「勝ち取りたい ものもない」とは?走るオルガの元ネタと曲名
曲名はSPYAIRの「RAGE OF DUST」です。サビの「勝ち取りたい ものもない」が流れると、なぜか筋肉モリモリのオルガ・イツカが画面の奥から全力で走ってくる。それがこのミームです。
「勝ち取りたい ものもない」とは?
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期のオープニング曲「RAGE OF DUST」のサビの一節です。続く歌詞は「無欲なバカにはなれない」。
ネットでこのフレーズが出てきたら、たいていは曲そのものより「走るオルガ」のほうを指しています。鉄華団の団長オルガが、原作よりだいぶ体格のいい姿で走ってくる8秒の素材動画です。正式には「止まらないオルガBB」と呼ばれ、BBはブルーバック(合成用の単色背景)の略です。
コメント欄やXでは、曲を知らなくてもこのサビを聞くとオルガが走り出す、という前提でネタにされています。ニコニコのコメントには「蚊血取りたい」のような空耳まで流れています。
元ネタ・由来
曲は2016年11月9日に出たSPYAIRのシングルで、『鉄血のオルフェンズ』2期のテーマソングです(UtaTen)。2期の第27〜38話でオープニングとして流れ、第26話ではエンディングに使われたとされます。
走るオルガが生まれたのは、2期の放送が終わった後の2017年です。第48話の止まるんじゃねぇぞ…でオルガはすでにネタキャラになっていました。そこへ「止まらずに走ってくるオルガ」という素材が投下され、OPのサビと組み合わさって一気に広まりました。
上の動画が、作者のくしゃるだおら本人が2017年6月27日に投稿した「止まらないオルガBB」です。説明文には「再掲」とあり、2017年6月21日に「オルガ強化パッチ」名義で出たものが最初とされます(こちらはのちに削除)。ただ、5月8日に投稿された「走るオルガBB+使用例」(sm31176890)という動画もあり、ここには「最古のオルガ・イツカBB」というタグが付いています。ニコニコ大百科は6月21日の投稿を初出としていますが、走るオルガそのものの起点をどこに置くかは、はっきりしません。
数字で見ると、sm31468300は再生335万回、コメント1万5千件超、マイリスト6,846件。8秒しかない素材動画としてはかなり異常な伸び方です。
走り方の元は『アストロガンガー』
あの独特の走り方には元ネタがあります。1972〜73年に放送されたロボットアニメ『アストロガンガー』の第25話「ブラスター・デビル -悪魔の眼-」で、ロボットのガンガーが武器に向かって走っていくシーンです。こちらは「走るガンガー」として2013年ごろから素材化されていて、その動きをなぞる形でオルガ版が描かれました。上の動画のタグにも「アストロガンガー」「走るガンガー」が並んでいます。
なんでこんなに流行ったのか
理由はだいたい2つです。
- 「止まるんじゃねぇぞ」でネタ化していたオルガが、OPの歌詞どおり止まらずに走ってくる絵面がそのまま面白い
- 8秒のBB素材なので、どの動画にも合成しやすい
合成のしやすさが効いて、他作品のキャラや実写の映像にオルガが走り込んでくる音MADが大量に作られました。
SPYAIR本人も知っていた
2020年5月18日、SPYAIRのドラマーKENTAさんがXでこのミームに触れています。「勝ち取りたいやつ」「止まるんじゃねえぞのやつ」と呼んだうえで、「あれ作った人おもろいなー」と書いていて、作った人を探していました。
このときのやりとりはTogetterにまとめられています。演奏しているバンド本人が二次創作のネタを面白がっている、というのはファンにとってかなり安心できる話でした。
ソフトバンクのCMにまで
2023年11月30日には、ソフトバンクがWeb CM「止まらない吉沢亮」をYouTubeとXで公開しました。吉沢亮さんが頭の位置を変えずに走ってくる演出と、「勝ち取りたい、神ジューデン」というセリフが走るオルガに似ているとして、ネットがざわつきました(電ファミニコゲーマー・AdverTimes)。BB素材から始まったネタが、6年かけて大手キャリアの広告にまで届いた形です。
使い方・例文
文字だけで使うときは、何かが止まらないとき、全力で何かに向かっていくときに貼られることが多いです。
- 「締め切り前の俺、勝ち取りたい ものもない(走るオルガ)」
- 「カラオケでRAGE OF DUST入れたら全員オルガの話しかしなくなった」
- 「このサビ聞くと脳内でオルガが走ってくるの、もう治らない」
動画では、走るオルガを別の映像に合成して、サビのタイミングで画面奥から突っ込ませるのが定番です。
関連する言葉
同じオルガ発のミームとして、まずは台詞のほうの止まるんじゃねぇぞ…とセットで覚えておくと話が通じやすいです。素材を音楽に合わせて切り貼りする遊び方は音MADの文化そのもので、コメントの「蚊血取りたい」は歌詞の空耳にあたります。