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モナ・リザの立入禁止エリアに学マス「広ぬい」、置いたのはルーヴル職員

ルーヴル美術館の国王の間。正面の濃紺の壁にモナ・リザが1点だけ掛かり、その手前に木製の柵が組まれている
画像: モナ・リザが展示されているルーヴル美術館の国王の間(CC0 / Shonagon, via Wikimedia Commons)

ルーヴル美術館のモナ・リザは、濃紺の壁に1点だけ掛かっている。絵の手前には木の柵が組まれていて、来館者はその手前から見上げる形になる。9月20日の夜、その柵の内側にちょこんと立っているぬいぐるみの写真がXに投稿され、丸一日で15万いいねを超えました。しかも置いたのは投稿者ではなく、美術館のスタッフのほうです。

スタッフのほうから柵の内側に運んでくれた

投稿したのは、ちんさまさん。文面は「ルーヴル美術館でぬい活してたらスタッフのお姉さんがモナ・リザの近づいてはいけないエリアに広ぬいを置いてくれて周囲がざわつきました、メルシーありがとう」というものです。9月20日18時2分の投稿で、翌21日夕方の時点で15万いいね、リポスト2万、表示は3,000万回を超えました。

写真をよく見ると、状況がだいぶ面白い。濃紺の壁の下に木の段が二段組まれていて、手前の低いほうの段に白い髪のぬいが1体、こちらを向いて立っています。すぐ後ろには黒い無線機が1台立ててあって、ぬいと無線機が並んで待機しているように見える。さらに壁の暗い部分には、カメラを構えた人の影がびっしり映り込んでいます。

最初は没収されると思っていた

3時間後の続報で、本人が舞台裏を明かしています。「最初ぬい没収されるのかと思って焦ってたら、お姉さんがTrust meと言ったので託しました、一生の思い出となってしまいました。。」とのこと。スタッフに声をかけられた時点では、怒られる側だと思っていたわけです。

壁の映り込みについても本人が触れていて、「ちなみにうっすら反射してますが凄い数の人が広ぬいにシャッターを向けています、ヤバ光景」と書いています。モナ・リザを撮りに来た人たちの一部が、モナ・リザではなく足元のぬいを撮っていた、という絵面です。こちらの投稿も8万8千いいねを超えました。

そもそも「広ぬい」が何なのかでも沸いた

広ぬいというのは、『学園アイドルマスター』(学マス)に出てくるアイドル、篠澤広のぬいぐるみを指すファンの呼び方です。白い長髪が目印で、公式のぬいぐるみも次々に出ています。いま予約を受け付けている「みてぬい【篠澤 広】」は約W110×H155×D55mm・3,900円(税込)で、お届けは10月下旬以降。写真に写っているのも、そのくらいの手のひらサイズです。

学マスを知っている側からすると、この組み合わせがまず可笑しかったようです。「ルーヴル美術館にぬい活してる人がいるので笑えるのによりにもよって広ぬいなのがもう腹痛いw」「まずルーヴル美術館に広ぬいと一緒に行ってるのが結構面白い」といった反応が並びました。「モナ・リザと並ぶ広ww」と、絵と同じ格に置かれてしまったことを面白がる声もあります。

いちばんうまいと思ったのが「岸辺露伴 ではなくて 篠澤広 ルーヴルへ行く ?」という一言。『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』は、ルーヴル美術館とフュチュロポリス社のバンド・デシネ企画の第5弾として荒木飛呂彦さんが描いた全ページフルカラーの作品で、日本の漫画がルーヴルに正面から乗り込んだ例として知られています。そこに広ぬいを差し替えるのは、確かに座りがいい。

学マス側の別の話として、篠澤広は先日新曲「め」が配信されたばかりでもあります。「広ぬいといい、初星のぬいはルーヴルやらニューギニアやらイランやらやたら世界中に行ってないか?」と、学マスのぬいの行動範囲にツッコむ人も出ていました。

この距離でモナ・リザを見られるのは2031年まで

ぬいを置いてもらえた柵そのものも、実はそんなに長く残りません。ルーヴルは改修計画「Louvre Nouvelle Renaissance」を進めていて、公式のプレスページには「Concevoir et réaliser de nouveaux espaces sous la Cour Carrée et les jardins périphériques afin d’y accueillir notamment un nouvel espace muséographique dédié à la Joconde.」と書かれています。カレ広場と周辺の庭の地下に新しい空間を掘り、そこにモナ・リザ専用の展示スペースを作るという意味です。

この新しい導線は「Parcours Joconde」と名付けられていて、公式は「Ce « Parcours Joconde » proposera une rencontre avec cet immense chef-d’œuvre devenu iconique, à la hauteur de l’attente des visiteurs.」と説明しています。来館者の期待に見合う形でモナ・リザと出会える場にする、という言い方です。Tokyo Art Beat の記事によれば工期は2031年まで、新展示室に入るには別途チケットが必要になるとされています。2024年の来館者は870万人。現在の国王の間は美術館でいちばん広い部屋ですが、それでも捌ききれなくなったということでしょう。

つまり、今の「木の柵の手前から遠巻きに見る」形は期間限定です。「15年くらい前はモナリザ結構近くまで寄れた覚えがある」という声もあって、距離の取り方は何度も変わってきました。次に変わるときは部屋ごと変わります。

ダメと言わずに引き受けたスタッフ

写真が撮れている通り、モナ・リザの部屋は撮影そのものを禁じてはいません。ただ、柵の内側は当然ながら来館者が入っていい場所ではない。そこを「Trust me」の一言で引き受けて、自分の手で運んでくれたわけです。禁止で終わらせずに乗ってきた返し方が、この1枚がここまで伸びた理由だと思います。

美術館は、予備知識がなくても遊びようがある場所です。以前も大怪盗だったらどれを盗むか、と聞いてから回ると鑑賞がはかどるという話が広まっていました。ぬいを連れて行く人は、無理に自分で置きにいかず、まず声をかけてみるところからどうぞ。

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