← 一覧へ エンタメ

カイジ「沼編」が9月13日まで無料、きっかけはハンターハンター420話のヒソカ

2026年9月7日 ・ トレンド「カイジ 沼編 無料 ハンターハンター 420話 ヒソカ 沼 ヤンマガWeb 2026」より

9月7日に発売した週刊少年ジャンプ41号の『HUNTER×HUNTER』420話に、ヒソカがパチンコを打っている場面がある。その台が『賭博破戒録カイジ』の「沼」だった。これが発売日のうちに話題になり、同じ7日の午後には講談社のヤンマガWebが沼編の無料公開を告知している。他社の看板漫画に自社の漫画が出た、というだけの話が半日で無料開放まで転がった。

そもそもヒソカは、どこで沼を打っているのか

先に420話側の状況を説明しておく。カイジを知っていてもハンターハンターを追っていないと、なぜ奇術師が急にパチンコを打ち出すのか分からないと思う。

舞台は暗黒大陸を目指す巨大船ブラックホエール号だ。カキン王国の王子たちが船内で殺し合う王位継承戦の真っ最中で、ヒソカもこの船に乗り込んでいる。420話のタイトルは「遭遇」。船内のきらびやかなカジノで、倒された国王軍の兵士が転がるなか、ヒソカがひとり巨大な遊技機に向かっている。台に書かれた名前は「SWAMP BALL」。SWAMP は英語で沼のことだ。

コマの中身をアニメイトタイムズの記事で確認すると、ヒソカは左手に缶ビールを持ち、「ぎっ♡ ぎぎっ♡ がっ♡」と声を出しながら打っている。缶ビールは飾りではなく、カイジの沼で使われた磁石入りの缶と同じ役割で、台に細工をするための道具だ。倒れている兵士に向かって「返事がない♪ ただのしかばねのようだ…♡」と言う場面もあって、こちらはドラゴンクエストのメッセージがそのまま出てくる。ハンチョウ公式が投稿の頭に置いた「【ぎっ‥!ぎっ‥!がっ‥!】」も、この擬音に合わせたものだ。

そこへ第四王子ツェリードニヒが現れる。これがタイトルの「遭遇」で、ツェリは気配を消して近づいたのにヒソカに気づかれ、10秒先を見る能力「ラプラスの魔」を使ったすえに、自分がヒソカに殺される未来まで見てしまう。継承戦でもかなり大きい対面が起きる回なのに、当のヒソカは他社漫画のパチンコ台の前に座っていた、という落差になっている。

未明には『ハンチョウ』公式が先に反応していた

講談社側で最初に反応したのは、ヤンマガWeb本体ではなくスピンオフだった。『1日外出録ハンチョウ』の公式アカウントが、9月7日の0時50分にこう投稿している。添えられた絵に写っているアーチ型の台が「沼」だ。

「【ぎっ‥!ぎっ‥!がっ‥!】悪魔的パチンコ台「沼」‥‥!どうやら最近もどこかでハマっている男がいたとか‥‥なので宣伝‥これを機に‥‥!」という書き出しで、そこから「その「沼」を生み出した男‥‥一条聖也が主人公のスピンオフ‥‥『上京生活録イチジョウ』全6巻‥‥好評発売中‥‥!」と自社のスピンオフ告知に着地する。ジャンプが月曜の未明にはもう出回っている前提で、発売日の0時台に宣伝を差し込んだ形だ。いいねは5,500を超えていて、このあと出るヤンマガWeb本体の告知より数字が大きい。

「沼」を作った側の人間である一条を主人公にしたスピンオフがあること自体、カイジを1部だけ読んで止まっている人には抜けている情報だと思う。台を打つ側でなく置く側の話が6巻ぶん出ている。

ヤンマガWebが同じ日の午後に「沼編」を開放した

本体が動いたのは、その14時間後だ。ヤンマガWebの無料作品を紹介するアカウント(ヤンマガWeb無料!@無料作品を毎日紹介)が、9月7日14時43分にこう投稿している。

「何やら『賭博破戒録カイジ 』の沼編が話題になっているようで、楽しんでいただきありがとうございます。福本伸行先生の許可をいただき、緊急で“沼編無料”を実施することになりました。是非、缶ビール、缶ジュースを片手にお楽しみください」。理由を自分から書いてしまうタイプの告知で、しかも缶ビールのくだりが完全に420話を見た人向けになっている。いいねは4,400前後まで伸びた。

無料になったのは48話から134話まで。期間は9月7日から9月13日で、ヤンマガWebの作品ページには「今だけ! 48話134話が無料(9/79/13)」と出ていて、ページ自体のタイトルも『賭博破戒録カイジ』 【無料公開中】に変わっている。87話ぶんが1週間で消えるので、読むなら週末に一気にいくしかない。

ヒソカが打っていた「沼」は、カイジのどの話に出てくる台か

「沼」はカイジシリーズの第2部『賭博破戒録カイジ』に登場する。地下の強制労働施設から一時外出で地上に出たカイジが挑む、帝愛グループ傘下の裏カジノに置かれた台だ。インサイドは「沼は「カイジ」作中に登場するカジノに設置されている中でも、とんでもない高レートの超ハイリスク・ハイリターンのパチンコ台です」と説明している。玉1個が4,000円という設定で、当たれば数億円が動く。

無料公開の範囲が48話からなのも、そこが沼編の入口だからだ。ヤンマガWebのあらすじには「人気の賭博コミック、第3章「欲望の沼」に突入!利根川(とねがわ)が失脚後、不遇をかこっていた遠藤(えんどう)に渡された劣悪債務者リスト。そこには、忘れもしない伊藤開司(カイジ)の写真が!」とある。第1部の「限定じゃんけん」や「鉄骨渡り」から入らずに、いきなり沼から読ませる区切り方になっている。

ちなみに、「ざわ…ざわ…」の擬音でおなじみのシリーズなので、沼編もページの端がだいたいざわついている。今年7月に出た一番くじ「カイジ」でも、ラストワン賞が「沼」の立体化だった。台そのものがキャラクター扱いされている作品なので、ジャンプに出てきただけで通じてしまう。

420話でハンターハンターの10週連続掲載は終わった

一方、ジャンプ側の420話にはもうひとつ大きい話がある。KAI-YOUによると、『HUNTER×HUNTER』は2026年6月29日発売の31号で約1年半ぶりの411話を載せ、そこから420話まで10話連続で掲載されていた。その連続掲載が41号で区切りになり、次回については「決定次第、本誌で発表いたします」としか出ていない。421話がいつ載るかは今の時点で分からない。

制作が止まっているわけではなくて、冨樫義博さんは9月1日に「No.427、原稿完成。」と投稿している。このあたりの進捗報告は毎回Xで流れてくるので、429話の背景指定書426話の原稿完成の報告を追っている人には見慣れた光景だと思う。ストックは進んでいて、載る時期だけが未定という状態だ。

10週の締めくくりがヒソカのパチンコだった、という並びもなかなかで、読者の反応もそこに集中していた。

「沼やってるヒソカくそ笑う」と、台の造りまで見ている人

インサイドがまとめた反応には「冨樫先生、一番面白いところ最後にもってくるのうますぎ」「沼やってるヒソカくそ笑う」といった声が並んでいる。パロディの多い回だったが、いちばん反響が大きかったのは沼だった。

笑いだけでなく台の造りを見ている人もいて、「カキン王国の沼、設置状況からしてカイジの沼と同じ傾斜ギミックがありそうなのタチが悪すぎる」という声も出ていた。カイジを読んでいると、沼という単語が出た時点で台の傾きを疑う癖がつく。ヤンマガWebの告知が缶ビールと缶ジュースを名指ししてきたのも、打ち手が缶ビールで細工をしていたからで、告知を書いた人はちゃんと420話を読んでいる。

無料で読めるのは9月13日まで、48話から134話。ジャンプで沼を見てから沼編を読むと、缶ビールが置かれた瞬間の意味がちゃんと分かるようになる。読むなら今週のうちに。

広告