富士急のNARUTO「シカマル」像が雨の日に人気な理由は顔を伝う“滝汗”
雨の遊園地は、普通なら屋根のある場所に人がバラけていく。ところが富士急ハイランドでは、小雨が降り出した途端に一体の像の前に人が集まりだしたらしい。その光景を撮った写真2枚の投稿が、1日足らずで11万いいねを超えている。写っているのはNARUTOのシカマルの等身大像で、集まる理由は雨宿りではない。雨が降ると、この像は滝汗をかく。
小雨が降り出した瞬間、なぜかシカマル像の前に人が集まり始めた
投稿したのはインターネット性善説ドラゴンさん(@SeizensetDragon)。2026年9月12日の15時22分に、「小雨振り始めた瞬間、何故だかシカマル前に人が集まり始めた」という一文と写真2枚を上げている。いいねは11万3千、返信は79件。
1枚目はシカマル像の顔のアップだ。額と頬に水滴が乗りかけていて、背景には白い日よけと、木ノ葉のマークが入った旗、そして青い建物が写っている。看板にはゲーム処 忍術カーニバルと出ていて、同じエリアにあるアーケードゲームの施設だ。
2枚目で状況が分かる。「茶屋」の看板が出た建物の軒下、屋根に守られたベンチに像は座っている。その手前に来園者が立っていて、奥には木ノ葉マークの提灯と大きな観覧車が見える。つまり像自身は軒下にいるので、まっすぐ落ちてくる雨なら顔までは届かない。裏を返せば、像がびしょ濡れになっている日は、風で雨が吹き込んでいるということになる。
海外ではパリ郊外にドラゴンボールのテーマパークを建てる計画が動き出したところだが、木ノ葉隠れの里のほうはオープンから7年が過ぎている。周年企画の中身は5TH ANNIVERSARY Finalの特設ページにまとまっている。
雨粒が顔を縦に伝うと、そのまま「滝汗」に見える
タネは単純で、雨が吹き込んで像の顔に水滴が付くと、頬を伝った筋が汗そのものに見える。リアルな人物の像ではなく、アニメのキャラクターの顔で起きるのがポイントで、もともと汗を描く文化のある絵柄に本物の水滴が乗ると、作画としか思えない見た目になる。
こぐまさん(@maid_koguma)が9月7日に上げた写真が分かりやすい。「雨の富士急で滝汗のシカマルに会えて神」という一文と一緒に投稿された像の上半身は、黒髪も額も頬も緑のベストも水滴で覆われていて、頬には雨粒が縦に落ちた跡がくっきり残っている。
ただし、雨さえ降れば必ずこうなるわけでもないようだ。襟野巻太郎さん(@muffler__tokage)は9月7日に「雨の日に富士急行ってもここまでシカマル濡れてないんだよね。どんな豪雨だったらここまで汗かいてんだよシカマル」と書いている。屋根があるぶん、風向きと雨の強さが噛み合わないと顔までは届かない。
逆に、止めば消える。9月12日の朝10時すぎには⭐️KB⭐️さん(@k12b_yan)が「これ見たさの富士急ある。」「早速有名シカマルして熱い。」「雨が上がり再現無念。」と投稿していて、同じ日の20時半には、かーくんさん(@ka_kun05)が乾いた状態の像を撮っている。添えられていたのは「富士急に噂のシカマルいるの思い出して撮ったw」「汗かいてないバージョン」。同じ像とは思えないくらい涼しい顔をしている。
11万いいねの前から、もう「ミーム」と呼ばれていた
9月12日の投稿で一気に広まった格好だが、呼び名自体はそれより前からある。8月19日の時点でアンテナさん(@4n73nn4)が「せっかく雨の日にこんなとこ行ったのに富士Qのシカマルみたいな画像撮ってないのセンス無さすぎて死ぬ」と書いているし、8月22日にはだだちゃまめさん(@Dadacha_mamen)が「雨+雷注意報によりシカマルがネットミームにwww」と投稿している。
8月31日には気流さん(@rk317_flow)が「NARUTOエアプやけど富士急楽しかった」「シカマルのミームの本体見れたのも良い」と、現地で実物を見た報告を上げた。9月4日には仮病さん(@_malice_mizer__)が「誕生日は富士急でした。」「雨だったけどクソ焦ってるように見えるシカマル見れて大満足」。少なくとも3週間は、雨の日限定の名物として一部で共有されていたことになる。
誰が最初にこの見立てをしたのかは、遡っても分からなかった。発信源を名指しする投稿もあるにはあるが裏が取れていないので、ここでは断定しない。
「焦っている時の顔」として、現地に行っていない人も使い始めた
面白いのは、像の写真が単なる観光スポットの記録を飛び越えて、感情のスタンプみたいに使われ始めたことだ。
い ぬさん(@number1wan1)は9月9日の11時13分に「明日の飲み会幹事アタイになってて店予約してねぇよとなり富士急のシカマル(画像略)」と投稿し、36分後の11時49分に「店予約できたので晴れの日の富士急のシカマルとなった」と続けている。焦っている状態が滝汗バージョン、解決した状態が晴れの日バージョン。像の写真を貼らずに言葉だけで通じるところまで来ている。
自我意識さん(@12nenburiyumejo)は9月8日に「平成のNARUTOミームって言ったらもっぱらサスケェ!とかやめろォ!とかだったのに、令和の今になって一人雨に濡れただけでミームになってる奈良シカマルほんまに面白すぎてジワジワくる」と書いていた。原作のセリフでも名場面でもなく、設置物が雨に濡れただけで広まったという指摘はそのとおりで、そこが今回の妙な味になっている。
雨が降ってくれと祈る人まで出てきた
反応でいちばん多かったのは、実物を見たいという方向だ。ハル🍀🌈さん(@HARU1202CtR410)は9月11日に「雨の富士急って「例の滝汗かいてるシカマルが見れる」以外になにかあるのか?」と投稿。たさともさん(@taso_inori)は同じ日に「富士急で滝汗のシカマル拝みたすぎるのでちょっとだけ雨降ってくれ」と書いている。遊園地の予報をチェックして雨のほうを期待する側に回る、というのはなかなか珍しい。
では「富士急 シカマル 雨」で調べている人が知りたい一点、雨の日に行けば見られるのかという話に答えると、条件つきでイエスになる。像は軒下のベンチにいるので、雨が降っていても風向き次第では顔まで届かない。しっかり吹き込んだ時だけ水滴が頬を伝い、上がって乾けばいつもの表情に戻る。強めの雨と風がセットで来た直後がいちばん確率が高い、というのが投稿群から読める範囲だ。
天気予報を見て遊園地に行く日を決めるとき、いつもと逆の判定基準が一つ増えたことになる。雨の富士急に行く予定がある人は、茶屋の軒下を覗いてみてほしい。