ソニーミュージックのVTuberプロジェクト「VEE」が9月30日で終了、名前もキャラもチャンネルも本人に引き継ぐ
「【大切なお知らせ】」で始まる1本のポストが、8月31日の午後にVTuber界隈をざわつかせました。ソニー・ミュージックエンタテインメントが運営するVTuberプロジェクト「VEE」が、9月30日をもって運営とマネジメントを終了するという発表です。
ただ、これは「所属VTuberが全員いなくなる」という話ではありません。活動を続けるタレントは、今の名前もキャラクターもYouTubeチャンネルも、そのまま持って出ていきます。
終わるのは運営体制、名前とキャラは本人のもとへ
VEEは2021年に発足した、ソニー・ミュージックエンタテインメントの「バーチャルタレント育成&マネジメントプロジェクト」です。今回終わるのは、そのプロジェクトの運営体制と、所属タレントのマネジメント。公式リリースの言い方はこうです。「このたび「VEE」は、2026年9月30日(水)をもちまして、現行のプロジェクト運営および所属タレントのマネジメントを終了することとなりました。」
そして、この発表がいちばん読まれているのはその先です。活動の継続を希望するタレントについては「原則として現在の活動名、キャラクター、YouTubeチャンネルおよび各種SNSアカウントを引き継ぎ」、それぞれが選んだ新しい体制のもとで活動を続けられるよう、移行手続きを進めていると書かれています。
箱がたたまれるとき、ファンがまず気にするのは名前とガワとチャンネルの行き先です。それが会社側に残って中の人だけが出ていく形になると、見ている側からすれば推しが消えたのとほぼ同じことになります。VEEはそこを本人側に渡すと明言しました。リリースはその理由を、発足時から「タレントの名前やキャラクター、そして積み重ねてきた活動を、本人の大切なキャリアとして尊重すること」を掲げてきたからだと説明しています。
「持続可能な事業として運営を継続していくことは困難」
終了の理由について、リリースは「残念ながら、現在の体制を維持しながら、持続可能な事業として運営を継続していくことは困難であるとの判断に至りました。」と書いています。ソニーミュージックという後ろ盾がありながら、5年でこの結論になりました。
あわせて、その仕組みを十分に確立できなかったことは「所属タレントの責任ではなく、VEE運営の責任です」とも明記されています。事業をたたむお知らせで、責任の所在をここまではっきり自分側に置く文面はそう多くありません。ここが引用されて回っているのも納得の一文です。
21人のうち20人が活動を続け、1人が活動終了
公式サイトのFAQには、所属タレント21人の内訳が名前入りで載っています。活動を継続するのが20人、活動を終了するのが1人。誰がどうするかは公式サイトで確認できますが、具体的な今後の活動方針については「各タレントの公式アカウントからお知らせします」とされているので、続報はそれぞれの本人アカウント待ちです。
リリースが示している進路は3通りで、個人での活動継続、新たな事務所や運営体制への移行、または活動終了。FAQの区分も「活動継続」と「活動終了」で、VTuberの世界でおなじみの卒業という言葉は、配信の名前として一度出てくるだけです。運営が終わるだけで本人の活動は終わらないケースが大半なので、言葉を使い分けているのだと読めます。
VEELLAGEは9月30日23:59まで、ショップは11月30日まで
サービス側のスケジュールは細かく切られています。ファンコミュニティ「VEELLAGE」は9月30日23:59でサービス終了、その後は全機能・全コンテンツが使えなくなります。アプリ内のデジタルアイテムについては、終了日までにダウンロードやスクリーンショットで保存しておくよう案内されています。課金して集めたものがある人は、9月中に手元に落としておく作業が必要です。
返金や補填についても書いてあり、「なお、本サービス終了に伴う返金・補填等は予定しておりません。」とのことです。
グッズの側は少し長く、オフィシャルショップの販売は11月30日23:59まで。プロジェクトが終わったあとも、それまでに受けた注文はちゃんと生産して発送すると書かれています。10月以降は新商品の発売がなくなり、代わりにセール販売が行われます。公式YouTubeチャンネルと公式SNSは、終了後も当面アーカイブとして残る予定です。
いっぽうで消えるものもあって、開発が進んでいたゲーム『Gun Girl Go』は開発中止、発売見送りが発表されました。
「ソニーですら」とざわついたX
Xの反応は、まず短い嘆きから始まりました。「世知辛いねぇ」「VTuber業界の移り変わり激しい」といった投稿が並び、そこから業界全体の話に広げる人が続きます。「ソニーですらVTuber事務所運営は厳しいという現実」「本当、業界はレッド・オーシャン化してる」といった声も見かけました。
いっぽうで、終わり方そのものを評価する投稿も出ています。「タレント個人の今後を考えると最善に思う」というように、権利を本人に渡した点に注目したものです。プロジェクトが畳まれるというニュースなのに、感想が真っ二つではなく「残念」と「この終わらせ方は良い」の二本立てになっているのが、今回の話の特徴になっています。
リリースの締めくくりの一文は「「VEE」というプロジェクトの形は終了します。」でした。形は終わるけれど中身は続く、という書き方です。9月30日まではまだ1か月あります。推しがいる人は、これから各アカウントで出てくる本人からの発表を追いかけるのが早そうです。
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参考: ソニーミュージックによるVTuberプロジェクト「VEE」運営体制終了のお知らせ(VEE公式サイト) / VEE公式サイト