機動戦艦ナデシコ30周年のPVに「バカばっか」の新規ボイス、南央美本人も32分後に反応
Xで誰かが投げやりなことを言っていると、リプ欄に「バカばっか」とだけ返ってくることがある。呆れた時の相づちとしてすっかり定着している言い回しだけど、出どころは1996年のアニメ『機動戦艦ナデシコ』だ。言っていたのは艦のオペレーター、ホシノ・ルリ。
そのフレーズが、30年目にして新しく録音された。
8月28日の21時30分、『機動戦艦ナデシコ』30周年の公式アカウント(@nadesico_PR)が約2分の記念PVを投稿している。文面が完全に艦内アナウンスで、「あの時の記録を集めていたところ、当艦オペレーター #ホシノ・ルリ によるアナウンスが入りました。クルー各位、記録を確認せよ!」と来る。読んでいる側もナデシコのクルー扱いされている。
1分59秒のPVにルリの新規ボイスが入っている
映像はTVシリーズのOPテーマ「YOU GET TO BURNING」に乗せて、クセの強いクルーが名台詞とともに次々出てくる構成になっている。尺はちょうど1分59秒。
注目されたのは音のほうだった。電ファミニコゲーマーは、PVについて「ナデシコのオペレーターである『ホシノ・ルリ(CV.南央美)』による新規ボイスも収録され、名台詞である『バカばっか』も聞くことができる」と書いている。当時の音源を引っぱってきたのではなく、今回のために録った声ということになる。
同記事はファンの反応として「あの頃の記憶がよみがえった」「嬉しすぎて発狂した」「忘れてないよ」といったコメントも紹介している。9000件を超えるいいねが付いた投稿の下は、だいたいこの温度だ。
32分後、本人が「30年目のバカばっか」
公式投稿から32分後の22時02分、ホシノ・ルリ役の南央美さんが引用して一言だけ書いた。「30年目のバカばっか」。本当にそれだけで、絵文字も補足もない。
いいねは6800件を超えている。文字数は9文字しかないのに、「30年目」の3文字が全部を説明してしまっている。
そもそも「バカばっか」はどこから来たのか
ホシノ・ルリは実験戦艦ナデシコのオペレーターで、能力は一流だけど性格に難のあるクルーばかりが集まった艦の中では、いちばん落ち着いている側の人物だ。周りの大人が騒ぐたびに冷めた声で漏らすのが「バカばっか」で、愛称は「ルリルリ」。
この言葉はアニメの外にはみ出していった。ニコニコ大百科には「バカばっか」で単独の記事が立っているし、作品を見たことがなくても言葉だけ知っている、という人がかなりいるはずだ。今回のPVは、その言葉の持ち主が現行の声で言い直したものになる。元ネタを知らないまま使ってきた人にとっては、ここが出発点ということになる。
10月12日のイベントは昼がユリカ、夜がルリ
30周年の動きはPVだけで終わらない。30周年の公式サイトによると、10月12日(月・祝)に東京・東池袋のアニメイトシアターで「放送30周年記念 上映&トークスペシャルイベント」が開かれる。TVシリーズから3話分の上映と、トークショーの2本立てだ。
分け方が凝っていて、昼公演が「ユリカ・セレクション」、夜公演が「ルリ・セレクション」。同じ日に2回やるのに、キャラクターに寄せて上映する話数を変えてくる。登壇はミスマル・ユリカ役の桑島法子さんとホシノ・ルリ役の南央美さんで、MCはキングレコードの中西豪さん。夜の部に行けば、生の「バカばっか」が聞ける可能性はそこそこ高い。
7月から静かに動いていた
公式サイトと公式Xが立ち上がったのは7月24日で、電撃オンラインが当時記事にしている。そこから1か月ちょっと寝かせて、最初の大きな弾がこのPVだったわけだ。
PVが出た8月28日の夜は、新宿のLOFT/PLUS ONEでトークイベント「すたちゃ☆ナイト VOL.1 機動戦艦ナデシコ」も開かれていた。登壇はテンカワ・アキト役のうえだゆうじさんと、クリエイターの羽原信義さん、プロデューサーの千野孝敏さんと池田慎一さん。テーマは「僕たちの機動戦艦ナデシコを、みんなで語ろう!」で、30周年をどう盛り上げるか相談するキックオフイベントという位置づけだった。開演19時30分・終演21時30分の予定なので、PVが投稿された21時30分はちょうどこのイベントが終わる時間にあたる。
90年代の名台詞を本人が現在進行形でいじる流れは、アスカ役の宮村優子さんが「あんこバタぁ!?」と言いながらあんバターを食べ比べた回でも見た。周年企画のほうだと、『君の名は。』公開10周年で新海誠監督が出した1枚のコピーの話もある。
PVは公式アカウントの投稿からそのまま再生できる。1分59秒しかないので、名前だけ知っていたフレーズの本物を聞くには十分だと思う。