「エンダァァァァイヤァァァァ」の元ネタは何の曲?歌詞の続きと映画
告白が成功した、二人が見つめ合った。そんな場面で書き込まれるのが 「エンダァァァァイヤァァァァ」 です。元ネタはホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」で、サビの「And I」がこう聞こえます。
映画『ボディガード』(1992年)の主題歌として世界中でヒットした曲です。ただ、日本のネットで「祝福のBGM」扱いされているこの曲、歌詞の中身は別れの歌だったりします。
「エンダァァァァイヤァァァァ」とは?
恋愛が実る瞬間に付ける擬音です。告白成功、カップル成立、見つめ合い、抱擁。そういうシーンに「エンダァァァァ」と書き込んだり、コメントで流したりします。
日本語版Wikipediaの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」の項にも、「And I」の部分を音写した「エンダァァ」「エンダーー」などが、カップル成立を表すネットスラングとして使われていると書かれています。
表記はかなりゆれます。ァの数は人それぞれで、よく見かけるのは次のあたりです。
- エンダァァァァイヤァァァァ(ァ4つ)
- エンダァァァイヤァァァ(ァ3つ)
- エンダーイヤー
- えんだああああ
どれも同じものを指しています。伸ばせば伸ばすほど盛り上がっている、くらいの感覚で使われています。
元ネタは何の曲?
曲名は 「I Will Always Love You」(邦題「オールウェイズ・ラヴ・ユー」)。ホイットニー・ヒューストンが1992年11月に、映画『ボディガード』の主題歌として発売しました。
「エンダァァァァ」になっているのは、サビの頭の「And I」です。ここを大きく伸ばす歌い方が印象的で、日本人の耳には「エンダァァァァ、イヤァァァァ」と聞こえる。サビの歌詞はこう続きます。
And I~ will always love you
つまり「イヤァァァァ」の正体は「I」。歌詞の続きは「will always love you(ずっとあなたを愛してる)」です。
映画『ボディガード』はどんな話?
ケビン・コスナー演じるボディガードが、ホイットニー・ヒューストン演じる人気歌手を守るうちに惹かれ合っていく話です。米国では1992年11月25日、日本では12月5日に公開されました。
全世界の興行収入は4億1,000万ドルを超え、日本でも配給収入41億1,000万円のヒットになっています。
タイタニックの曲と混ざりがち
「エンダーイヤー タイタニック」という検索もよく打たれていますが、別の映画です。『タイタニック』の主題歌はセリーヌ・ディオンの「My Heart Will Go On」。どちらも90年代の映画バラードなので、記憶の中で混ざりやすいようです。
実は別れの歌
ここがこのミームのいちばん面白いところです。日本ではハッピーエンドの定番BGMなのに、曲の中身は「愛しているけれど、あなたの邪魔になるから私は去る」という別れの歌です。
もともとはドリー・パートンが1973年に作詞作曲して録音した曲で、7年間コンビを組んだ師匠のポーター・ワゴナーと別れるときに書いたとされています。1974年3月にシングルで出て、ビルボードのカントリーチャート1位。1982年の再録版でも1位を取っています。
映画の二人も、最後は別々の道を行きます。ラストで流れるのは、むしろ別れを決めた側の気持ちです。
それが日本のバラエティで「男女が結ばれる場面」に使われ続けた結果、ネットでは祝福の合図になりました。サビの盛り上がりだけを切り取ると、たしかに結ばれた瞬間っぽく聞こえるんですよね。
記録だらけのヒット曲
ホイットニー版の数字は今見てもすごいです。
- 米ビルボード Hot 100 で14週連続1位(当時の最長記録)
- 34か国で1位
- 世界2,400万枚超で、女性ソロのシングルとして史上最多
- グラミー賞の年間最優秀レコード
- サントラ『ボディガード』は世界4,200万枚
日本でもオリコン洋楽シングルで1993年1月11日付から27週連続1位、1993年の年間1位、180万枚を売っています。当時を知らない世代でも、サビだけは聞いたことがある人が多いのはこのためです。
いつから使われている?
最初に誰が書き込んだのか、何年に始まったのかという確定的な記録は残っていません。日本のバラエティ番組で、カップル成立の場面にこのサビが流れていたことから広まったとされています。
見つかった中でいちばん古いのは、2012年6月15日のYahoo!知恵袋の質問「エンダァァァ!ってどういう意味?」です。2013年10月には「Twitterやニコ動のコメントで見かける」という質問も出ていて、この頃にはネットの定番になっていたことが分かります。
スパイダーマンで流れた理由
2019年の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』では、冒頭の追悼映像でこの曲が流れます。アベンジャーズの戦いで命を落としたヒーローたちの写真に、あのサビが重なる場面です。「エンダーイヤー スパイダーマン」で検索されているのはこのシーンです。
TikTokの「エンダーイヤーチャレンジ」
最近はTikTokの「エンダーイヤーチャレンジ」でも使われています。サビのリズムに合わせて「エンダー」のタイミングをぴったり合わせる、という型の動画です。「エンダーイヤー タイミング」「チャレンジ 何秒」と検索されているのはこれです。
使い方・例文
- 「二人が目を合わせた瞬間、コメント欄がエンダァァァァで埋まった」
- 「同期が付き合い始めたって聞いて、脳内でエンダーイヤーが流れた」
- 「恋リアの最終回、告白成功でえんだああああ」
- 「推しカプが手つないだだけでエンダァァァイヤァァァ」
基本は他人の恋が実ったときの冷やかし半分の祝福です。自分のことに使うと、だいぶ浮かれている感じが出ます。
関連する言葉
洋楽のフレーズが日本語っぽく聞こえて広まった点では、空耳ミームの仲間です。同じく洋楽から生まれた恋のマイアヒやモスカウとも近い系譜にあります。
使われる場面は告白の成功や、リア充誕生の瞬間。伸ばし表記で音を書き起こす遊びは、仮面ライダーマイスの変身ソングが「ネイズミーチーザァアアアー!」と聞こえる話にも通じます。
「サビは知ってるけど曲名が分からない」で検索される型としては、ショート動画で流れる「ドングリを殴っても死にません」の曲名が判明した話とも同じです。