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「オッス!オラ悟空!」とは?原作に無い次回予告のセリフ・野沢雅子のアドリブという元ネタを解説

オッス!オラ悟空!(おっすおらごくう) ・ 2026年9月10日 公開

孫悟空のあいさつといえばこれ、というくらい浸透している「オッス!オラ悟空!」。ところが原作マンガを読み返しても、アニメ本編を見返しても出てきません。このセリフが流れていたのは毎週の次回予告の頭だけで、しかも脚本に書かれていたものですらなかったとされています。

「オッス!オラ悟空!」とは?

『ドラゴンボール』の主人公・孫悟空の自己紹介として知られるフレーズです。ただし実態は、アニメの次回予告の冒頭でだけ使われる決まり文句でした(pixiv百科事典)。本編で誰かに名乗るときのセリフではなく、次回のあらすじを悟空の声で紹介するコーナーの入り口として置かれていた一言です。

なのに多くの人は、悟空が作中で元気に名乗っている画をなんとなく思い浮かべます。実際には見ていないものを、みんなで同じように覚えている。マンデラ効果の見本のような例です。

原作にもアニメ本編にも出てこない

pixiv百科事典は「漫画でもアニメ本編でも、悟空は一度もこの台詞を言っていない」と書いています。ガジェット通信が2020年1月6日に出した記事も、「唯一言われているシーンは、次回予告の部分のみ」としています。

全話を頭から検証した一次資料があるわけではないので、100%言い切れる話ではありません。ただ、探しても見つからないという点では複数のソースが一致しています。

毎週流れ続けたから決め台詞になった

元祖『ドラゴンボール』の放送は1986年2月26日から1989年4月19日まで、全153話。そのまま『ドラゴンボールZ』が1989年4月26日から1996年1月31日まで、全291話と続きました。Zの次回予告についても「前作から続く悟空の『オッス、オラ悟空!』から始まり」と記録されていて、元祖から地続きで引き継がれたことがわかります。2作を合わせれば440話を超える回数、この一言が毎週流れ続けたわけです。

『ドラゴンボール超』(2015年7月5日〜2018年3月25日・全131話)でも予告の型は踏襲されました。ただし第113話以降は本編のダイジェストが入るようになり、予告そのものは短くなっています。

予告を担当したのが悟空だけではなかったのも面白いところです。ABEMA TIMESは2024年11月2日の記事で、このセリフを「アニメオリジナルなうえ、本編では出てこないセリフ」としたうえで、亀仙人やブルマが予告を担当する回もあり、ブルマ版は「はぁーい、あたしブルマ」で始まったと書いています。どの話数がそうだったかまでは触れられていないので、頻度は不明のままです。

東映アニメーションの公式チャンネルには、『ドラゴンボール超』第98話の次回予告が残っています。2017年7月の公開で、再生数は32万回を超えています。

生みの親は野沢雅子さんのアドリブ

このセリフを作ったのは脚本家ではなく、悟空を演じている声優の野沢雅子さんです。Wikipediaの「野沢雅子」の項にも、次回予告の前フリである「オッス、オラ悟空!」は野沢さんのアドリブによるもの、と記載されています。

「冗談で言った言葉がスタッフに気に入られて採用された」という語られ方もマグミクスなどで紹介されています。ただし採用が決まった当時の経緯を本人が語った一次資料までは確認できませんでした。確かなのは、台本に無かった一言が10年以上の放送を通してキャラクターの看板になった、という部分です。

本編での悟空はもっと礼儀正しい

この項目でいちばん「へぇ」となるのがここです。本編の悟空が名乗る場面は、たとえば「オラ悟空です 孫悟空!!」「こんにちは!オラ孫悟空でーす!!」で、予告のノリよりずっと丁寧です。育ての親の教えなのか、初対面の相手にはきちんとあいさつする描写が多い。

一応、公式が予告のセリフをネタとして拾った場面もあるとされます。pixiv百科事典によれば、劇場版『神と神』では悟空が言いかけて界王に止められ、漫画版『ドラゴンボール超』では大神官に会ったときに「オッス!」「オラ悟空だ」と名乗るコマがあるそうです。ただしこの2つは出典がpixiv百科事典だけなので、そういう場面があるとされる、くらいで受け取っておくのが安全です。

「いっちょやってみっか」の出どころはスーパーファミコン

検索でセットになって出てくるのが「オッス!オラ悟空!いっちょやってみっかぁ〜」という続きです。これはアニメではなくゲーム由来とされています。

1993年3月20日にバンダイから発売されたスーパーファミコン用ソフト『ドラゴンボールZ 超武闘伝』は、電源を入れた直後のタイトル画面でこのボイスが流れます(ゲームカタログ@Wiki)。ゲーム作品での初使用とされ、以降のゲームでも定番の入り方になりました。ちなみに同作は発売から2か月で130万本を売っています。当時のプレイヤーが電源を入れるたびに聞いた一言なので、アニメ勢とゲーム勢で記憶している長さが違う、というのもよくある話です。

公式がタイトルに使った例もあります。2008年のジャンプスーパーアニメツアー用に作られたオリジナルアニメが『ドラゴンボール オッス!帰ってきた孫悟空と仲間たち!!』で、上映時間は約35分。2008年9月21日から11月23日にかけて、全国11会場で上映されました。

使い方・例文

  • 「オッス!オラ悟空! ……って本編で一度も言ってないの、今知った」
  • 「自己紹介のテンプレが『オッス!オラ〇〇!』になりがち」
  • 「よし、いっちょやってみっか。(バイト前の気合い入れ)」

自己紹介の枕として使うのが定番で、名前の部分だけ入れ替えれば誰でも使えます。元がテレビの予告なので、勢いよく言うほどそれっぽくなります。

関連する言葉

同じ『ドラゴンボール』でも、クリリンのことかーっ!は本編の名シーンからそのまま切り出された台詞です。本編に無いのに定着した予告のセリフと、本編の一場面が丸ごとネタになった台詞。同じ作品から真逆の経路でネットの共通言語が生まれているのが面白いところです。

作品を離れてフレーズだけが流通する型としては、お前はもう死んでいる(北斗の拳)やな、なんだってー!(MMR)も同じ仲間です。どれも元の文脈を知らないまま言い回しだけ覚えている人が多い語です。

シリーズの現在地は公式サイト DRAGON BALL OFFICIAL SITE が早く、次回予告を含むアニメの公式動画は東映アニメーション公式YouTubeチャンネルにまとまっています。新作『ドラゴンボール超 ビルス』は10月11日23時15分から放送で、主題歌も発表済み。海外の動きではパリ郊外にドラゴンボールのテーマパークを建てる計画も出ています。

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