マイクラの黄色いAI「ベリティ(Verity)」の元ネタ動画、MODが無い理由と曲
黄色い球体にニコニコ顔。マイクラの世界にふわふわ浮いていて、「そこ掘ってごらん、ダイヤがあるよ」と教えてくれる。最高に便利な相棒に見えるやつが、日が経つにつれて様子がおかしくなっていく。これが2026年の夏にYouTubeとTikTokを埋め尽くした「ベリティ(Verity)」だ。
そして検索して来た人がだいたい同じところでつまずく。MODが見つからない。switch版でも統合版でも、公式配布らしきものがどこにも無い。理由ははっきりしていて、動画に出てくるベリティのMODは最初から存在しない。
「ベリティ」とは?
ベリティは、マインクラフトに出てくる設定のAIアシスタント。見た目は黄色い丸に黒い点の目と口という、絵文字みたいな顔だ。プレイヤーの肩あたりに浮いてついてきて、鉱石の位置や村の方角を教えてくれる。
問題はそのあとで、一緒にいる日数が経つほど言うことが不穏になり、最終的にプレイヤーを追い詰める側に回る。親切なガイドが徐々に壊れていく構成そのものがウケて、切り抜きとパロディがTikTokやショートに大量に流れた。あの笑顔とセリフ回しは今やホラーネタの素材として使われている。
元ネタ・由来
元ネタは、チャンネル登録者279万人のYouTuber ThatMob が2026年5月30日に公開したホラー短編『Something is Knocking at Your Door…』だ。再生数は2,411万回。
その2週間前の5月18日に前哨として『This Banned Mod is Too Scary For Minecraft…』(726万回)が出ていて、5月30日の第1話でベリティが本格的に登場する。以降はほぼ1か月おきに続いた。
- 2026年6月12日 第2話『Something is Inside Your House…』(1,858万回)
- 2026年7月8日 第3話『Something Won’t Let You Leave…』(1,461万回)
- 2026年7月12日 総集編『VERITY™ [FULL MINECRAFT MOVIE]』(2,495万回)
エピソードのタイトルが「ドアを叩く」「家の中にいる」「出してくれない」と段階的に進むとおり、夜を重ねるほど距離を詰めてくる構成になっている。第1話の概要欄にも「音も立てずに毎晩近づいてくる」と書いてあるとおりだ。ベリティの声は声優の @JustWhispy が担当していると第1話の概要欄でクレジットされている。
あの顔のデザインについても作者が種明かしをしていて、概要欄に「Verity smiling face very inspired by the Smiley Archives」と書いてある。海外のアナログホラーシリーズ『The Smiley Archive』に出てくる黄色いスマイリーを下敷きにしている、ということだ。この手の「ネットに転がっている謎の存在を追う」型はバックルームズの系譜でもあり、日本でいう洒落怖のポジションにあたる。
MODが実在しない理由
サジェストに「ベリティ マイクラ mod」「やり方」「統合版」「アドオン」「switch」「無料」がずらっと並ぶくらい、みんなMODを探している。知恵袋にも「統合版で無料と書いてあるのを見たんですけどスイッチ版ってないんですか?」「verityに話しかけると、画像のようになってしまった」といった質問が積まれている。
答えは第1話の概要欄に作者自身が書いている。
This video is a horror short film, it uses scripted editing and sounds to add the main entity in video. Please do not ask for the mod.
ホラー短編であって、ベリティは撮影と編集と音で足したものだから、MODを聞かないでくれ、と。つまりThatMobが配っている公式MODというものはそもそも無い。探しても出てこないのは当然だった。
ではCurseForgeで見つかるあれは何なのかというと、あとから有志が作った再現版だ。PnTMC の「Verity - Bedrock Edition」がそれで、作品ページの概要にも VERITY BY @ThatMob と原作者へのクレジットが入っている。これがえげつない勢いで伸びていて、CurseForge公式ブログは2026年8月17日の記事で「1か月未満で490万ダウンロード突破」と紹介した。作品ページの累計は9月17日の最終更新時点で13,392,852ダウンロードまで来ている。ブログによれば、このアドオンはゲーム内の日数を数えていて、3日かけてベリティが凶暴化していく作りになっているという。
規模の話をもうひとつ。フィギュアブランドの Youtooz で肩乗りぬいぐるみの商品化が決定していて、価格は32ドル、予約開始は2026年10月の予定とアナウンスされている。表情の違う頭が3種類付いてくる仕様だ。半年経っていないネットミームでここまで来るのは相当だろう。
最後に、断定を避けておきたい点も書いておく。KYM(Know Your Meme)には「Something is coming in three days.」というセリフが載っているが、これはKYMだけが出典で一次確認が取れていない。3日で進むという構成の話も、確認できるのはCurseForgeのアドオン側までだ。「公式に許諾を受けたJava版がある」という話にいたっては、ファンサイトやSEO記事しか出典が無いので、ここでは触れない。
「It’s me, It’s Verity」の曲
ミーム化の本当の起点は、実は動画そのものより曲のほうだ。2026年7月10日、別のYouTuber Horror Skunx が『It’s me, It’s Verity』を投稿した。3,145万回再生。
ここを間違えている解説が多いので押さえておくと、この曲はThatMob本人の作ではない。ファンによる二次創作曲で、これがTikTokやリールのBGMとして流れたことで、原作の3話を観ていない層にまで顔とフレーズだけが届いた。日本で「ベリティ 曲」「ベリティ セリフ」が検索されるようになったのもこのルートだ。音だけ先に知れ渡って、あとから元ネタを探しに来る流れはブレインロット系のミームとまったく同じ経路をたどっている。
日本語圏では、実況者の切り抜きとショートを通じて2026年の夏から秋にかけて広がった。pixivに二次創作が上がるくらいには定着している。
使い方・例文
- 「ベリティのMOD入れたい」「あれMOD無いよ、映像で作ってるだけ」
- 通話中に急に優しくなった友達に「急にベリティみが出てきた」
- 顔だけコラして「It’s me, It’s Verity」をBGMに貼る、いちばん見かける使い方
関連する言葉
マイクラ発でここまで外に飛び出したミームというと、劇場を騒然とさせたチキンジョッキーが記憶に新しい。どちらも「ゲーム内の小ネタが、ゲームを遊ばない層にまで音と映像で届いた」型だ。
国内のマイクラ文化のほうも動きが激しく、実写と見分けがつかない建築で話題になった架空都市「味噌汁市」の一般開放や、総勢146名が参加したマイクラ肝試し2026あたりが2026年の主戦場になっている。ベリティで「マイクラでホラー」に目覚めた人は、そのまま肝試し企画を追いかけるといい。