『天幕のジャードゥーガル』と日本・モンゴル民族博物館のコラボ展が開幕、会期は1年間
アニメとのコラボ展というと1〜2か月で終わるのが普通ですが、8月22日に開幕したこの展示は2027年8月21日まで、まるまる1年やります。兵庫県豊岡市の日本・モンゴル民族博物館と、TVアニメ『天幕のジャードゥーガル』のコラボです。
「モンゴル帝国の美しき女性たち」
正式名称は、開館30周年記念特別展〜TVアニメ『天幕のジャードゥーガル』から読み解く〜「モンゴル帝国の美しき女性たち」。長いですが、中身はタイトルどおりです。
主役になるのは作中にも出てくる2人の実在人物、ソルコクタニ・ベキとドレゲネ。豊岡市の告知では、この2人をモンゴル帝国の未来を占う光と影として位置づけ、そこから現代まで受け継がれるモンゴル女性の強さと美しさの源をたどる、という構成が示されています。
展示には本展オリジナルの描き下ろしイラストとアニメの場面カットが使われ、声優のインタビュー動画の上映やサイン入りポスターの展示も行われます。描き下ろしイラストを使ったグッズ販売も予定されています。
そして、いちばん現地に行く理由になりそうなのが試着コーナーです。ソルコクタニとドレゲネをイメージして現代風にアレンジした民族衣装を、実際に着られます。
そもそも、なぜ豊岡にモンゴルの博物館があるのか
コラボの発表を見た人の反応で多かったのが「そんな博物館があるのを知らなかった」でした。日本・モンゴル民族博物館は豊岡市但東町にある市立の博物館で、2026年11月に開館30周年を迎えます。
所蔵はモンゴル民族文化の資料が中心で、モンゴル近代絵画、チベット仏教コレクション、アジア考古資料、郷土資料まで合わせて約5千点以上。豊岡市観光公式サイトでは、モンゴル民族資料は質・量ともに国内有数の資料群だと紹介されています。アニメのコラボがなければ一生知らずに終わっていた人が、今回かなりの数いそうです。
ネックはアクセスで、「アクセス確認したら名古屋行くよりコストすごかった」「豊岡まで行くのが手間なんだけど、さらに博物館までが遠い」という声が実際に出ています。会期が1年あるのはたぶんそのためで、思い立ってから旅程を組む余裕があるという意味では、これ以上ない設定です。
原作は「学問で復讐する」歴史マンガ
『天幕のジャードゥーガル』はトマトスープさんによる歴史マンガで、秋田書店のWEBコミックサイト「Souffle」で2021年から連載中、単行本はボニータコミックスから出ています。アニメは2026年7月4日にテレビ朝日系列の「IMAnimation」枠で放送が始まり、制作はサイエンスSARUです。
物語は1213年、東ペルシアのトゥースから始まります。奴隷の少女シタラは、未亡人ファーティマに引き取られて学ぶことの大切さを教わりますが、8年後、チンギス・カンの四男トルイが率いる軍がトゥースに侵攻。ファーティマは彼女をかばって命を落とします。シタラは亡き主人の名を継いで「ファーティマ」と名乗り、トルイの正妻ソルコクタニに仕える侍女として後宮に入り込む。手元に残った唯一の資産である知性を武器に、モンゴル帝国への復讐を胸に秘めながら、です。
つまり原作もアニメも、モンゴル帝国を外から来た人間の目で見る話です。展示が「モンゴル帝国の美しき女性たち」として、実物の民族資料と並べてソルコクタニとドレゲネを扱うのは、その意味でかなり噛み合っています。
「今期ハマってるから行きたい」
告知への反応は素直に旅行の計画になっていました。「前期は『上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花』、今期は『天幕のジャードゥーガル』にどハマりしているので、ポーラ美術館再訪の前に日本・モンゴル民族博物館を訪問したい」という投稿もあれば、「こんなの、ある事すら知らなかった。会期も長いので、機会を見つけて行ってみたい」という声も。
アニメ開始時にすでに訪れていた人からは、「展示の紹介がアニメの世界観に沿った内容に大きく変わってて気合いの入りっぷりが伝わりました」との報告も上がっています。ただしこの人によると、ソルコクタニとドレゲネの人物紹介で今後の展開に触れられている部分があるとのこと。アニメを追っている途中の人は、そこだけ心の準備をしてから行くのがよさそうです。