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四つ葉しか生えない鉢、正体は水草「ウォータークローバー」

水面に浮かぶウォータークローバー(ムチカ)の葉。どれも小葉が4枚で、内側に淡い斑模様が入っている
画像: 水面に浮かぶウォータークローバー(ムチカ)の四つ葉(CC BY-SA 4.0 / Charles76, via Wikimedia Commons)。当サイトで縮小・切り抜きをしています。改変後の画像も同じ CC BY-SA 4.0 で提供します

四つ葉だらけの鉢の正体は、葉がすべて4枚になる水草「ウォータークローバー」とみられる。遺伝子組み換えではない。

発端は10月10日の朝8時20分に投稿された1枚の写真だ。@Rina80220784 さんが、母の育てている鉢を撮って「遺伝子組み換えで幸せを掴もうとする母」と添えた。

白い鉢から伸びた葉が、見渡す限り全部四つ葉になっている。普通のクローバーなら探し回ってやっと1枚見つかるものなので、さすがに何か仕込んでいると思うのも無理はない。

投稿はいいね約11.4万、表示約110万まで伸び、引用ポストも約2,600件ついた。

詳しい人がすぐ答えた

引用ポストの中で、植物に詳しい @luxuria00 さんが早々に正体を挙げていた。

こちらウォータークローバームチカという、デンジソウという植物の仲間ですね。四つ葉が田の字に見えるので田字草(デンジソウ)です。遺伝子組み換えではなく、本当に四つ葉が100%出てくる水生植物ですよ。

続けて「クローバーそっくりですが、ゼンマイやワラビと同じシダ植物だったり」とも書いている。見た目はクローバーでも、分類上はまったく別の植物というわけだ。

写真を拡大すると、小葉の縁はなめらかで、長い柄の先に4枚が田の字に並んでいる。葉の内側にはインクをにじませたような淡い帯も入っていて、ムチカの特徴とよく合う。

四つ葉は「当たり」ではなく標準

水生植物を生産・販売する杜若園芸の商品ページは、ムチカについてこう説明している。

クローバー形をした葉を持ち、すべてが4枚葉になる。

つまりこの植物にとって四つ葉はレアでも何でもなく、生えてくる葉の標準の形だ。遺伝子をいじった結果ではなく、最初からそういう植物なのである。

ちなみに普通のクローバー(シロツメクサ)は小葉3枚が基本で、四つ葉はたまに出る変わり種だ。四つ葉が珍しいのはクローバーの話で、デンジソウの仲間では4枚がデフォルトになる。

学名は Marsilea mutica。デンジソウ科のシダ植物で、オーストラリアを中心に分布している。

夜は葉を閉じて寝る

ウォータークローバーには、日没から明け方まで葉を閉じる「就眠運動」がある。朝に開いて、夜にたたむのを毎日くり返す。

お母さんの鉢も、夜に見に行けば葉をたたんだ姿が並んでいるはずだ。

葉の模様には個体差があり、内側が濃いものもあれば外側が濃いものもある。同じムチカでも株によって見た目が少しずつ違う。

昔は雑草、今は絶滅危惧種

日本在来のデンジソウは、田んぼに生える厄介者だった。それが今では激減し、京都府レッドデータブック(2015年版)でも、環境省のカテゴリーは絶滅危惧II類(VU)、京都府のカテゴリーはさらに重い「絶滅寸前種」と載っている。

同じページによると、府内では昭和40年代以降に急に減り、この15年ほどは確認例がないという。雑草扱いから絶滅危惧種まで、ずいぶんな落差だ。

いま園芸店で売られているウォータークローバーは、ムチカのほかヨーロピアン、ベトナム、クレナタなど海外から輸入された品種が中心だ。デンジソウそのものより流通量が多く、手に入りやすい。

9cmポットで898円

値段は手頃で、杜若園芸の商品ページでは9cmポットが898円(税込)だ。寒さに弱いので、10月から4月ごろは農場のハウスで管理しているという。

水深5cm以上に沈めると、水面に葉を浮かべる浮き葉を作りやすい。育て方の基本はウォータークローバーの図鑑ページにまとまっている。

引用ポストの反応

正体の解説とは別に、母の作戦そのものを面白がる声もあった。

  • 「幸せは待つものではなく、どんな手を使ってでも掴み取れ」
  • 「遺伝子組換えというか形質選抜かな?(細かい)」

四つ葉だけが生えてくるクローバーの育成キットを育てていたという人は、「幸せを掴もうと必死に水やったら 根腐れして死んじゃった」と書いていた。幸せは、水をやればやるほど育つというものでもないらしい。

デンジソウの名前の由来はWikipediaのデンジソウの項目にも載っている。京都には4台だけ走る四つ葉タクシーもあるが、四つ葉を確実に手元に置きたいなら、水草を1ポット買うのがいちばん早い。

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