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炊飯器が最後の力でご飯を炊き故障、修理部品は製造終了後6〜10年

予約したご飯を炊き終えて、そのまま動かなくなった炊飯器の話がXで16万いいねを超えた。

投稿したのはハワンヌ ザグレートさん(@furykaicho)。10月9日の朝9時すぎのことだ。

起きたら炊飯器のボタンが光っていない。予約を忘れたかと思ってフタを開けると、ご飯はちゃんと炊き上がっていた。

ところが表示は消えたままで、ボタンを押しても反応がない。電源コードを差し直してもダメだった。

そこで出たのが「おまえ、今朝私達が食べる米を、最後の力を振り絞って…?」というひと言。11日の午後までに、いいねは16万9千件、返信は約290件まで伸びた。

表示もボタンも消えたら故障を疑う

この症状に近いことを書いているのが、日立の「現在時刻が表示されず、予約炊飯・浸し炊飯ができません。」というページだ。

このページの「おひつ御膳タイプの場合」という項に、「表示が出ず、[切/とりけし]ボタンや、その他のボタンを受け付けない場合は、故障が考えられますので」とある。続けて、販売店か修理相談窓口に点検を相談するよう案内している。

これは日立の一部の機種についての説明で、投稿の炊飯器がどこのメーカーのものかも分からない。ただ、表示もボタンも止まってコードの差し直しでも戻らないという流れは、この「故障が考えられる」状態とよく似ている。

時計だけ消えるなら電池切れ

まぎらわしいのが、時計の表示だけがおかしくなるパターンだ。炊飯器の中には、コンセントを抜いても時計や予約を覚えておくための電池が入っている。

三菱電機のページ「ジャー炊飯器の時刻表示がずれる場合」によると、この内蔵電池が減っても「炊飯器が故障しているわけではありません」。

時計は初期化されるものの、そのつど時刻を合わせれば予約炊飯も使える。普通の炊飯と保温には影響しないそうだ。

日立のFAQでも、プラグを差すと「H0」や「-:—」が出るのはマイコンの保護機能だと説明している。差し直しても直らなければ、内蔵電池の寿命の可能性が高い。この電池は専用部品で、自分では交換できない。

今回はボタンまで沈黙しているので、電池切れより故障の側に近いとみられる。電池切れだけなら、最後の1回にならずに済んだはずだ。

修理部品は製造終了から6〜10年

じゃあ炊飯器の寿命は何年なのか。各社が公式に出している「平均何年」という数字は見当たらなかった。

目安になるのは、修理用の部品をメーカーがいつまで持っているかだ。東芝ライフスタイルの「補修用性能部品の保有期間について」では、ジャー炊飯器は6年となっている。

注意したいのは数え始めで、東芝は「保有期間の始期は、その製品の製造を打ち切った時です。」と書いている。買った日からではなく、その型の製造が終わった日から6年だ。

モデル末期に買った炊飯器だと、手元に来てから6年より早く部品が無くなることもある。逆に、発売直後に買えば6年よりだいぶ長く直せる。

タイガー魔法瓶は2019年5月30日から、全商品の部品保有期間を10年に延ばした。BCN+Rの報道によると、対象は2009年1月1日以降に作った炊飯ジャーなどで、それまでは5〜6年が多かったという(キャラクター製品など一部は対象外)。

日立の「炊飯器の保証期間を知りたいです。」によると、本体の保証は1年。内がまの内側のフッ素被膜だけは、型式の末尾の文字で3年から6年まで分かれている。

自分の炊飯器が直せるかどうかは、型番で製造終了の時期を調べると見当がつく。

うちの炊飯器も同じだった

返信には、自分の家の炊飯器の最期を語る人が集まった。いちばん状況が近かったのがこちら。

ピロリンあほちゃんさん(@ahochan117)の炊飯器も同じ症状で、コンセントを抜き差ししてやっと炊けたものの、保温には切り替わらなかったという。それでも「最後の力で炊いた美味しいご飯いただきました」と書いている。

みんながきれいに見送れたわけでもない。

  • 「うちのは普通に壊れて米が生だったことあるので、その差よ。」
  • 「最後の力を振り絞って米を炭に変えて力尽きたな」

生米と炭を経験した人から見ると、炊き上がったご飯を残して止まるのはかなり行儀がいい最期らしい。

たとえ話も並んだ。最後に地球を撮って燃え尽きた探査機を思い出した人は「大気圏に突入して消える直前に地球の画像を送ってきたはやぶさのように健気で泣かずにはいられない」と書いている。

「100年後の辞書」風の投稿では、この出来事に「【職務完炊】 しょくむかんすい」という四字熟語まで作られた。意味は「自らの務めを(職務) 最後の炊飯まで全うすること(完炊)」だそうだ。

昔飼っていたメダカみたいな魚が元気に泳いでいたあと、水面に浮かんでいたという思い出を書いた人もいた。「あれが最後の力だったんだと号泣した」ので、炊飯器でも泣いてしまうらしい。

止まる前に1回炊いた

機械としては、たまたま炊き終わったあとに故障が起きただけかもしれない。それでも朝ごはんの分だけはきっちり炊いてから止まっているので、「最後の力」と言いたくなる気持ちはよく分かる。

機械がらみのしみじみ話はほかにもある。オゾン発生器が自分の出したオゾンで壊れた話や、20年以上回り続けたサントリーの自販機の話もあわせてどうぞ。

ボタンの反応が鈍くなってきた炊飯器があるなら、壊れる前に型番だけ控えておくと、買い替えか修理かを決めるときに迷わずに済む。

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