スマーフキャットの曲はアラン・ウォーカー、元ネタは2011年のCG
白いキノコをかぶった、青い猫みたいな生き物。その画像に「We live, we love, we lie」という歌声が重なるのが「スマーフキャット」です。
流れている曲はアラン・ウォーカーの「The Spectre」。元の絵は2011年に描かれた3DCGで、猫ではなくスマーフを描いたものでした。
「スマーフキャット」とは?
スマーフキャット(Smurf Cat)は、写実的に描かれた青い小人の画像を、色を変えたりポーズ違いを並べたりしてスライドショーにし、EDMを乗せて流すミームです。2023年8月にロシア語圏のTikTokで生まれ、その秋には世界中に広がりました。
ロシア語圏での呼び名は「Шайлушай(シャイルシャイ)」。Know Your Memeによると、これはほぼ意味のない造語で、ロシア語の「шалопай(いたずら小僧)」に響きが似ているとされます。
「スマーフ 猫 名前」「青いキノコの猫」で検索されることも多いのですが、英語圏での通称が「Smurf Cat」、日本語ではそれをカタカナにした「スマーフキャット」です。正式な名前があるキャラクターではありません。
スマーフキャットの曲は「The Spectre」
「スマーフキャット 曲」で探している人への答えは、ノルウェーのDJ、アラン・ウォーカー(Alan Walker)が2017年9月15日に出した「The Spectre」です。
もとは2015年にNCSから出たインスト曲「Spectre」で、それに歌を入れたのがこのボーカル版。歌っているのはJesper Borgenですが、クレジットには名前が出ていません。
ミームで使われるのは、0:54あたりで歌われる「We live, we love, we lie」の部分です。このフレーズだけで「あの青いやつの曲」と通じるくらい、セットで覚えられています。
公式MVは2022年に10億回再生を超え、2026年10月4日時点で約13億1,340万回再生です。ミームのほうの印象が強い人も多いと思いますが、曲単体でも普通に大ヒット曲です。
元ネタは2011年の3DCG「Smurf Sighting」
画像の出どころは、アメリカのコンセプトアーティスト、Nate Hallinan(ネイト・ハリナン)の作品です。2011年9月14日にDeviantArtで「Smurf Sighting」として公開されました。
アニメのスマーフをもし現実に見かけたら、という絵で、写実的なスマーフがカタツムリを括りつけた棒を担いでいます。DeviantArtでは約2,800件のお気に入り、10万回を超える閲覧が付いています。2014年の作品とする記述も見かけますが、それは作者が自分のサイトに載せた年で、DeviantArtでの公開は2011年です。
ちなみに「スマーフ」自体は、ベルギーの漫画家ペヨが生んだ青い小人のキャラクターです。名前の由来はそこで、作者の設定に猫は出てきません。猫っぽい顔つきのせいで、ネットのほうが猫にしました。
キノコは帽子じゃなかった
いちばんのへぇポイントはここです。あの白い帽子とズボン、作者の設定では服ではありません。
Hallinanの解説では、このスマーフはキノコと共生する生き物で、帽子とズボンに見える部分はキノコの組織そのもの。スマーフの胚はキノコの傘に植え付けられて育つ、という設定まで付いています。
つまり「青いキノコの猫」は、実は「キノコと一体化した小人」でした。ミームとして眺めていたときより、ちょっと怖くなります。
TikTokで広まった流れ
Know Your Memeによると、流れは次のとおりです。最初の投稿者が誰かまでは確定していません。
- 2023年8月26日、TikTokの@ghojam1が色を変えた画像のスライドショーを投稿。5日で90万7,000回再生
- 8月27日、同じ@ghojam1がアラン・ウォーカーの曲を使ったリミックス版を投稿。4日で210万回再生、30万6,000いいね
- 続いて@klubnichka_gdなども投稿し、8月31日までに「#шайлушай」が800万回再生を超えた
9月に入ると、イチゴとゾウを混ぜた「Strawberry Elephant」、パイナップルとフクロウの「Pineapple Owl」のように、食べ物と動物を掛け合わせた派生が次々に出ました。9月13日には、CG5が「we live we love we lie」を使った曲をTikTokに投稿したとされます。
10月5日にはERNest MerkelがYouTubeに「Шайлушай」の動画を上げ、その後3,800万回再生を超えました。
ちなみにこの曲の使われ方には前例があって、2023年7月にはスキビディトイレのスライドショーが同じ曲のリミックスを使っていました。
なぜここまで流行ったのか
理由は大きく2つあります。
ひとつは、絵と曲の噛み合わなさです。妙にリアルで、かわいいのか不気味なのか決めかねる生き物に、壮大なEDMとエモい歌詞が乗る。この温度差がクセになります。
もうひとつは、真似のしやすさ。画像を何枚か並べて色を変え、曲を乗せればそれっぽくなるので、自分でも作れます。派生が爆発的に増えたのはこのためです。
意味のない呼び名、不気味かわいいキャラ、同じ音源の繰り返しという組み合わせは、のちのブレインロット文化の祖先のひとつとして扱われるようになりました。
「ブレインロットを盗む」への登場予告
「スマーフキャット ブレイン ロット」で検索されているのは、Robloxのゲーム「Steal a Brainrot(ブレインロットを盗む)」との関係です。
このゲームはイタリアン・ブレインロットのキャラを集めて盗み合う内容で、開発者がキノコと猫の絵文字を投稿したことから、スマーフキャットの追加が噂されています。ファンwikiでは「Upcoming(予告段階)」の扱いで、レア度はOGになる予定、実装日は未定、権利の許諾が取れていないため未実装とされています。公式発表ではないので、実装されるかどうかはまだわかりません。
使い方・例文
- 「この青いの何?」「スマーフキャット。曲はアラン・ウォーカーのやつ」
- 「We live, we love, we lie が流れると、もうあの青いのしか浮かばない」
- 「ブレインロットの元祖ってスマーフキャットじゃない?」
関連する言葉
同じ「意味のないキャラ+耳に残る音源」の系譜には、AIキャラのイタリアン・ブレインロットや、その日本版のジャパニーズ・ブレインロットがあります。
動物の画像に音源を合わせて世界に広がったミームなら、回る猫のoiia猫や、うるうる目のSad Hamsterも近い仲間です。