堀井雄二が明かす「ドラクエ5」結婚イベント、本気で迷わせるのが理由
ドラクエ5の結婚イベントは、プレイヤーを本気で悩ませるために作られた。シナリオを書いた堀井雄二さん本人が、発売34周年の日にXで明かしている。
1992年9月27日の発売から、ちょうど34年。公式の宣伝アカウントが「34年前の本日」と投稿したのを、堀井さんが昼前に引用した。
投稿はお昼の11時56分。その日の15時ごろには、いいね1万超・表示32万ほどまで伸びていた。
本人が書いた全文
短いので、まるごと引いておく。
今日がドラゴンクエスト5の誕生日でした。ゲームなのに本気で悩んでしまう、ということをやってもらいたくて、思いついたのが結婚イベントでした。そういえば、モンスター仲間システムも5からで、それがモンスターズシリーズに引き継がれていきます。で、12月にリリースされるモンスターズ4は、ビアンカとフローラ。なんか、帰ってきたという気がしています。
ポイントは2つ目の文だ。結婚相手をどっちにするかは、物語の都合でたまたま生まれた分岐ではなかった。先に「ゲームで本気で悩ませたい」という狙いがあって、そのために思いついた仕掛けが結婚だった、という順番になっている。
34年ぶんのプレイヤーが実家のテレビの前で固まっていたのは、作り手の狙いどおりだったわけだ。
ビアンカかフローラか、の二択
念のため、知らない人向けに説明しておく。ドラクエ5の主人公は、物語の途中で結婚相手を選ぶことになる。
- ビアンカは、子どもの頃にいっしょに冒険した幼なじみ
- フローラは、サラボナの大富豪ルドマンの娘
どちらを選んでもクリアはできる。それでも「どっちが正解か」は今でも言い合いになる定番の話題だ。
Wikipediaには「ビアンカ・フローラ論争」という単独の項目まであって、日本のゲーム史で有名な「究極の選択」をめぐる議論として説明されている。ゲームの選択肢ひとつに百科事典の項目が立っているのは、なかなかない。
34年後、二人が主人公に
堀井さんが「帰ってきた」と書いたのが、12月3日発売の『ドラゴンクエストモンスターズ4 枯れ木の国のビアンカ・フローラ』だ。今年5月27日、ドラクエ40周年の配信で発表された。
今回はビアンカとフローラの二人が主人公になる。PlayStation.Blogで公開されたあらすじはこうだ。
父の病を治すため霊草ソウルリーフを探していたビアンカとフローラは、ある晩、枕元に現れた不思議な精霊“わたぼう”に導かれ、別の世界にあるカレキの国へとたどり着きます。
声はビアンカが井上麻里奈さん、フローラが花澤香菜さん。発表のときはインサイドが「令和の『ビアンカ・フローラ論争』!?」と見出しを付けていた。
モンスターを仲間にするシステムは5から始まった、と堀井さんは投稿の中で振り返っている。5で生まれた「仲間モンスター」が派生して「モンスターズ」シリーズになり、その4作目に5の花嫁候補が主人公として戻ってくる。「帰ってきた」は、この一周ぶりのことを言っているのだろう。
最初にまた「どっちか選ぶ」
ここがいちばん面白いところ。モンスターズ4でも、冒険の最初にビアンカとフローラのどちらかを選ぶことになる。
Vジャンプの試遊レポートによると、冒険の開始時に操作キャラをどちらかから選び、そのキャラはしばらく変えられないようだという。製品版で後から切り替えられるかどうかは、まだはっきりしていない。
選んだキャラで変わるのは、「仲間になりやすい系統」と、戦闘中にときどき出る効果「マスターのオーラ」の2つだ。
- ビアンカを選ぶと、ドラゴン系・魔獣系・ゾンビ系が仲間になりやすい
- フローラを選ぶと、スライム系・自然系・物質系が仲間になりやすい
34年前は「結婚相手」として悩ませた二択が、今度は「最初の相棒」として戻ってきたことになる。狙ったのかどうかは分からないが、また最初の画面で手が止まる人が出そうだ。
ちなみに、同じレポートによるとフローラの姉のデボラも一足先にカレキの国に来ていて、試遊した範囲では二人と行動を共にしている。DS版で加わった3人目の花嫁候補も、ちゃんと出番があるようだ。
発売日と予約の詳細は、スクウェア・エニックスのモンスターズ4発売決定のお知らせにまとまっている。
34周年の日に
堀井さんの投稿は、半日足らずでいいね1万を超えた。引用元の公式アカウントも「#DQ5 の思い出をぜひ教えてくださいね」と呼びかけている。
結婚の二択に「本気で悩んだ」経験がある人にとっては、答え合わせのような一文だったはずだ。体験版はもう配信されているので、34年ぶりにまた最初の画面で迷ってみるのもいい。
ドラクエの話題では、シリーズが累計1億本に届いた数え方の記事も書いている。