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美ら海水族館の深海魚キイハナダイ、飼育員を悩ませた“謎の2タイプ”の正体はオスとメスだった。近大との研究で判明

2026年7月15日 ・ トレンド「沖縄美ら海水族館 キイハナダイ 深海魚」より

全長わずか12cmほど、水深200m前後の深海にすむ稀少な魚「キイハナダイ」。沖縄美ら海水族館では、この魚を長年展示してきたが、ずっと飼育員たちの頭を悩ませてきた“謎”があった。採集してくる個体に、色彩や形がわずかに異なる「2タイプ」が存在するのだ。別々の種なのか、それとも同じ種の中の個体差なのか。その答えが、ようやく出た。

深海の稀種をめぐる、長年の謎

キイハナダイ(ハナダイ科スミツキハナダイ属)は、神奈川県から琉球列島にかけての深場にすむ稀少な魚。派手さのある一方で、生態には分かっていないことが多い。美ら海水族館の飼育スタッフは、この魚を採集・展示するなかで、微妙に見た目の違う2タイプがいることに気づいていたが、それが何を意味するのかは長らく不明のままだった。

正体は「オスとメス」、しかも性転換の可能性も

2026年6月11日、その謎に決着がついた。近畿大学を中心とする研究チームが、キイハナダイには「性的二型」(オスとメスで見た目が違う性質)が存在すると報告したのだ。つまり、飼育員を悩ませてきた“謎の2タイプ”の正体は、この魚のオスとメスだった、というわけ。

さらに驚くのはここから。研究では、この魚が成長にともなってメスからオスへと性別を変える「雌性先熟」型の性転換を行う可能性まで示唆されている。魚の世界では性転換そのものは珍しくないが、長年「別種かも」と思われていた2タイプが、実は同じ個体の“性別違い”であり、しかも入れ替わりうるというのは、なんとも深海らしい奥深さだ。

美ら海水族館では、この光沢のある鱗をもつオス個体を「深海への旅」コーナーの個水槽で展示中。見た目の違いに「別の魚では?」と思ってしまうその奥に、こんな物語が隠れていたと知ってから眺めると、一段と味わい深い。研究や展示の詳細は沖縄美ら海水族館の公式お知らせにまとめられている。