「えもじの子(仮)」が渋谷で初ポップアップ、「(仮)」までが正式名称
LINEのトークを開くと、下のほうに黄色いのっぺりした顔が並んでいる。眉毛だけ動かして「スン」としてるやつとか、足がやたら長いやつとか。名前を意識せずに送ってる人がたぶん一番多いと思うんだけど、あの子たちにはちゃんと名前がある。「えもじの子(仮)」という。
9月4日の昼、LINE FRIENDSの公式Xがその新グッズを告知した。LINEギフトが9月10日、渋谷では初のポップアップが9月19日から。投稿は数時間で2千いいねを超えた。
LINEギフトが9月10日、渋谷ポップアップは9月19日から
告知に書かれているのは日付だけで、シンプルだ。「◾️LINEギフト 9月10日(木) 11:00〜」「◾️渋谷ポップアップ(初)9月19日(土)〜10月12日(月祝)」。ポップアップに公式がわざわざ「(初)」と付けているとおり、ポップアップという形で店を出すのはこれが最初だ。6月のぬいぐるみ受注のときはLINE FRIENDS SQUARE SHIBUYAの1階で実物展示があったが、そちらは展示だけだった。
会場が渋谷のどこなのか、何が並ぶのかは、この告知文には書かれていない。ラインナップ待ちの状態なので、行く気があるなら公式Xを追っておくのが早い。
「(仮)」は仮の名前ではなく、ここまでが正式名称
ここが一番おいしいところ。「えもじの子(仮)」の「(仮)」は、名前が決まるまでの仮置きではない。カッコの中身ごと、これで正式名称だ。
LINEヤフーが6月に出した公式リリースには、キャラクターの説明としてこう書かれている。「なお、その生態の全容が明らかになっていないことから、「(仮)」までを含めて正式名称としています。」 生態がまだよくわかっていないので名前も確定できません、という設定を、企業のプレスリリースの文体でしれっと書いているわけだ。
そもそも絵文字は日本発の文化で、同じ記号でも見る人によって解釈がぜんぜん違ってくる。🍘が海外の人には夜のビルと満月に見えていた話みたいに、意味が固定されていないところが強い。生態不明のまま毎日トークに出てくる子、というのはその感じに素直に乗っている。
2024年の絵文字が、この3か月で外へ出てきた
外に出るきっかけは2026年6月9日だ。LINEヤフーとLINE Friends Japanがキャラクター事業で提携し、グッズ化やライセンス展開を進めると発表した。その第一弾が初の公式グッズ「BOX入りぬいぐるみセット」で、全6種・各税込4,730円、受注受付は6月11日12時から17日23時59分までだった。お届け予定は9月下旬頃なので、そろそろ手元に届く人が出てくる時期になる。
6種の名前がまた雑でいい。「ホニャ」「キャハ」「ロングレッグ」「うる」「スン眉」「キリ眉」。眉毛の角度で個体を区別している。ぬいぐるみは特製BOX入りで、アイマスクとお布団が付属する。寝かせる前提でパッケージが組んである。
同じ6月に公式Instagram「えもじの子(仮)のおみせ(仮)」も開設された。店の名前まで(仮)でそろえている。リリースには、公式Xと公式Instagram(どちらも@emoji_no_ko)が「すでに約40万人のフォロワーを有する」と書かれていた(6月9日時点の数字)。同じリリースの末尾では、「えもじの子(仮)」の世界観から派生したキャラクター「しろみの子(兎)」の展開予定にも触れてある。こちらはまだこれからだ。
なお、絵文字そのものはLINE STOREの「えもじの子(仮)」のページにひととおり並んでいる。どの顔がどの名前なのか気になったら見てみるといい。
ゲーム化は決定、ただしタイトルも配信時期もまだ出ていない
ポップアップ告知の前日、9月3日14時50分にもう一発あった。LINE GAMEが東京ゲームショウ2026への出展を発表し、そのなかで「えもじの子(仮)」のゲーム化決定を公表している。LINE GAMEとしてTGSに出るのはこれが初めてだ。
出展のリリースによれば、ブースではゲーム化決定を記念した世界観のフォトスポットが登場し、『LINE マジマジ』の試遊体験や、ダウンロード不要で遊べる「LINEミニアプリ」を使ったゲーム体験も展開される。
ただし、発表されているのは「ゲーム化が決まった」というところまでで、タイトルもジャンルも配信時期もリリースには書かれていない。名前が(仮)のキャラのゲームが、タイトル未発表のまま先に存在だけ告知された状態だ。
スタンプ側でも動いていた
グッズとゲームの手前、9月2日と3日には、LINEスタンプの公式アカウントがイラストレーターとのコラボスタンプの配信を告知している。2日が伊豆見香苗さん解釈、3日がくまみねさん解釈で、それぞれの絵柄に置き換えられた「えもじの子(仮)」だ。くまみね版の説明文が「えもじの子(仮)って、もしかしたらこんな感じなのかもしれない…」から始まっているのが、生態不明という設定の扱われ方をよく表している。同じキャラなのに描き手で顔つきが変わるのが見どころになっている。
つまり9月に入ってから、スタンプ、ゲーム化、グッズ、ポップアップと4日連続くらいのペースで球が出ている。6月のリリースの見出しにあった「トークルームの外へ活動の場を拡大」という言い方が、3か月でこの密度になった。
ちなみに、絵文字だけで映画のあらすじを説明するネタバレ無しちいかわ映画ストーリーみたいに、絵文字は今それ単体で読み物になる位置にいる。デフォルト絵文字のキャラがそのまま渋谷に店を出すのも、流れとしてはそんなに飛んでいない。
9月19日は渋谷とTGSが同じ日に立つ
渋谷ポップアップの初日と、TGS2026の一般公開初日が、どちらも9月19日だ。片方はグッズ、片方はまだタイトルのないゲームの告知で、扱いはぜんぜん違うのに日付だけそろっている。
そして、ここまで大きくなっても名前の「(仮)」は外れていない。生態の全容が明らかになっていないから、というのが公式の言い分だ。トークで「スン眉」を投げるとき、あいつが渋谷に店を出すことになった件を思い出してほしい。