「闇のパープルアイ」が東映特撮ファンクラブで配信開始、雛形あきこ主演の1996年ドラマが“特撮”な理由
東映特撮ファンクラブ、通称TTFCの配信ラインナップに、9月1日から「闇のパープルアイ」が加わりました。仮面ライダーやスーパー戦隊を作ってきた東映のサービスなので、名前だけ見るとヒーローものが並んでいそうなところです。ところが今回入ってきたのは、1996年にテレビ朝日系で放送された、少女漫画原作のドラマでした。
TTFCが1996年のドラマを配信し始めた
告知はTTFC公式アカウントから、9月1日の昼12時に出ています。作品の紹介は「篠原千絵の人気少女漫画を、雛形あきこを主演に迎えて、1996年7月~9月にテレビドラマ化された伝説の作品です。」という一文でした。新しく作り直すという話ではなく、30年前に放送されたドラマそのものが配信で見られるようになった、ということです。
テレビ朝日系の連続ドラマとして夏クールに放送された作品で、制作には東映が入っています。配信ページの権利表記も「Ⓒ篠原千絵/小学館 Ⓒ東映」と並んでいて、TTFCに置かれている筋は通っています。90年代のテレ朝といえば商店街の紙袋から30年前の「ママレード・ボーイ」が出てきた話も書きましたが、あのころのアニメ・ドラマ枠は今になって掘り返されがちです。
特撮の棚に並んでいる理由は、主人公が豹になるから
少女漫画の実写ドラマがどうして特撮ファンクラブにいるのか。答えは主人公の設定にあります。
主人公は高校三年生の尾崎倫子。幼なじみの水島慎也に恋している、ここまではふつうの少女漫画です。ただし彼女には生まれつき左腕に「あざ」があって、公式のあらすじにはこう書かれています。「怒りが極限に達すると、倫子の左腕のあざは反応し、彼女はコントロール不能な獣(豹)へと変身する特異な能力を秘めていたのだ。」
変身する。しかも豹に。ここまで来ると、確かに東映が特撮技術で作る場面です。TTFCの告知も、見どころとして「主人公・倫子が猛獣の「豹」に変身する”特撮シーン”をお見逃しなく!」と書いていて、公式側から堂々と特撮扱いしています。1996年当時の技術で高校生が豹になるところをどう見せていたのか、そこが今回の目玉ということになります。
ちなみに表記がややこしくて、原作漫画の正式なタイトルは中黒の入った「闇のパープル・アイ」、TTFCで配信されている実写ドラマのタイトルは中黒のない「闇のパープルアイ」です。作品ページの最下部にある原作クレジットまで「原作/篠原千絵「闇のパープルアイ」(小学館文庫刊)」と中黒なしで書かれているので、検索するときは両方の書き方を試したほうが早いです。
原作は1984年連載開始、小学館漫画賞をとった全12巻
原作は篠原千絵さんが『週刊少女コミック』で1984年から1986年まで連載した漫画で、単行本は全12巻、文庫版は全7巻。第32回小学館漫画賞の少女部門を受賞しています。連載開始から数えると40年以上前の作品です。
実写化されたのは連載終了から10年後です。今なら配信作品として当たり前に企画が立ちそうな題材ですが、90年代の地上波でこれをやっていたのが面白いところです。少女漫画の実写化という点では、「ぼくの地球を守って」が2027年秋に初の実写ドラマになる話も今年出ていて、同世代の作品が別ルートで動き出しています。
30年たって、DVDになったのは今年の6月
配信の前に、実はもうひとつ動きがありました。東映ビデオの公式ショップによると、全11話をまとめた「闇のパープルアイ コレクターズDVD」が2026年6月10日に発売されていて、商品ページには「ついに初ソフト化される!」と書かれています。放送から30年、ビデオもDVDも出ないままだった作品が、今年ようやくパッケージになったわけです。3枚組で約508分、価格は税込24,200円という、腰を据えて買うタイプの商品でした。
そのDVDから3か月足らずで、今度は配信でも見られるようになった流れです。東映ビデオの商品ページには共演者として加藤晴彦さん、唐渡亮さん、中村あずささん、山口紗弥加さん、布施博さんの名前が並んでいて、当時のテレ朝ドラマらしい顔ぶれが確認できます。
見る前に、公式の注意書きだけ読んでおきたい
TTFCの作品ページには、あらすじの下に「※この作品にはセンシティブな内容が含まれております。ご視聴の際はご注意ください。」という注記が付いています。ヒーローものの感覚で軽く再生ボタンを押すと温度差があるかもしれないので、そこだけ頭に入れてから見るのがよさそうです。
昔のテレビドラマは配信に降りてこないまま消えることも多くて、NHKの名作アニメ10本がYouTubeで第1話だけ無料公開された時も、懐かしさで盛り上がる人がいました。30年前のドラマが配信で見られる機会は、あるうちに触っておいて損はないです。まずはTTFCの作品ページで、豹に変身する高校生がどんな絵になっているのか確かめてみてください。