『都市伝説解体センター』が千葉県警察とコラボ、TGS2026の警察ブースでシーポックのクリアファイルを各日400枚配布
9月3日の昼、集英社ゲームズの公式Xが『都市伝説解体センター』と千葉県警察のコラボを発表した。ネットのうわさを調べて「解体」するゲームと、県警。並べて見ると妙な取り合わせだが、目的はインターネット上の偽情報・誤情報への注意喚起で、集英社ゲームズにとっては行政機関と組む初めてのケースになる。
告知から1時間ちょっとで1,500いいねを超えた(9月3日13時台の時点)。投稿には「その情報、本当に『真実』ですか」という読者への問いかけも入っている。
デマの出どころを自分でたどるゲームだから噛み合った
『都市伝説解体センター』は、都市伝説まわりの依頼を受けて調査する会社が舞台のミステリーADVだ。主人公は新人調査員の福来あざみ。眼鏡をかけると、その場に過去あった人や物の痕跡が見えるという能力を持っている。センター長の廻屋渉と組んで、怪異や呪物の調査から解体までをやっていく。
このゲームで毎回やらされるのが「SNS調査」だ。無数の投稿が飛び交うタイムラインの中から気になる書き込みを拾い、その周辺をつついていくと、依頼に関係する都市伝説の輪郭が浮かんでくる。調査、特定、解体の3段階を経て真実にたどり着く、という流れになっている。
つまりこのゲームのプレイヤーは、ネットに流れてきた話を鵜呑みにせず、出どころを自分でたどって真偽を確かめる作業を延々とやっている。千葉県警がサイバー犯罪対策として呼びかけている内容と、遊びの中身がそのまま重なる。TGS会場ではブースのデジタルサイネージに、偽情報・誤情報の啓発を扱ったコラボ映像が流れる予定だという。映像そのものは後日公開で、コラボを記念した他の企画も追って発表されると告知されている。
配るのは警察ブース、各日400枚の先着
配布は東京ゲームショウ2026の一般公開日、9月19日から21日の3日間。場所は幕張メッセの9から11ホールに出る警察ブースだ。
各日400枚という数は、ゲームショウの一般公開日の入場者数を思うと、決して余裕のある枚数ではない。配布とブースについての問い合わせ先は集英社ゲームズではなく千葉県警サイバー犯罪対策課で、細かい情報は千葉県警察ホームページの「イベント情報」タブに載るとされている。当日の整理方法が気になる人は、そちらを見に行くことになりそうだ。
初発見から36年のイルカが解体ポーズをとる
クリアファイルのデザインは、開発元である墓場文庫のディレクター、ハフハフ・おでーん氏の描き下ろし。千葉県警察のマスコットキャラクター「シーポック」の解体ポーズイラストと、ドット絵があしらわれている。
シーポックの正体を知らない人のために書いておくと、これはイルカに手足が生えたキャラクターだ。千葉県警察の公式ページにはプロフィールが載っていて、分類は「警察マスコット類生物目動物科海洋属の一種で千葉特産」、「初発見」は平成2年9月とある。生態の欄は「性格温和に、センサー能力高く、親しみやすい」で、群れをなさず単独で目撃されることが多いらしい。体は海の青、足は菜の花の黄色。胸に入っているCPのロゴは千葉ポリスと、シチズン&ポリス(市民と警察)の両方を意味していて、名前もここから来ている。
初発見が平成2年9月なので、今年でちょうど36年になる。「センサー能力高く」と自己申告しているイルカなら噂の出どころを嗅ぎ分ける係としては悪くないが、そのシーポックがゲーム側のポーズを取らされているのが今回の絵になる。
いちばん驚いていたのは開発元だった
発表を受けて、当の墓場文庫の公式アカウントが出した反応がこれ。
疑問符の数がすべてを物語っている。しかもこの引用、9月3日13時台の時点で1,600いいねを超えていて、大元の告知(1,500台)を追い抜いていた。会社の公式発表より開発者本人の困惑のほうが伸びる図式は、見ていて楽しい。
公式告知の返信欄には「本編と絡めてツッコミたいけど、ネタバレになってしまうので言えないジレンマ」という書き込みが付いていた。作中で扱われる題材を思うと言いたいことがあるらしいが、未プレイ勢に配慮して黙る、という遊び方をしている人がいるあたりが、このゲームのファンらしいところだと思う。
TGS30周年の会場で
東京ゲームショウ2026の会期は9月17日から21日まで。一般公開日は19日と20日が9時半から17時、21日が9時半から16時になる。会場は幕張メッセで、1996年に始まってから今年で30周年の節目だ。
『都市伝説解体センター』本体は2025年2月13日にNintendo Switch、PlayStation 5、Steamで発売され、2026年3月19日にiOS/Android版も出ている。パッケージ通常版3,740円、ダウンロード版1,980円。対応言語は日本語や英語からアラビア語まで13言語あり、日本ゲーム大賞2025では優秀賞を取った。開発の墓場文庫は『和階堂真の事件簿』シリーズを作ってきたところで、2021年のGoogle Play Indie Games Festivalで集英社ゲームクリエイターズ CAMP賞を受賞したのがきっかけで本作の開発に入っている。
ちなみに墓場文庫は9月1日に、その『和階堂真の事件簿』のグッズがトイズプランニングから出ること、TGS会場で先行販売されることも告知していた。TGS2026に行く予定があるなら、ゲームメーカーのブースだけでなく警察ブースも行き先に入れておくといい。各日400枚は、狙っている人が多ければ午前中で消える枚数だ。