「カブトボーグ」とは?名言「熱き闘志にチャージ・イン」と“全52期”の元ネタ
「カブトボーグ」は、2006年から放送されたホビーアニメ『人造昆虫カブトボーグ V×V』の略称です。全52話なのに、ファンからは「全52期」と呼ばれています。
理由は、ほぼ毎回が最終回みたいな展開で終わり、次の回では何事もなかったように始まるから。この作りがニコニコ動画で見つかり、放送が終わってからカルト的な人気が出ました。
「カブトボーグ」とは?
原作はタカラトミーの玩具です。カブトムシやクワガタを模したメカ「ボーグ」を戦わせる「ボーグバトル」を描く、いわゆるホビーアニメにあたります(Wikipedia)。
放送はBSジャパンとアニマックスで、2006年10月5日から2007年10月11日まで。監督は石踊宏、シリーズ構成は『銀魂』も手がけた大和屋暁、制作はG&Gです。
ここまでは普通の子ども向けアニメに見えます。ところが中身は、見た人が「意味不明」と言いながら見続けてしまう作品でした。
なぜ「意味不明」と言われるのか
監督の石踊宏は、作り方をこう説明しています(Wikipedia、ライブドアニュース「ファンキー通信」より)。
『1話完結』『毎回が最終回』『子供たちが見てワクワクする』を念頭に、徹底的に構成しています。
この方針を本気でやった結果、次のようなことが普通に起きます(ニコニコ大百科)。
- 退場したはずの主要人物が、翌週なにごともなく出てくる
- 世界が滅亡しかけても、次の回では無かったことになっている
- 敵のボスを、次回予告のナレーション1本で「壊滅させてやった!」と片付ける
- 見覚えのない「前回までのあらすじ」や回想が始まる
- ヒロインが毎回入れ替わる
たとえば第21話は、主人公の親友・勝治がもう戻ってこないかのような場面で終わります。なのに直後の次回予告は「奇跡的に一命を取り留めた勝治が復帰し…」のひとことで片付けました(Wikipedia)。
毎回変わるヒロインは、ファンの間で「使い捨てヒロイン」「さやかちゃん一族」と呼ばれています。
「全52期」と呼ばれる理由
1話ごとに山場とオチがついて、次の回に話が持ち越されません。52話ぶん最終回を見たような感覚になるので、「全52話じゃなくて全52期」と言われるようになりました。
ニコニコ大百科にも「一部では毎回最終回みたいなので全52期と揶揄されている」と書かれています。検索で「カブトボーグ 意味不明 なぜ」と打つ人が多いのも、この作りが原因です。
決め台詞「熱き闘志にチャージ・イン」
次回予告は登場人物が交代で担当し、最後は「熱き闘志にチャージ・イン!」で締めるのがお約束です。回によって微妙に言い回しが違うこともあります(Wikipedia)。
毎回のアバンでは、こんなナレーションが流れます。
ボーグバトル!それは熱きボーグバトラーたちの戦い!ボーグバトル!それは人生の縮図、漢のロマンである!
ホビーアニメのナレーションで「人生の縮図」と言い切るあたりに、作品の温度感がよく出ています。15周年のときの公式アカウントの告知も、最後は「チャージイン」で締めていました。
名言集
ニコニコ大百科の登場人物欄に載っている台詞から、よく引用されるものを拾います。どの話数の台詞かまでは確認できていないので、話数は付けていません。
- リュウセイ「俺は一分一秒、そしてこの瞬間にも成長している!」
- 勝治「辱めてやろうよ、ケン!」
- ケン「気をつけろリュウセイ!相手は大人買いした大人だぞ!」
- マンソン「いつものリズムだ!リズムを忘れるな!」
- ジョニー「密度が違うんだ……そう、生きる密度がな」
どれも単体だと何を言っているのか分からないのに、本編の流れで聞くと妙に納得させられます。「カブトボーグ 意味不明な会話集」がサジェストに出てくるのも、このタイプの台詞が多いからです。
「精神攻撃は基本」は台詞ではない
よく名言と一緒に挙がる「精神攻撃は基本」は、作中の台詞ではありません。キャラクターが相手の心を折りにいく場面で、ニコニコ動画に流れるコメントの弾幕です。
ニコニコ大百科ではこれを「カブトボーグにおける基本戦術」と説明しています(ニコニコ大百科「精神攻撃は基本」)。ボーグバトルなのに、機体より先に相手のメンタルを攻める場面がそれだけ多いということです。
玩具CMが流れなかった事情
ホビーアニメなのに、本放送では玩具のCMが一度も流れませんでした(Wikipedia)。日本での玩具展開が終わる直前に作られ、韓国向けに制作された作品だったためです。
「テレビ東京に放送を拒否された」という噂もありましたが、放送10周年の非公認イベントで製作側はこれを否定し、「当初から韓国向けだった」と説明しています(ニコニコ大百科)。
スポンサーが「好きにやっていい」と言ったから、こんな作りになったとされています。ただしこの話の出典はニコニコ大百科だけです。
最終盤はスポンサーストップがかかり、大和屋暁が考えていた本来の結末は雑誌「メカビ」2008年冬号に載ったとされます(ニコニコ大百科)。
ニコニコでの再評価から今まで
放送が終わったあと、2008年8月30日にはアニマックスで特番「大人のためのカブトボーグSP」が組まれました(Wikipedia)。
2010年11月8日にはニコニコの「フルアニMAX」で公式配信が始まり、2011年10月21日に全話がそろいました(Wikipedia)。このチャンネルは2012年9月28日に閉鎖されています(ニコニコ大百科)。
- 2021年 J:COMテレビで再放送(ねとらぼ)、ニコニコでも再配信。15周年の公式Xアカウントも開設
- 2022年3月25日 Blu-ray BOX発売
- 2023年5月 アニマックスで16年ぶりに全話再放送(ニコニコ大百科)
BD-BOXの発売決定は、ソニー・ピクチャーズの公式チャンネルが動画で告知しています。
2026年5月14日には、チキンラーメンの公式Xアカウントが「しろたまカブトボーグ」を公開しました。第一弾は6万4千いいねを超えています(チキンラーメン公式の投稿)。
さらに2026年9月25日、ABEMAが全52話の無料一挙放送を発表しました。放送は9月26日(土)の24時からです(ABEMAのプレスリリース)。放送時間や見どころはABEMAの一挙放送の記事にまとめています。
使い方・例文
ファンは自分たちを「ボーガー」と呼び、主人公のリュウセイには「リュウセイさん」とさん付けするのが定番です。
- 「最終回かと思ったら次の週に普通に始まった。カブトボーグかよ」
- 「このアニメ、毎回が最終回で全52期あるらしい」
- 「開始3分でもう精神攻撃が始まってる。精神攻撃は基本」
展開が急すぎる作品や、前回の出来事がなかったことにされる話を見たときのツッコミとしても使われます。
関連する言葉
- 神回:ニコニコ大百科では、カブトボーグの神回として主に31話が挙がっています