「チー付与」小説と漫画は「99割」違う、アニメの原作は漫画版
アニメ『チー付与』の原作は、小説ではなく漫画版のほう。原作者本人がXでそう答えた。
10月13日の夕方、原作者の六志麻あさ(@amakusashiro7)さんが第2話の放送告知をポストした。そこに添えられていたのがこの一文だ。
「※こちらは業務用餅先生が描かれた漫画版のアニメ化となります」。カッコ書きで「どっちのアニメ化? という声をたまにお見掛けするので」と理由まで付いている。
ふつうのなろう系なら、小説が原作で漫画はコミカライズ、アニメも小説ベースで作られる。それでも原作者がわざわざ書いたのは、この作品だと「どっちか」で中身がまるで変わるからだ。
原作者いわく「99割」違う
小説家になろうの作品ページを開くと、あらすじの最後にこんな注意書きがある。
※小説版と漫画版で内容が99割程度違うので、ご注意ください。
99%ではなく99割。10割を軽く突き抜けている。
笑わせにきている数字だけど、言いたいことは伝わる。同じタイトルの別作品くらいに思っておけ、ということだ。
アニメの公式サイトも、この一文をイントロダクションでそのまま使っている。わざわざ「(※原文ママ)」と添えたうえで「予想の上を行く規格外のストーリーが展開される!!」と続けていて、公式が「99割」を売り文句にしている格好だ。
正式タイトルも「~」の有無で違う
違いはタイトルにも出ている。なろうのあらすじ末尾に、2つの正式名称が並べて書いてある。
小説版の正式タイトルは『追放されたチート付与魔術師は気ままなセカンドライフを謳歌する。俺は武器だけじゃなく、あらゆるものに『強化ポイント』を付与できるし、俺の意思でいつでも効果を解除できるけど、残った人たち大丈夫?』。
漫画版はこれの「俺は武器だけじゃなく」から最後までが「~」で挟まっている。長すぎて差が目で追いにくいけど、別物として扱われているのは確かだ。
なろうのあらすじ冒頭も「【漫画版のアニメ化が決定しました!】」で始まっていて、どっちのアニメ化かは最初から書いてあった。とはいえ、あらすじを最後まで読む人はあまりいない。
漫画の面白さは原作にない部分
漫画版で何が変わったのかというと、ニコニコ大百科の「小説とコミカライズ版の違い」の節では、ギャグが大量に足されたこと、日本円やパチンコが出てくる世界観になっていることが挙げられている。
原作者は漫画版の連載が始まって1年もたたない2022年の時点で、すでにこう書いていた。
- 「ちなみに漫画で面白い部分は、だいたい原作にない箇所ですw(オチ)」(2022年8月の返信)
- 「ぼく自身は改変含めて楽しく読んでるんですが、『原作者かわいそう』的な言説も一部広がってるみたいで、ちょっと困惑も……w」(2022年10月の返信)
原作を大きく変えたコミカライズは揉めがちだけど、この作品では原作者が改変をいちばん楽しんでいる側だった。
「原作者かわいそう」と心配する声に、本人が「困惑」と返しているのがちょっと面白い。
アニメは第2話まで放送済み
アニメは10月6日(火)の深夜24時からテレ東系で始まった。制作はP.A.WORKS、オープニングテーマはsumikaの「エンバートーチ」だ。
第2話は10月13日の深夜に放送された。サブタイトルは「強化した服を着ていたら痛恨の一撃で破壊されトラウマを抱えたプライベートコーデ女子に渾身の一撃を食らう。」。
サブタイトルからしてこの長さ。漫画版のノリがそのままアニメに来ているのが分かる。予告映像は公式のYouTubeでも見られる。
配信はABEMAとdアニメストアが最速で、テレビ放送の30分後から見放題で始まる。そのほかの配信サービスでは金曜の24時30分から順次配信だ。放送局と配信の一覧はアニメ公式サイトの放送・配信ページにまとまっている。
漫画担当の業務用餅は新連載も
漫画版を描いている業務用餅さんは、2026年に月刊少年マガジン8月号から新連載『武者嶽園』(むしゃがくえん)を始めている。原作者もXで「おめでとうございます!」と祝っていた。
アニメから入った人がいちばん近い味を求めるなら、手に取るのは漫画版のほう。小説版は「同じ設定の別の話」として読むと、どこが99割なのかを確かめる楽しみ方ができる。
同じように小説と漫画で話が分かれている作品には、『神さま学校の落ちこぼれ』もある。こちらは小説5巻から漫画と別の物語になる。
「追放系」や「なろう系」という呼び方自体が気になった人は、ミーム辞典の追放系となろう系の項目もどうぞ。作品の紹介はアニメ公式サイトと、電ファミニコゲーマーの記事が詳しい。