「帝京平成大学のここがすごい」とは?ファミマ店内CMの歌詞全文と音MADの元ネタ
おにぎりを選んでいるだけなのに、店内スピーカーから知らない大学の自慢が早口で降ってくる。あの 「帝京平成大学のここがすごい!」 です。声だけは完璧に覚えているのに、どこで流れていたのかも、誰がしゃべっているのかも分からないまま帰る人が多いやつ。
「帝京平成大学のここがすごい」とは?
全国のファミリーマートで流れている、帝京平成大学の音声CMの冒頭フレーズです。そこから転じて、そのCM音声そのものや、それを素材にしたニコニコ動画の音MAD群を指す言葉としても使われます。
ナレーションはこの4行で、最後にもう一度大学名が入って終わります。
- 帝京平成大学のここがすごい!
- 学生数1万人以上!
- 東京都、千葉県に4つのキャンパス!
- 帝京魂!
この「帝京魂!」の一言で全部持っていくのが強く、ネット上では締めのフレーズとしてだけ独り歩きしています。文面は大学自身がニュースリリースに載せているものなので、聞き取りではなく公式の表記です。
元ネタ・由来(2016年のファミマ店内放送)
CMが始まったのは2016年2月末。それまで大学が出していた電車の広告をやめ、全国に店舗があるファミリーマートの店内放送に切り替えました。
狙いはシンプルで、受験生に向けた広告というより「全国での認知度アップ」です。ITmediaの取材に入試課が答えたところによると、当時は高校生調査で帝京大学の知名度が7割を超えていたのに対し、帝京平成大学は数十%で止まっていました。キャンパス移転もあって、名前を知られていないこと自体が課題だったわけです(ITmedia ビジネスオンライン)。
結果は分かりやすく出ていて、志願者数はCM開始2年前の1万4400人から2018年時点で1000人ほど増え、それ以上に「47都道府県から資料請求が来るようになった」と同大は説明しています。受験生じゃない人間にまで毎日刷り込まれる媒体なので、当然といえば当然です。日経クロストレンドも2023年7月の記事で、この店内放送を「ファミマ大学」と呼ばれるまでの事例として取り上げています。
毎年ちがう声優が読んでいる
このCMの面白いところは、ナレーターが年度ごとに交代し、しかも毎回だれもが知っている声優が起用される点です。人気声優を立てるようになったのは放送2年目の2017年からで、大学自身も「2年目からは中高生に人気のある声優を起用」とリリースで説明しています。分かっている範囲だとこうなります。
- 2017年〜(初代)… 大学は「声優名は公開していない」と回答しており、ネット上の「中井和哉では」という説は推測の域を出ない
- 2018年度 … 立木文彦(『新世紀エヴァンゲリオン』碇ゲンドウ役)
- 2019年度 … 中尾隆聖
- 2020年度 … 大谷育江(『ONE PIECE』チョッパー役、ピカチュウ役)
- 2021年2月〜 … 大塚明夫
- 2022年3月1日〜 … 岡村明美(『ONE PIECE』ナミ役)
- 2023年度 … 山口勝平
- 2024年3月1日〜 … 日髙のり子(声優デビュー40周年の年)
2025年度以降にだれが読んでいるかは公表されていないので、確実に分かるのは2024年度の日髙のり子までです。
実物が聴けるのは大学の公式アカウントが投稿した2020年版で、大谷育江バージョンの店内CMがそのまま上がっています。ハッシュタグに「#帝京魂」を自分で付けているあたり、大学側もネタ扱いされているのを分かっている感じがします。
コンビニの店内放送がそのままネットの話題になる流れは、ここ数年で珍しくなくなりました。ローソンでも赤城ウェンの曲が60秒まるごと店内放送に乗った例があります。
ニコニコで音MADの定番素材になった
このCMがミームとして固まったのは、ニコニコ動画の音MAD文化に取り込まれてからです。タグ「帝京平成大学」が付いた動画は295本あります(2026年9月時点)。
きっかけは2021年1月31日に投稿された「テイキョーヘイセイダンス」(sm38204253)です。これが最初の帝京平成大学音MADとされますが、その「最初」を裏づけているのは個人の記事だけなので断定はできません。はっきり数字で残っているのは2021年9月24日の「ノリノリチョッパー」で、61万再生を超えています。大谷育江版のナレーションと『ONE PIECE』のチョッパーを重ねたもので、タグにも「大谷育江」が付いています。
そして決定版が、2022年11月2日に投稿された「テイキョウ・ヘイセィ・ダイガク」(sm41314771・投稿者はピムラタクヤ)。『うる星やつら』のEDテーマ「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ」に帝京平成大学のCMを乗せた音MADで、再生268万・コメント8万6524件・マイリスト1万364件まで伸びています。48日でミリオンに到達したとされるスピードでした。
なぜ素材として噛み合うのかというと、声が強くて区切りが明快だからです。プロの声優が実績を短い単語でぶつ切りに言い切っていくので、そのまま音符に割り当てられる。狙って作ったわけではないのに空耳や替え歌への転用がしやすい構造になっていた、というのが実際のところです。
CM音声やスーパーのBGMが元ネタとして特定されていく流れは辞典まわりでもよくある話で、ちいかわの体操の曲が「呼び込み君」だった件や、しまむらの「ちいかわ 青雲」のお香が1981年の青雲のうた由来だった件も同じ型です。
使い方・例文
- 「ファミマ入った瞬間に帝京平成大学のここがすごいが流れてきて笑った」
- 「帝京魂!って言いたいだけの人生だった」
- 「今年のナレーション誰か分かる人いる?」
- 「テイキョウ・ヘイセィ・ダイガク聴いてから原曲が原曲に聞こえない」
最後の「原曲が原曲に聞こえない」はミーム汚染と呼ばれるやつで、音MAD全般につきまといます。
関連する言葉
素材として直撃しているのは音MADで、ここから派生する聞き間違いのネタが空耳です。ニコニコ発で大量の派生を生んだ曲という意味では組曲『ニコニコ動画』やニコニコ動画流星群が先輩にあたり、この手の音MADをひたすら流し続ける使い方は作業用BGMの文脈にも入ってきます。