← 一覧へ 暮らし

イトメンの幻の「チャンポンめん」、ミルク味も「タヒチ風」も実在していた

2026年9月12日 ・ トレンド「イトメン チャンポンめん」より

ミルク味のインスタントラーメンと言われても、まず冗談だと思う。ところが実物がある。兵庫県たつの市のイトメンが2026年9月11日の朝、自社のXアカウントで過去に出した「チャンポンめん」シリーズの限定商品4種の写真を並べ、食べたことのある味と復活してほしい味を募集した。出てきた顔ぶれがトマト、ミルク、ココナッツカレー、梅しそで、それを見た人のリプ欄がざわついている。

「復活してほしい味は?」と聞いてきたのは会社のほう

投稿したのは公式アカウントの @itomen_official 本人で、文面は「おはイトメン(=゚ω゚)ノ」から始まる朝のあいさつつきだ。そこに「過去発売していたチャンポンめんシリーズ商品🍜」と4枚の写真を添えて、「食べたことのある味、復活してほしい味はありますか?」と聞いている。消費者が終売に文句を言ったのではなく、作っている側から先に聞きにきた形になる。もっとも、聞いているだけで何かを戻すと言っているわけではない。

翌12日の朝までで表示はおよそ2万6千、いいね435、リポスト89、返信78。数字だけ見れば特大バズではないが、返信には味の名前を名指しで挙げるものが並び、公式がそのひとつひとつに返している。

並んだのはトマト・ミルク・ココナッツカレー・梅しその4種

写真に写っていた4つを、パッケージ表面の表記どおりに並べるとこうなる。

  • レッドトマト味チャンポンめん(限定商品)。パッケージに「太陽のトマト味」「あっさりコク旨!」の表記。エビ・シイタケ付、5食入、無塩製麺、揚げ油に100%植物性油使用
  • ホワイトチャンポンめん(限定商品)。パッケージに「不思議な美味しさ ミルク味」の表記。エビ・シイタケ付、5食入、無塩製麺
  • タヒチ風チャンポンめん(数量限定)。パッケージに「ココナッツとカレーがほんのり香る ココナッツカレー味」の表記。エビ・シイタケ付、5食入
  • チャンポンめん 梅しそ味(数量限定)。パッケージに「つぶつぶ梅・赤しそ付」の表記。5食入

4つとも過去に限定または数量限定で売られていたもので、今は店頭にない。発売がいつだったかは公式サイトの商品ページにも残っていないので、そこは「昔あった」としか言えない。ちなみに定番のチャンポンめんはエビとシイタケのかやくが入るのが特徴で、限定の3つがその構成をそのまま引き継いでいるのが地味におもしろいところだ。トマトにもミルクにもエビとシイタケが入る。

ミルク味の「ホワイトチャンポンめん」は本当にあった

4つのうち、初見でいちばん引っかかるのがホワイトチャンポンめんだと思う。パッケージの説明が「不思議な美味しさ ミルク味」で、作った側も普通の味だとは言っていない。パッケージ写真のスープも白く、牛乳パックのイラストまで添えられている。ラーメンに牛乳を足すアレンジを自分でやる人はいるが、メーカーが袋麺の側で先にやっていたことになる。

味の実態については、公式アカウント自身がリプ欄で答えている。ミルク味が気になると書いた人に対して、「まろやかクリーミーなミルク味!おすすめです!」と返していた。自社商品なので当然ほめるわけだが、少なくとも「変わり種で終わった」とは扱っていない。

食べたことがある人の反応もあった。「ホワイトチャンポンめん 牛乳とコンソメとチーズ足したら 美味かった ホワイト!」というアレンジ報告が上がっていて、公式は「チーズアレンジは絶対美味しいやつですね」と乗っかっている。ミルク味の袋麺に牛乳とチーズを足すのは、もう白いスープを名乗る気しかない。

タヒチ風は、パッケージの時点で自分にツッコんでいた

この投稿でいちばんおいしいのはタヒチ風チャンポンめんだ。味はココナッツカレーで、これも公式がリプで「ココナッツカレー味です!」と説明している。問題はパッケージのほうで、上部の吹き出しにこう書いてある。

神様お願い!! タヒチ風チャンポンめん バカ売れさせて~!!

いやいや、タヒチとチャンポン 合わんやろ

売る側が、自分の商品に自分でツッコミを入れている。神様に祈っているのは羽の生えたイトメンのキャラクターで、その隣に並んだティキ像3体は「お!イケる!!」と乗り気なのが1体、「合わんわな~」と冷めているのが1体、そして「合わんやろ」と言い切るのが1体。売り出す当人の横で2対1になっている。数量限定という枠で出ていることを考えると、社内でも「これは攻めすぎでは」という空気があったのではと想像したくなる。

そして実際、タヒチ風は今回のリプ欄でも何度か名前が挙がっていた。「タヒチ気になります」と書く未体験組と、「タヒチ風の復活を心よりお待ちしております!」と書く体験済み組が混ざっている。合わんやろと自分で言っておいて指名されるのだから、パッケージの吹き出しは半分くらい正解だったことになる。

63年目のチャンポンめんは、今も4つのラインが現役

限定品の話ばかりになったが、本体のチャンポンめんは今も普通に売っている。公式の商品ページによると発売は1963年5月で、説明文は「1963年発売の超ロングセラーです。」から始まる。内容量100g(めん量91g)、希望小売本体価格148円。エビとシイタケのかやくがスープと合わさる風味が特徴だと書かれている。

会社沿革を見ると、この60年の動かし方がよく分かる。1963年に油揚げめんのチャンポンめんを発売し、1980年にチャンポンめんを無塩製麺で発売。2018年には発売55周年記念として「チャンポンめんブラック」、2023年には60周年記念として「ブラックチャンポンめん」の通年販売を始めている。周年のたびに派生を出してきたブランドで、今回の限定4種もその延長にある。

現行のブランドページに載っているラインナップは、ブラックチャンポンめん5食パック、5食のチャンポンめん、5食のチャンポンめん海鮮風とんこつ、カップチャンポンめんの4つ。公式アカウントのプロフィールには「2026年に発売63周年を迎えた【チャンポンめん】」とあり、周年の数え方も現役で更新されている。

リプ欄で名前が挙がった味と、写真に写っていなかった味

返信を追うと、4種それぞれに指名が入っていた。「レッドトマトは、復活して欲しいです!」と書く人がいれば、梅しそ味について「梅しそ、美味しかったですし、周りにも好評でした」と当時の評判まで添える人もいる。食べそこねた側からは「ミルク味も気になります」という声も出ていた。梅しその人はそのまま「全部、復活して欲しいです」とも書いていた。

おもしろかったのは、写真に写っていない味を持ち出した返信だ。タヒチ風と梅しそを食べたことがあるという人が、そのうえで「あと昔あった油そばも食べたいなー」と付け加えていた。これに対して公式は当時のパッケージ画像を添えて、「当時、油そばって結構攻めた商品ですよね…」と返している。並べた4種の外側にも、掘れば出てくる過去商品がまだあるらしい。

どれが戻ってくるかは分からないし、そもそも戻すと決まった話でもない。ただ、会社側が名指しで募集しているのだから、言っておく価値はある。ミルク味とココナッツカレー味、あなたならどっちを推すだろうか。

広告