誕生日からボカロ曲を探せる「Vocabirth」、366日ぶん27,253曲
「生年月日が同じボカロ曲ってあるのかな」。そんな素朴な疑問への答えとして貼られた1本のリンクが、9月4日から一気に伸びている。飛び先は「Vocabirth」という、月日を入れるとその日に投稿されたボカロ曲が出てくるだけのシンプルなサイトだ。しかも新作ではない。公開は2023年3月で、3年半前に作られたものが今になって掘り起こされた。
発端は「生年月日同じボカロってあります?」という質問
そもそもの起点は、@Hatsune828 さんの「生年月日同じボカロってあります?」「私は二息歩行」という投稿だった。いいねは2,773。
これを引用する形で、@hetimabom1227(いぬ)さんが「これ便利、自分の誕生日からボカロ曲探せる」とサイトのリンクを添えた。9月4日12時28分の投稿で、いいねは72,961まで伸びている。質問した側の26倍だ。「探し方を知ってる人」が現れると一気に広がる、道具の紹介にありがちな伸び方をしている。
作ったのは melonade さん、2023年の告知には「#拡散希望」
サイトの作者は melonade(@melodynade)さん。原典にあたる公開告知は2023年3月23日16時21分に投稿されていて、文面はこうだ。
「自分と同じ誕生日のボカロ楽曲を見つけられるWEBサイトを公開しました。ぜひお試しください。#拡散希望」。当時のアドレスは vocabirth.netlify.app で、今は独自ドメインの vocabirth.melodynade.com に移っている(旧アドレスも今のところ生きている)。3年半越しに拡散希望が通った形になる。
中身はニコニコ動画のCSV、366日ぶんで27,253曲
仕組みは思ったより単純だった。月日を選ぶと、その日付のCSVファイルを読みに行くだけの作りになっている。1行が1曲で、ニコニコ動画の動画ID・曲名・サムネイルのID・投稿年が入っている。
気になったので366日ぶんのCSVを全部落として数えてみたら、合計27,253曲だった。1日あたりでは57〜95曲、中央値は74曲。いちばん多いのが10月7日の95曲、いちばん少ないのが12月31日の57曲で、どの日を引いても最低57曲は出てくる。
面白かったのが2月29日で、60曲と下から5番目ではあるものの最少ではなかった。2008年以降のうるう日は2008・2012・2016・2020・2024の5回しかなく、他の日の4分の1ほどの機会しかない。それで60曲というのは、1回あたりの密度でいうとむしろ濃い。
もうひとつ分かったのが、動画IDが sm・nm・so の3種類しかないこと。内訳は sm が26,222本、nm が754本、so が277本で、どれもニコニコ動画のID体系だ。つまり収録されているのはニコニコ動画に投稿された曲だけで、YouTubeから広がった曲は入らない。曲名の横のボタンも「ニコニコ動画で視聴」なので、そこは徹底している。年でいうと2008年から2026年までの19年ぶんで、いちばん多いのは2010年の2,170曲だった。ボカロPが今も新曲を出し続けている以上、この数は毎年少しずつ増えていくことになる。
3月9日と8月31日を引いてみた
せっかくなので、ボカロ界のわかりやすい記念日を2つ引いてみた。
まず3月9日、いわゆるミクの日。83曲のうち上のほうに並んでいたのは、ヴァンパイア、帝国少女、雨とペトラ、ハウトゥー世界征服、ジレンマといった顔ぶれだった。83曲は366日のうち36番目に多く、中央値の74曲より1割ほど上だ。この日を狙って投稿する人が多いぶん、有名曲の密度も高くなっている。
次に8月31日。初音ミクが発売された日で、収録は89曲。366日のなかでは16番目に多い日だった。上から順にアウターサイエンス(2013年)、Orangestar feat. IA の「快晴」のMV(2017年)、始発とカフカ(2015年)、リバースユニバース(2017年)と続き、5曲目に2008年の「VOCALOIDでニコニコ動画流星群」が入ってくる。ちなみにミクの発売が2007年8月31日、その翌月に「みくみくにしてあげる♪」が投稿されて一気に火が付いた流れなので、8月31日はボカロの誕生日でもある。初音ミク19周年を祝う生放送が毎年この時期に立つのも同じ理由だ。
並び順については、上から有名曲が来るので人気順に見えるものの、再生数なのかマイリスト数なのかはサイトに書かれていない。そこは「なんとなく強い順」くらいに思っておくのがよさそうだ。
出てきた曲に運命を感じてしまう
サイトには「Twitterで共有」ボタンも付いていて、押すと あなたと同じ誕生日(10/09)のボカロ曲は... に曲名を続けた形のテキストが流れる。誕生日と曲名がセットで出るので、そのままタイムラインに投げやすい。
実際、結果を見た人の反応がそのまま感想になっている。
- 「1番上に出てきた曲が『まにまに』なの運命感じるな」
- 「3月9日ならそりゃいっぱい出て来る」
2つ目のツッコミが的確で、記念日に生まれた人ほど候補が増えて「運命の1曲」が絞りにくいという逆転が起きる。逆に何でもない日に生まれた人のほうが、出てきた70曲前後の中から自分の1曲を見つけやすい。
ボカロ曲は今も増え続けていて、プロセカに書き下ろされた syudou の「アンチサイノウ」のように2026年の新曲もある。数年後に引き直すと違う曲が上に来るかもしれない。入力するのは月日だけなので、自分の誕生日でも推しの誕生日でも、Vocabirth で1回引いてみると話のタネにはなると思う。