震わせながら券種をタップした経験がある人ほど刺さるものが出てきた。謎解き作家の常春さん(@halnanndesu)が9月13日の午前に公開した、無料のブラウザゲーム「TICKET WARS」だ。存在しない公演のチケットを先着で買うだけの内容なのに、告知ポストは公開から半日でいいね2万5,000を超えた。

やることは単純で、制限時間は32秒。その間にリロードして、指定された券種と枚数を選び、名前と住所とカード情報を入れて、注意事項に同意して、決済を通す。それだけだ。それだけなのに、たいてい間に合わない。

32秒の中身は、ほとんどが事務作業

設定の作り込みがまず細かい。公演名は「THE LAST NIGHT」、2日間限定で会場は東京セントラルホール、チケットは電子チケット。ページのタイトルは「TICKET WARS|チケット争奪戦」で、最下部には「架空のチケット販売ゲーム」とわざわざ書いてある。

券種は DAY 1・DAY 2 それぞれの朝公演・昼公演・夜公演で計6通り。プレイヤーには最初に「この券種を、この枚数で」というお題が渡され、違うものをタップすると「指定の券種ではありません。」で止められる。枚数を間違えれば「指定は◯枚です。」だ。

注意事項の同意チェックは8つある。利用規約に同意する、日時・会場を確認した、変更・払い戻し不可に同意する、対応端末を確認した、分配条件を確認した、本人確認に同意する、転売禁止に同意する、入場制限に同意する。実在のプレイガイドで毎回スクロールさせられるあれが、ちゃんと8個ぶん並ぶ。

入力欄のダミー値も愉快で、お名前は「山田 チケット」、住所は「東京都 ○○区 1-2-3」、メールは「player@example.com」、カード番号は「•••• •••• •••• 4242」、有効期限は「12 / 29」。セキュリティコードだけは自分で3桁を打たされる。その先には3Dセキュアの画面があって、SMS認証の6桁コードまで入れさせられる。送信先は「090−••••−0000」。

つまり32秒のうち、反射神経が効くのは最初のリロードと券種のタップくらいで、残りは全部おつかいと入力だ。現実のチケ取りが「速い人が勝つ」ゲームではなく「手順を間違えない人が勝つ」ゲームである部分を、そのまま持ってきている。

SS席のボーダーは20秒、ミスはスコアから100点

ここからは公開されているゲームのコードを読んだ話になる。game.js を開くと、席のランクの決まり方が全部そこに書いてある。制限時間の定数は LIMIT=32、ランクの区切りは cutoffs=()=>[20,25,29] の3つだ。

  • 決済完了まで20秒未満でSS席
  • 25秒未満でS席
  • 29秒未満でA席
  • それ以降、32秒以内に間に合えばB席

判定に使われているのは経過時間だけで、ミスの回数は席のランクを下げない。代わりに効くのがスコアのほうで、式は Math.max(0, 10000 - 経過ミリ秒/4 - ミス回数×100)。1秒使うごとに250点が減り、ミス1回につき100点が引かれる。32秒に間に合わなければ0点だ。

なので目標はきれいに1本に絞れる。「20秒を切ればSS席」、それだけ。逆算すると、リロードから券種選択、5項目の入力、3桁のセキュリティコード、8つの同意チェック、支払い方法、3Dセキュアの6桁を、20秒未満で抜ける必要がある。書き出してみると分量がえげつない。

支払い方法は3つ並ぶのに、通るのはクレジットカードだけ

いちばん性格が悪い(褒めている)のが支払い方法の画面だ。選択肢はクレジットカード、コンビニ払い、銀行振込の3つが並ぶ。ただし通るのはクレジットカードだけで、他の2つを選ぶと「この受付ではクレジットカードを選択してください。」で止まり、ミスが1回加算される。

ちゃんと画面を見ればクレジットカードには「即時決済」、残り2つには「受付対象外」と小さく書いてある。読めば分かる。読めばいいのだが、32秒のカウントダウン中に小さい注記を読む余裕があるかというと、ない。この「ちゃんと書いてあるのに読まずに踏む」感じが、いちばん現実に近い。

同意項目に「転売禁止に同意する」が入っているのも芸が細かいところで、現実の公演でも本人確認や同行者登録は年々きつくなっている。店頭での本人確認を合言葉に見立てた大喜利としては、「転売対策にまどマギのセリフを3つ」という構文が少し前に伸びていた。

結果は「チケット獲得能力」のレーダーで出る

終わると結果画面が出る。タイムとスコアとランクに加えて、「チケット獲得能力」としてリロードの速さ、タップの正確さ、券種選択の速さ、入力の速さ、混雑からの復帰の5項目が各100点満点のレーダーで表示される。自分がどこで詰まったのかが一目で分かる作りだ。さらに「全参加者ランキング」が自己ベストで集計されていて、参加者の中での順位も出る。

そのままXへ飛ばせるようにもなっていて、シェア文は「架空のチケット戦争に勝利した!」または「架空のチケット戦争に敗北した!」で始まり、タイムとスコアとランクが並ぶ。ハッシュタグは #TICKET_WARS。この導線のおかげで、公開当日のタイムラインには結果報告のポストが流れてきている。

28.87秒でA席。A席とB席を分ける29秒のラインを、0.13秒差で内側に踏んだ形になる。ここからS席にするにはあと約4秒、SS席なら約9秒。1秒が250点で、ミス1回が100点。こういう数字を見せられると、つい「もう1回」となる。

このゲームは電ファミニコゲーマーでも当日のうちに記事になっていた。本物のチケット争奪戦のほうは相変わらず容赦がなくて、たとえば高橋和希原画展のチケット抽選のように、そもそも先着ですらなく運で決まるものも多い。せめて練習台くらいにはなるかもしれないので、次の一般発売を控えている人は20秒切りを目標にどうぞ。

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