市外局番の桁数、東京の正解は「03」ではなく「3」
電話番号を伝えたら、相手から「間違ってません?」と返ってきた。そんなやりとりの投稿が伸びている。
投稿は同じ日のうちに3,000件を超えるいいねが付いた。固定電話のない家で育っていれば、番号の頭が住んでいる場所で変わること自体を知らなくても不思議はない。スマホの番号は090でも080でも、北海道から沖縄まで同じ形だ。
ただ、笑って読んだあとに総務省のページを開くと、こっちのほうが驚く。ふだん「東京の市外局番は03」と呼んでいるあれ、公式の数え方では市外局番ではない。
頭の「0」は地域と関係ない「合図」
総務省の電話番号に関するQ&Aの「Q2 市外局番・市内局番とはどのようなものですか?」に、こう書いてある。
初めの「0」は、国内プレフィックスと呼んでおり、国内通話を示す「合図」です。これに続く市外局番は1〜4桁であり、この部分については地域ごとに総務省告示で規定しています。
つまり、頭の0は「これから国内にかけますよ」という合図で、どの地域かとは一切関係がない。その次から市外局番が始まる。東京23区の番号は「03」ではなく「3」が市外局番で、大阪は「6」、静岡市なら「54」ということになる。
信じがたいなら、海外から日本にかけるときの手順を見ると早い。同じQ&Aでは、外国から日本の番号を押すときは国番号「81」に続けて、国内プレフィックスの「0」を省略して市外局番からダイヤルすると説明されている。地域を特定する情報が0に入っているなら、省略できるわけがない。
市外局番と市内局番は、合わせて5桁になるよう調整されている
面白いのはここからで、桁数には縛りがある。同じQ2にはこうある。
市外局番と市内局番の桁数は合せて5桁ですが、電話番号がたくさん必要な地域では市内局番の桁数が長くなっています。
市外局番が1〜4桁、市内局番も1〜4桁、足して5桁。東京の03-1234-5678なら、市外局番「3」が1桁で市内局番「1234」が4桁。静岡市の054-123-4567なら市外局番「54」が2桁で市内局番が3桁。どちらも5桁に収まっている。
市外局番が長いほうの端もあって、北海道の岩見沢市宝水町と三笠市は「01267」。頭の0を抜いた「1267」が4桁の市外局番なので、市内局番は1桁しか残らない。総務省の市外局番の一覧は、この市内局番の桁数を記号で書き分けている。
市内局番の欄の「CDE」「DE」「E」等は、市内局番の桁数が、それぞれ「3桁」「2桁」「1桁」等を示すものです。
最後の加入者番号は全国どこでも4桁と決まっている。0が1つ、市外局番と市内局番で5桁、加入者番号で4桁。足すと10桁になり、固定電話の番号がどこの県でも同じ長さで揃う理由がこれだ。
番号が足りなくなると、市内局番のほうが伸びる
では、番号が足りなくなった地域はどうするのか。市外局番のほうは地域ごとに総務省告示で決まっているので、動かせるのは市内局番の側になる。総務省は理由をこう説明している。
電話番号「0-市外局番-市内局番-加入者番号」の加入者番号が4桁であることから、一つの市内局番で利用できる番号には限界があります。
答えは市内局番を1桁伸ばすことで、実際に大阪でやっている。
平成11年1月1日の大阪府・兵庫県の06地域の市内局番一斉4桁化は、3桁市内局番の4桁化(桁増による番号変更)により、市内局番の数を約10倍にしたものです。
1999年の元日に、06エリアの市内局番が一斉に3桁から4桁になった。それまでの大阪は市外局番「6」が1桁で市内局番が3桁、合わせて4桁しかなく、番号全体も9桁と全国より1桁短かった。市内局番を4桁にしたことで組み合わせは10倍になり、桁数のほうも全国と同じ5桁に揃ったことになる。実家の電話番号が昔と違う、という話がたまに出るのは、こうした桁増や桁ずれの番号変更が理由になっている。
「03じゃ無いけどいいんですか」への正しい返し
市外局番の一覧は今も更新されていて、総務省のページには「市外局番の一覧(令和8年3月1日現在)」と基準日が入っている。地域と番号のひも付けは、固定電話が減った今も現役で管理されている。
ちなみに地域と関係ない番号は0だけではなく、フリーダイヤルの0120のように、そもそも場所を示さない番号もいくつも用意されている。電話番号の頭を見て発信元の土地が分かるというのは、思っているより限られた話だ。
なので今度「アタマが03じゃ無いけどいいんですか」と聞かれたら、こう返せる。合ってるよ、というか東京だって市外局番は03じゃなくて「3」なんだよ、と。たぶんもっと話がややこしくなるので、自己責任でどうぞ。