石川雅規はなぜ「カツオ」、風貌が似てると米野智人が命名したのが理由
石川雅規投手の愛称「カツオ」は、風貌が磯野カツオに似ているからと同僚の米野智人さんが付けたものだ。その本家カツオが、引退セレモニーでビジョンに出てきた。
10月3日、明治神宮野球場の対中日ドラゴンズ戦が、ヤクルト一筋25年の石川投手の引退試合だった。試合後のセレモニーの途中、球場のビジョンに『サザエさん』の磯野カツオがいつもの姿で現れ、石川投手にねぎらいの言葉を送っている。
現地で観戦していた人が撮ったビジョンの写真4枚が、こちら。
投稿者の一言は「一番すごいかもしれない」。この投稿は約2.3万いいねを集めた。
本家カツオが送った言葉
中日スポーツによると、カツオが出てきたのは、ホワイトソックスの村上宗隆選手のビデオメッセージが流れた直後。後輩からの言葉に続いて、いきなり国民的アニメのキャラが出てきた形になる。
写真4枚に写っているビジョンの文言は、次のとおり。
- 「みなさん 磯野カツオです」
- 「プロ野球選手に ぼくと同じカツオと呼ばれている 大投手がいるなんて」
- 「ぼくの一番の自慢だったんだ」
- 「石川投手 25年間の現役生活 本当にお疲れ様でした」
写真に写っていない部分も、中日スポーツの記事が伝えている。カツオは「お父さんや姉さんに叱られている時も、プロ野球選手のカツオもきっと叱られているんだからって自分を励ましていました」とも話したそうだ。
波平に怒られて逃げ回るいつものカツオが、裏でこっそり石川投手を心の支えにしていたという設定である。ファンからすると、ずるい演出だ。
愛称の名付け親は米野智人
ではなぜ、プロ野球選手が「カツオ」と呼ばれているのか。Wikipediaの石川雅規の項目によると、始まりは2005年オフの自主トレだ。
このとき石川投手は、川島亮さん、米野智人さん、青木宣親さんと一緒に練習していた。そこで、風貌が磯野カツオに似ていることから、米野さんに「カツオ」というニックネームを付けられたという。
つまり由来は顔である。それが20年以上定着して、最後は本家から「同じカツオと呼ばれている大投手」と言われるところまで来た。
カツオにまつわる小ネタ
愛称は呼び名で終わらず、本人のプレーやグッズにまで広がっていった。
- カツオカーブ: 2008年オフに覚えた、90km/h前後のスローカーブ。カツオという愛称と、鰹が泳ぐ速さがおよそ時速80kmであることにかけて名付けた
- 鰹のマーク: アンダーシャツの首元に鰹のマークを入れていた
- カツオボーイフィギュア: 2009年から球団が発売していた
- つば九郎の呼び方: つば九郎は石川投手を「かつおくん」と呼ぶ
引退試合の当日には、神宮球場のグルメ担当も引退記念メニューとして「カツオと醤油のいそべ焼き餅」を出していた。名前の時点でカツオである。
167cmの「小さな大投手」
石川投手は身長167cmで、「小さな大投手」と呼ばれてきた。プロ野球の投手としてはかなり小柄だ。
1年目から24年続けて勝ち星を挙げた記録は、NPBで1つの球団に在籍し続けた投手としては史上初だ。今年は8月25日の巨人戦で0.1回6失点に終わったことが、引退を決めるきっかけになったという。
引退試合では7回裏に代打で打席に立ってサードフライ。8回表にはマウンドに上がり、森駿太選手を空振り三振に取って締めた。今年は楽天の前田健太投手がNPB通算100勝に届いたが、188勝はその先にある数字だ。
サザエさんのカツオで涙が引っ込む
セレモニーを見ていたファンの反応は、笑いと涙が混ざっていた。
- 「カツオの引退セレモニー見て泣いてたのに、サザエさんのカツオ出てきて涙引っ込んだwww」
- 「ドラファンだけど、ちょっとウルッと来てたのにカツオ出てきて涙引っ込んだ」
- 「カツオにカツオw」
声優に目を向ける人もいた。
- 「冨永みーなさんがカツオ役になったのが、石川投手がプロ入りする前の1998年なんだよな…」
石川投手のプロ生活の25年間は、まるごと今のカツオの声と重なっているというわけだ。
愛称を付けた米野さんも、20年後に本家から公式に呼びかけられる展開までは想像していなかったはずだ。テレビで日曜夕方にカツオを見かけたら、神宮にもう1人カツオがいたことを思い出してほしい。