ローソン「一点突破すぎ」は全13品、297円の「ぼだっこ」の正体は秋田の塩鮭
弁当のおかずを1種類に絞る、という方向に振り切った商品がローソンに並んでいます。9月22日(火)から始まった「一点突破すぎ!チャレンジ」で、第1弾はごはんにてりやきソーセージだけを敷き詰めた397円の弁当と、297円の「ごはんがすすむ ぼだっこ(鮭)」。
ソーセージのほうは見ればわかります。問題は隣です。ぼだっこ。
「一点突破すぎ」は具材1種類に絞った4品
ローソンが定期的にやっている「超ハッピーすぎチャレンジ」の今回版がこれで、公式サイトの本文は「今回の超ハッピーすぎチャレンジはいつもと違う新チャレンジ?」という一文で始まります。中身は「一点突破すぎ!」と「贅沢すぎ!」の2本立て。具材を絞る方向と、量と質に振る方向を、同じ週に同時に出してきました。
一点突破すぎ側は全4品です。
いずれも無くなり次第終了。グルメWatchの記事によると販売は全国約1万4000店で、具材を1種類に絞ったぶん、同じサイズの弁当より価格を最大5割抑えたという説明です。てりやきソーセージのほうはソーセージ約6本分がごはん一面に並んでいるとのことで、397円という値段のつき方にも一応の理屈があります。
ちなみに公式ページでは第1週の2品が「一点突破すぎ!」、第2週の2品が「一点突破過ぎ!」と漢字で書かれていて、表記がそろっていません。検索するときはひらがなのほうが無難です。
ぼだっこは秋田で塩鮭を指す方言
ここが今回のいちばんの引っかかりどころで、ローソン自身も商品名の下にわざわざ注記を入れています。※「ぼだっこ」とは秋田で親しまれている強い塩味が特徴の塩鮭です。
方言です。秋田県で塩鮭のことをぼだっこと呼び、なかでも塩分濃度の高いものを指すことが多い。語源には諸説あって、切り身の色合いがボタンの花に見えるからという説と、見た目が囲炉裏にくべる榾木(ほたぎ)に似ているからという説が知られています。どちらが本当かは決着していません。
どのくらい塩辛いかというと、秋田県物産振興会が扱っている瓶詰めの「しょっぱーい ぼだっこ 激辛口」は、原材料が紅鮭(ロシア産)と食塩と酸化防止剤だけ。それで内容量30g・864円という、鮭フレークの瓶としてはかなり小ぶりな売られ方をしています。しかも商品名のうしろに※「辛口」は、塩味が強いことを表現していますという注釈が付いている。辛いのではなくしょっぱいほうだ、とわざわざ断らないといけない食べ物ということです。もちろんこれは別会社の加工品で、ローソンの弁当がこの濃さという話ではありません。
ローソンのぼだっこは、これまで459店舗だけの味だった
実はローソンがぼだっこを商品にするのは初めてではありません。2025年3月のニュースリリースを見ると、「手巻おにぎり ぼだっこ」(税込181円)が載っていて、販売範囲は青森県・秋田県の459店舗と書かれています。同じリリースの他のおにぎりが「東北地区の1,173店舗」なのに対して、ぼだっこだけさらに狭い2県限定でした。
つまりこれまでは、秋田と青森のローソンに行かないと買えない具材だったわけです。それが今回、全国約1万4000店に置かれる弁当として出てきた。おにぎりの具からごはん一面の主役へ、しかも販売範囲が30倍になったという流れになります。
2024年には150円の「ぼだっこ飯」がXでざわついていた
ぼだっこと白いごはんだけ、という構図がバズったのは今回が最初ではありません。2024年4月、秋田県在住の「全マシニキ」(@allmashit)さんが県内の農産物直売所で買った弁当「げきからぼだっこ飯」をXに投稿して話題になりました。ごはんはふつうに一食分入っているのに、その上にあるのは焼いた鮭の小さな一片だけ。当時の値段は150円でした。
このときXに並んだのは、量が少ないというツッコミではなく逆の声でした。Jタウンネットの取材記事によると、「米の量はこの2…、いや3倍でもイケるな」「これはコメが圧倒的に足りない」「米が足りるか不安になるな」といった反応が寄せられたそうです。
販売店の店長は同記事の取材に、鮭のカケラについて「そのままではとてもじゃないけど食べることはできないです笑」と答えたうえで、「秋田県のおいしいお米のPRも兼ねつつ、昔ながらの『ぼだっこ』といわれる鮭を乗せて、このくらいのごはんでも十分食べられますよという意味も込めて4月から販売しています」と説明しています。ローソンの297円弁当は、この2年前の直売所の弁当とかなり近い発想の場所に立っています。
反対側の「贅沢すぎ」は994円の弁当まで出る9品
同じ週に走っているもう片方が「贅沢すぎ!チャレンジ」で、こちらは全9品。第1週は肉づくし冷し中華と海鮮づくし上海風焼そばがどちらも797円、お重モンブラン(和栗)が786円、ショコラパイコロネ ベルギーチョコが300円、まちかど厨房取扱店舗限定の肉オールスター弁当が994円。第2週(9月28日・29日)には肉づくし満腹濃厚豚ラーメンと海鮮づくしペスカトーレがそれぞれ797円、ショコラパイシュー ベルギーチョコが324円、しっとりラムレーズンサンドが356円で続きます。
297円の弁当と994円の弁当が同じ企画の中に並んでいる、というのが今回の構図です。グルメWatchはこれを、節約する日と贅沢する日をはっきり分ける「メリハリ消費」に合わせた出し方だと説明しています。安いほうも高いほうも同時に置いて、どっちが選ばれるか見てみるということなのでしょう。
ローソンの手巻おにぎりは9月29日から全品10円値下げされるので、来週の火曜はおにぎりが安くなる日と、焼とうもろこしとキーマカレー(激辛)が出る日が重なります。コンビニのおにぎりの値段そのものが気になる人は、おむすび権米衛とコンビニ3社の価格比較のほうもどうぞ。
秋田の人がどう言うかが気になる
方言がそのまま商品名になって全国に出る、というのはなかなか珍しいパターンです。ぼだっこを日常的に食べてきた人から見て、297円のローソン版の塩加減がどう映るのか。そこだけは秋田の反応を待つしかありません。
第2週の焼とうもろこしとキーマカレー(激辛)は9月29日(火)から。どちらも297円で、無くなり次第終了です。