ちいかわの「冷えた求肥サービス」が急上昇、頭洗いのあと顔に乗せてそのまま食べる
9月7日の23時30分、ちいかわ公式X(作者のナガノさん)が新作の漫画を投稿しました。本文は理容店のサインポールの絵文字「💈」がひとつだけ。開いてみると、のぼりに「頭洗い」、店先の立て看板に「冷えた求肥サービス!」と出ている店の話でした。8日の未明にかけて「冷えた求肥」がYahoo!リアルタイム検索の急上昇ワードに入りました。
いいねの伸びが速くて、投稿から3時間半の9月8日午前3時の時点で20万9747件。その30分後には21万3400件まで伸びていました。
「頭洗い」ののぼりの下に立て看板が出ている
主人公は、頭にこげ茶の帽子みたいな部分がある丸いキャラです。読者からは「パイセン」と呼ばれている、くりまんじゅうですね。お金の入った緑の巾着を「チャリ…」と鳴らしながら、汗をかいて暑そうに歩いています。
そこで目に入るのが、白いのぼりに縦書きで「頭洗い」と書かれた店。手前の白い立て看板には、小さく「冷えた求肥サービス!」とあります。次のコマでその看板が大写しになって、求肥にはご丁寧に「ぎゅうひ」とルビまで振ってあります。店番をしているのは、グレーの丸いキャラです。
床屋でも美容室でもなく「頭洗い」だけを掲げている時点でもう独特なのに、そこに付いてくるサービスが冷えた求肥。この2行だけで店の情報が完結しているのが強いです。
顔に乗せた求肥を、そのまま食べて帰る
中に入ると、シャンプー台のような椅子に「のっそり」と寝そべって、泡で頭をわしわし洗ってもらいます。ここまでは普通の頭洗いです。
問題はその次で、顔の上に白くて板状の求肥が「タフッ…」と乗せられます。おしぼりの位置に求肥。冷たくて気持ちいいらしく、背景がキラキラして満足そうな顔になります。
そして次のコマ、乗っていた求肥を口元に引き寄せて「ハムハム」と食べはじめます。冷やして終わりではなく、そのまま食べる。最後は「粉落とし」と書かれたコマで、ブラシを「パサッサッサッ」とかけてもらってから、キラキラした状態で店を出ていきます。求肥にまぶした粉が顔に付くから粉を落とす、という筋がちゃんと通っているのが地味にすごいところです。
求肥は冷えても固くならないので、この店は成立する
ここで気になるのが、そもそも求肥って顔に乗せても大丈夫なのかという点です。餅を顔に乗せたら固まって悲惨なことになりそうですが、求肥は違います。
Wikipediaの求肥の項目によると、求肥は「和菓子の材料のひとつで、白玉粉または餅粉に砂糖や水飴を加えて練り上げたもの」。そして肝心の性質として、「糖のもつ保水性により製造してから時間が経過しても柔らかく、食べる際の加熱調理が不要である」と書かれています。砂糖が水分を抱え込んでくれるので、時間が経っても冷えても柔らかいままなわけです。
餅との違いもはっきりしていて、「蒸したもち米を搗くことで粘りを出す餅に対し、求肥は粉にしたもち米に水と砂糖を足して火にかけて練ることで粘りを出す」と説明されています。配合は白玉粉または餅粉1に対して砂糖2、水飴1が多いとのこと。砂糖が粉の倍というのがなかなかの比率です。
つまり、冷やしたおしぼり代わりに顔へ乗せて、そのまま食べるという流れは、材料の性質としては筋が通っています。これが餅だったら固まって成立しません。あんみつやフルーツポンチに入っている求肥が、冷たいのにやわらかいままなのも同じ理由です。
「冷えた求肥」がYahoo!リアルタイム検索の急上昇ワードに入った
投稿から4時間で返信は738件付き、8日の未明には「冷えた求肥」がYahoo!リアルタイム検索の急上昇ワードに入りました。ただ、理屈が通っているかどうかより、読者の反応はおおむね発想そのものへの驚きで揃っています。
「どう生きたら顔に乗せるタオルを冷えた求肥に変えるセンスがうまれるの」「何食ったら冷えた求肥サービスとか思いつくわけ」と、ナガノさんの脳内を心配する声が出ています。看板を見た時点でデザートのほうを想像した人もいて、「てっきり冷えた求肥入りあんみつ的なものをサービスしてくれるのかと思ったらwww」という反応もありました。冷やすためのものが最後に食べ物に戻る展開に、「最後それ食べるんかいwww」というツッコミも。
擬音を褒める人もいて、「『のっそり』←パイセンらしい擬音すぎて好き 冷えた求肥おいしいよねェ」という投稿もありました。たしかに、シャンプー台に寝そべる音が「のっそり」なのは、このキャラ以外だと成立しない気がします。
ちいかわは作中の言葉がそのまま検索される回が定期的にあって、「思い出茶碗」で茶碗編が完結した回や、「赤魚」の読み方が「あかうお」か「あかざかな」かで割れた回もそうでした。今回もその型で、「冷えた求肥」「冷えた求肥 とは」と打った人がかなりいたはずです。求肥は名前を知らなくても食べたことがある人が多い和菓子なので、この機会に覚えておくと、あんみつを食べるときに少し得した気分になります。