ユニボールシグノ0.28mmだけで描いた線画で三菱鉛筆に売り込み、2年7か月たってまた5万いいね
白い紙の上を、黒い細線が何十本も束になって折り返している。使われているのは1本のゲルインクボールペンだけ。ヨコイジュウさん(@4kuda5rana1)が2024年2月に「三菱鉛筆さん」宛てで投稿したこの4枚が、2026年9月3日にまた回ってきました。本人の追いポストのほうも5万いいねを超えています。
2024年2月、線画4枚を添えて三菱鉛筆に「仕事ください」
発端は2024年2月1日13時44分の投稿です。ヨコイジュウさんは4枚の線画とともに、こう書いていました。
「三菱鉛筆さん ユニボールシグノ(0.28mm)を俺ほど扱える人間はそういないと思うので、是非仕事ください ユニボールシグノを愛する男より」
つまり、メーカー本人への直接の売り込みです。
1枚目は、細い線を数十本ずつ平行に束ねた帯がUターンを繰り返し、その隙間をインクでべったり埋めた抽象画。紙の繊維とインクの盛りが見えるほど接写されているので、これが手描きなのが逃げ場なく分かる。2枚目は弧を描く細線が画面いっぱいに詰まっていて、右上に金属の極細ペン先がぽんと置かれています。ペン先の太さと、そこから出ている線の細さを見比べさせる構図です。3枚目には線の下に薄い鉛筆の下描きが残っていて、紙の左端はマスキングテープで留められています。いいねは5万9千、リプライは117件付きました。
使っているのは3種類あるうちの一番細いシグノ
タネ明かしというほどでもないですが、道具の話をしておきます。三菱鉛筆の公式ページによると、ユニボール シグノは顔料インクを使ったゲルインクボールペンで、ボール径は0.28mm・0.38mm・0.5mmの3種類。彼が名指ししている0.28mmは、このシリーズで一番細い規格です。参考価格は165円(税抜150円)で、文具店で普通に買えるペンでもあります。
要は、道具そのものはレアでも高級でもない。同じものを買ってきて同じ紙に線を引くところまでは誰でもできて、そのあとの密度で差が付いているという話です。ペンの機嫌に振り回される話ならインクが残っているのに書けなくなるボールペンの直し方のほうが身近ですが、こちらはその何段か先にいます。
2026年1月「まだ連絡ないです」、9月には感嘆符53個
その後の経過も本人が自分で報告しています。2026年1月30日19時54分、「まだ連絡ないです 三菱鉛筆さん 俺の愛を受け取ってください」と追加で投稿。こちらもいいね1万を超えました。
そして2026年9月3日18時33分、2024年の投稿が回ってきたタイミングで、自分の投稿を引用してこう書きます。「1人ぐれえいねえのかよ三菱鉛筆のスパイはよ」。このあとに感嘆符が53個続きます。社内にこの投稿を見ている人が1人くらいいないのか、という自分ツッコミですね。
こちらの追いポストがいいね5万1千、リプライ88件。2年半前の元の売り込みに迫る伸び方をしています。
売り込み3回でいいねは合計12万を超えた
2024年2月の元投稿が5万9千、2026年1月が1万、2026年9月が5万1千。3回足すと12万いいねを超えています。連絡が来たかどうかは、本人が「まだ連絡ないです」と書いている以上のことは分かりません。ただ、宣伝としての効果だけ見れば、165円のペンの名前が3回にわたって10万人単位に届いたことになります。
手描きの物量で押し切る作品でいうと、本棚に約1万冊を1冊ずつ手描きした指宿さんの絵も同じ方向の狂った密度でした。ああいうものを見た日は、だいたい家にあるペンを引っぱり出して線を引いてみたくなります。0.28mmなら、たぶん近所の文具店に置いてあるはずです。