「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」とは?ポイズンの歌詞と元ネタ
「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」と振られたら、返すのは 「ポイズン」 です。反町隆史の「POISON 〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜」のサビで、1998年のドラマ『GTO』の主題歌でした。
言いたいことをぐっと飲み込んだ場面で、半分ふざけて口にするお決まりのフレーズになっています。
「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」とは?
我慢した、言い返せなかった、そういう場面に添える定番のネタです。前半を誰かが言うと、別の誰かが「ポイズン」で締める掛け合いの型として使われます。
ニコニコ大百科には2009年8月1日にこのフレーズ単体の記事が立っています。掲示板やSNSでも、愚痴の書き込みに「ポイズン」と返すやりとりはおなじみです。
「事」「は」と「こと」「じゃ」の違い
表記がゆれるのには理由があります。正式な曲名は「言いたい事も言えないこんな世の中は」で、サビで歌われる歌詞は「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」です。
ニコニコ大百科の曲の記事にも、単語記事「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」は曲名ではなくサビの歌詞のことだ、と注記があります。検索するときに「世の中は」と打っても「世の中じゃ」と打っても、たどり着くのは同じ曲です。
元ネタはポイズンの歌詞
元ネタは反町隆史の4枚目のシングル「POISON 〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜」。1998年7月29日に8cmCDで発売されました。
- 作詞は反町隆史本人
- 作曲は井上慎二郎、編曲は吉田建
- オリコン週間最高9位、1998年の年間88位
- オリコン集計で約27万枚(出荷ベースでは50万枚とされる)、プラチナ認定
サビはこの1行から、一拍おいて決めの1語で終わります。
言いたいことも言えないこんな世の中じゃ POISON
歌詞の全文はうたネットの「POISON」で読めます。
ドラマ『GTO』の主題歌
1998年7月7日から9月22日まで、関西テレビ制作・フジテレビ系の火曜22時枠で放送された『GTO』の主題歌です。全12話で、主人公の元暴走族の教師・鬼塚英吉を反町隆史が演じました。
関東での平均視聴率は28.5%、最終回は35.7%。主演俳優が自分で歌う主題歌だったので、ドラマと曲がまとめて記憶に残りました。
なんで定番の返しになった?
いちばん大きいのは曲の作りです。サビが長い1行のあとに「POISON」と短く決めて終わるので、前半を言えば誰かが後半を返せる。掛け合いにするにはちょうどいい形をしています。
内容も使いやすいです。上司に言えない、親に言えない、ちょっとした不満を飲み込んだ。そういう日常の小さな我慢に乗せられるので、大げさにならずに笑いにできます。
若い世代には通じない?
2017年5月には、Togetterで「新入社員だとピンと来ない可能性」という話題がまとめられています。
2018年6月には、Social Trend Newsが15〜39歳の360人に「この後に続く言葉は?」と聞く調査をしています。当時25歳あたりを境に「ポイズン」が出てこなくなり、若い層からは次のような答えが返ってきました。
- 「生きていけない」
- 「おしまいだ」
続きを知らずに読むと、たしかにそう続けたくなる1行です。
赤ちゃんが泣き止む曲
この曲は「ポイズンを流すと赤ちゃんが泣き止む」という話でも知られています。
2021年7月3日には、反町隆史の所属事務所・研音の公式チャンネルが「【公式】反町隆史POISONで海外の赤ちゃんを泣き止ませてみた。」を公開しています。ORICON NEWSによると、日本音響研究所の専門家が理由を解説しています。
- イントロのギターで、音の周波数がV字に変わる部分が注意を引く
- サビの低くて平坦な歌声には、落ち着かせる効果がある
反町本人も「僕の子どもがまだ小さい時に知ってたら」とコメントしています。
2024年と2026年にGTOが復活
曲は何度も掘り返されています。2024年4月1日には単発ドラマ『GTOリバイバル』が放送され、主題歌はBLUE ENCOUNT×反町隆史の「POISON」でした。
さらに2026年7月20日から9月28日まで、『GTO』が28年ぶりの連続ドラマとして戻ってきました。カンテレ・フジテレビ系の月曜22時枠で全11話、主題歌は1998年と同じクレジットの「POISON」です。親世代のネタだと思っていた人も、今年あたりで初めてフルで聞いたかもしれません。
使い方・例文
- 「部長の寒いギャグに全力で笑った。言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」「ポイズン」
- 「推しのグッズ代で今月もギリギリ。言いたいことも言えないこんな世の中じゃ」
- 「ジャンケンで負けて買い出し係。言いたいことも言えないこんな世の中じゃ…」「ポイズン」
- 「バイト先で『シフト入れる?』に『はい』しか言えなかった。ポイズン」
ひとりで最後まで言い切ってもいいですが、前半だけ書いて「ポイズン」を相手に任せるのがいちばん盛り上がります。返ってこなかったら、相手とは世代が違うのかもしれません。
関連する言葉
曲のキメの1語がそのまま返しのお約束になった点では、X JAPAN「紅」のイントロ明けの叫び「紅だー」と同じ型です。
サビの一節が場面の合図になったのは、ホイットニー・ヒューストンの「エンダァァァァイヤァァァァ」も同じ。ドラマ発の文言が翌朝には書き写されて大喜利になった例としては、『VIVANT』の「規律の遵守」があります。