「人体錬成」とは?ハガレンの元ネタとセリフ、材料は水35ℓ
『鋼の錬金術師』を知っている人にとって、「人体錬成」は作品の中心にある言葉です。錬金術で人間を作る、あるいは失った人を錬成でよみがえらせようとする行為のことで、作中では最大の禁忌とされています。
「人体錬成」とは?
読み方は「じんたいれんせい」。錬成は、物質を分解して別の形に作り変える錬金術の技のことです。それを人間に対して行うのが人体錬成にあたります。
作中の錬金術には、何かを得るなら同じだけの代価がいるという等価交換の原則があります。人体錬成に手を出すと、その代価として体の一部を持っていかれます。
人体錬成を行った術者は、「真理の扉」という不思議な空間に連れていかれます。そこで出会う存在が、錬成の代価を「通行料」として取り立てます。
元ネタの場面
人体錬成を最初にやったのは、主人公のエドワード・エルリックと弟のアルフォンスです。亡き母トリシャにもう一度会いたい一心で、幼い2人は錬成陣を描きました。
結果は失敗でした。エドは左足を、アルは体のすべてを持っていかれます。エドは自分の右腕を代価にして、アルの魂を鎧に血印で定着させました。錬成で出てきたのは、母親のようなものでしかなかった、という描かれ方です。
2009年版アニメ(FULLMETAL ALCHEMIST)では、第2話「はじまりの日」(2009年4月12日放送)でこの場面が描かれています(Wikipedia)。
人体錬成の名シーンとセリフ
セリフはファンサイトの書き起こしで確認したものです。公式の台本ではないので、大意で紹介します。
- 左足を失った直後、エドは「持っていかれた」とうめく(フェニックスの風)
- 弟を返してほしいエドは、足でも腕でも心臓でもくれてやる、たった1人の弟なんだと叫ぶ(2009年版第2話の書き起こし)
- 真理の扉の前で、白い空間の存在はエドを「身の程知らずの馬鹿野郎」と迎え、「世界と呼ぶ存在であり、お前だ」と名乗る(同上)
- 「人体錬成を、神様の領域を侵した咎人の姿だ」という趣旨のエドの台詞も語り継がれている(フェニックスの風。作中のどの場面かは確認できていない)
「持っていかれた」は、書き起こしによって「持って行かれた」と表記が揺れています。検索するときは両方で試すのが無難です。
材料は水35ℓ、炭素20kg
ネットで「人体錬成」というとき、セリフと並んでよく出てくるのが材料リストです。エドが「大人1人分の材料」として挙げるもので、主な数字はこうなっています。
- 水 35ℓ
- 炭素 20kg
- アンモニア 4ℓ
- 石灰 1.5kg
- リン 800g
- ほか、塩分・硝石・イオウ・フッ素・鉄・ケイ素と、少量の元素15種
2003年版アニメの第1話「太陽に挑む者」(2003年10月4日放送)で出てきた場面で、数字は英語圏の書き起こしでも確認できます(Wikiquote)。塩分だけは250gと200gで版によって揺れているようです。
全項目の数字と、実際の人体の元素と比べた話は、別記事の「水35ℓ」は人体錬成材料、元ネタはハガレン1話のエドにまとめています。
ネットでの使われ方
この材料リストは、数字を並べるだけで通じるネタとして残っています。2026年10月8日には、リストの数字だけを並べた投稿が、約5.9万いいねのバズになりました。
投稿した@nikutaberuruさんは、リストの最後に「何をしようとしているのかすぐにわかる」と添えています。元ネタを知らない人には化学の宿題にしか見えませんが、知っている人は一瞬で「人体錬成だ」とわかります。この通じる人にだけ通じる感じが、古のオタクの合言葉になっているゆえんです。
2003年版の同じ場面で、エドがベンチでくつろぐ絵もネタになりました。ふたば☆ちゃんねるで「ニーサン」の名前のコラ素材として広まり、英語圏でも「This Is Not the Law of Equivalent Exchange」のミームとして知られています(Know Your Meme調べ)。
使い方・例文
ネットでは、材料リストの数字やエドのセリフをそのまま借りて使うのが定番です。
- 「水35ℓ、炭素20kg…って並んでたら、人体錬成しか浮かばない」
- 「理科の授業で元素の話が出るたびに人体錬成の材料を思い出す」
- 「大事なものを失ったときに『持っていかれた…』とつぶやく」
関連する言葉
人体錬成と切っても切れないのが等価交換です。「何かを得るには代価がいる」というこの原則があるから、人体錬成の代価の重さが際立ちます。
荒川弘さんの作品では、最新のアニメ『黄泉のツガイ』も第2期の制作が決まっています(「黄泉のツガイ」第2期が制作決定)。ハガレンは気になるけれど長くて手が出ない人は、まず2009年版の第2話を観てみてください。この言葉の重みがわかります。