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シャチがマンボウを高速体当たりで“爆発四散” 研究者も驚いた行動を、ぬまがさワタリさんの図解で理解する

2026年7月27日 ・ トレンド「シャチ マンボウ 爆発 サケ 帽子 遊び」より

海のギャング、シャチ。その狩りの映像はいくつも知られているけれど、今回のはちょっと毛色が違う。1頭が死んだマンボウをくわえて固定し、もう1頭が魚雷のように高速で突っ込んで、こっぱ微塵に“爆発”させる。研究者すら「見たことがない」と驚いた行動です。この一件を、動物イラストレーターのぬまがさワタリさんがゆるくて分かりやすい図解にまとめたところ、4万件を超えるいいねを集めました。

マンボウが「ボカーン」と弾け飛ぶ

まずはその図解を見てほしい。平和に泳いでいたマンボウが、シャチの体当たりで文字どおり四散する様子が描かれています。

飛び散った破片が「シェアしやすいサイズ感」になり、幼いシャチがそれをむさぼる。そんなブラックユーモアたっぷりの絵ですが、描かれている中身は作り話ではありません。もとになったのは、2026年7月22日付で学術誌『Frontiers in Ethology』に載ったばかりの、れっきとした観察記録です。

メキシコ沖で撮られた、連携プレー

記録によると、この行動が撮影されたのは2024年7月にメキシコ・バハカリフォルニアスル州のサンホセデルカボ沖、そして2025年9月のカリフォルニア湾。非営利の海洋保護団体「Beneath The Waves」の研究員キャサリン・エアーズさんらが報告しました。

段取りはこうです。まず1頭のシャチがヤリマンボウの尾びれをくわえて的のように固定する。そこへもう1頭が加速して突撃し、衝突の直前に固定役がすっと体を離す。ぶつかった衝撃でマンボウは粉々になり、若いシャチが飛び散った破片を食べ、年長のシャチが残りを引き裂いていた。まるで役割分担のある共同作業でした。詳しくはCNNの記事でも報じられています。

狩りなのか、遊びなのか

不思議なのは、標的にされたマンボウがすでに死んでいて、しかも栄養価の高い内臓は食べ尽くされたあとだったという点です。つまり「お腹を満たすための狩り」では説明がつかない。エアーズさんは「純粋な楽しみのためだったのかもしれない」と話しています。ぬまがささんの図解も、若いシャチが狩りの練習をしている可能性と、ただ楽しいだけという可能性の両方をていねいに描いていました。

シャチは、たまに“無駄なこと”をする

じつはシャチが生き延びるのに役立ちそうにない不思議な行動をとるのは、これが初めてではありません。船にぶつかって舵を壊したり、意味もなく何かを追い回したり。極めつけは、2024年に北米・ワシントン州沖のシャチたちのあいだで再燃した「サーモンハット」です。死んだサケを帽子のように頭に乗せて泳ぐ謎の流行で、なんと37年前の1987年にも一度はやっていたことが分かっています。ブームがひとまわりして戻ってくるあたり、人間の流行の繰り返しとそっくりです。

高い知能を持つ動物ほど、遊びが複雑になり、時に残酷にも見える。マンボウには気の毒な話だけれど、シャチの頭の中をのぞいてみたくなる一件でした。海のギャングの本当の狙いは、いまも海のように深い謎に包まれています。