「次にくるマンガ大賞2026」1位は「さむわんへるつ」と「おかえり水平線」
「次にくるマンガ大賞2026」の結果が、9月16日の夜に発表されました。ニコニコ生放送で順位が読み上げられていき、21時をまわったあたりで両部門の1位が出そろっています。
コミックス部門の1位はヤマノエイの『さむわんへるつ』、Webマンガ部門の1位は渡部大羊の『おかえり水平線』。主催側の媒体であるダ・ヴィンチWebも、発表直後に結果を投稿しました。
コミックス部門1位の「さむわんへるつ」は深夜ラジオのハガキ職人ラブコメ
コミックス部門で1位になった『さむわんへるつ』は、ヤマノエイが週刊少年ジャンプで連載している作品です。少年ジャンプ公式サイトの『さむわんへるつ』作品ページによると、主人公は「面白いと言われたい」真面目人間の梟森ミメイ。同じクラスの水尾くらげの正体が深夜ラジオのハガキ職人だと知って、自分もハガキに挑戦していく、という話です。
深夜ラジオのリスナー同士で、しかもライバル関係。ネタを送って読まれるかどうかで一喜一憂する世界がそのまま少年漫画になっている作りで、公式の紹介文も「ラジオラブコメディ」と言い切っています。バトルでも異世界でもない題材が投票で1位を取ったあたりが、この賞らしいところかもしれません。
コミックス部門の2位は豊林サカネの『ふたりバス』、3位は藤丸の『レジスタ!』でした。4位以下は次のとおりです。
- 4位 『パラショッパーズ』(福地翼)
- 5位 『シルバーマウンテン』(藤田和日郎)
- 6位 『マネマネにちにち』
- 7位 『やめろ好きになってしまう』
- 8位 『恋と呼ぶにはささやかですが』
- 9位 『ロクのおかしな家』
- 10位 『社長と酒と星』
5位に藤田和日郎の名前が入っているのが目を引きます。『うしおととら』『からくりサーカス』のベテランが、新作で「次にくる」側のランキングに並んでいるわけです。
Webマンガ部門1位の「おかえり水平線」、作者は受賞直後に感謝を投稿
Webマンガ部門の1位は、渡部大羊の『おかえり水平線』。少年ジャンプ+で隔週日曜に更新されている作品です。ジャンプ+の『おかえり水平線』第1話の紹介文によれば、舞台は海辺の街の銭湯で、祖父と銭湯を営む遼馬のところに、父の隠し子を名乗る玲臣という少年がやって来るところから始まります。義兄弟のヒューマンドラマで、公式の表現は「ビターで温かい」。
作者本人も、発表の直後に投稿しています。
「投票してくださった読者の皆さま、本当にありがとうございます!!」に続けて、「皆さんの一票一票でいただいた一位の、意味の大きさを何度も何度も噛み締めています。」と書いていました。この投稿には3,000を超えるいいねが付いていて、主催側の結果発表よりも数字が伸びています。
Webマンガ部門の2位は屋宜知宏の『ヒトナー』、3位は神山すむの『灰宮先輩は怖くてかわいい』。以下、10位まではこうなりました。
- 4位 『大人大戦』
- 5位 『都市伝説先輩』
- 6位 『晴野さんのことなんて全然好き』
- 7位 『アイドラトリィ』
- 8位 『来見沢善彦の愚行』
- 9位 『WITCHRIV』
- 10位 『会社と私生活-オンとオフ-』(金沢真之介)
「次にくる」の中身はエントリー条件に書いてある
そもそも「次にくる」とは何なのか。これは感覚の話ではなく、応募のルールで決まっています。公式サイトのエントリー条件に「2026年5月13日(水)時点でシリーズ既刊が5巻以内の作品、もしくは連載開始日が2025年1月1日以降の作品」と書かれていて、ここを満たさないと候補にすら入りません。
つまり上位に並んだ作品は、どれも今から読み始めても単行本5冊ぶんくらいで追いつける計算になります。ランキングを見てから手を出しても間に合う、というのがこの賞の使い方です。
特別賞にはU-NEXT賞、ニチレイ賞、ニコニコ漫画賞
1位から10位までとは別に、協賛企業などの特別賞も出ています。U-NEXT賞はコミックス部門がヨシダ。の『ディグイット』、Webマンガ部門がはくりの『WITCHRIV』。どちらも総合順位では17位と9位で、ベスト3には入っていない作品が別枠で拾われた形です。
特別協賛のニチレイ賞に選ばれたのは『境界のメロディ』。原作が宮田俊哉、漫画が杉基イクラ、キャラクター原案がLAMという座組みの作品です。
そしてニコニコ漫画賞は『地味なおじさん、実は英雄でした。~自覚がないまま無双してたら、姪のダンジョン配信で晒されてたようです~』が受賞しました。タイトルの長さで一度見たら忘れないやつです。ちなみにニコニコ漫画は8月末に「ニコニコ漫画形式」の配信終了を発表していて、そちらは掲載形式のひとつが終わるという話でした。サービス本体はこうして賞の名前にも残っています。
1位の2作はどちらもジャンプ系だった
結果を並べてみると、コミックス部門1位が週刊少年ジャンプ、Webマンガ部門1位が少年ジャンプ+と、頂点の2枠をジャンプ系が取っています。ジャンプ本誌まわりの話題はハンターハンター「428話」の原稿完成のような単発のニュースで回ることが多いので、新人寄りの作品がこういう形で名前を出すのは目立ちます。
読者の反応としては、『おかえり水平線』の1位に「次マンで1位とるのはかなり驚きだ」「展開が比較的穏やかで、話題にはなりにくい作品に思えてたから」と書き込んでいる人がいました。派手に跳ねたタイプではないぶん、投票で積み上がった結果に驚いた人がいた、という感じです。
どちらも巻数はまだ少なめなので、気になったら1話から追いついておくと年末の話題についていけるはずです。全受賞作は次にくるマンガ大賞の公式サイトにまとまっています。