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前の車に「マニュアル1日目」の貼り紙、若葉マークにも「ほんまごめん」と書かれていた

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前に止まった白いセダンのバンパーに、ガムテープで留めた紙が一枚。何が書いてあるのか気になって見た人が撮影し、ナンバープレートを黒く塗りつぶしたうえでXに投稿しました。9月14日夕方の投稿で、15日午前の時点でいいねは27万5千件を超え、表示回数は1,290万回に達しています。元の投稿はその後削除されていて、いまは見られません。

紙は3行、若葉マークにも文字が足されている

貼り紙の文面は3行です。「マニュアル1日目」「頼むから車間距離」「取って欲しい」。パソコンで打った文字ではなく、太いペンで手書きされたものが1枚、リアバンパーに貼られています。

そしてもう一つ、トランクの中央、エンブレムのすぐ下に貼られた初心運転者標識、いわゆる若葉マークにも書き込みがありました。黄色の側に「ほんま」、青緑の側に「ごめん」。マークの形に合わせて縦書きで入っています。つまりこの車は、後ろから見ると「マニュアル1日目」「頼むから車間距離取って欲しい」「ほんまごめん」の三段構えで謝りながら走っていることになります。

この若葉マーク部分をアップにした画像を貼ったリプライには1万1千件のいいねが付き、「ここ好き。」「これから末永く愛車との楽しい時間を満喫してほしい。」というコメントが添えられていました。

運転していた本人がリプ欄に出てきた

投稿が伸びるにつれて、コメント欄に当の車の持ち主が現れます。「本人です!ご迷惑おかけしてたら申し訳ないです」。この返信だけでいいねが4万6千件、表示回数は148万回に達しました。

撮られた側が怒るでもなく、まず謝りに来るという展開で、コメント欄の空気はさらに柔らかくなりました。こういうときは「ええんやで」の気持ちで見守ろう、という返信には5千件のいいねが付いています。

MT車の運転を始めたばかりの時期は、坂道や信号待ちからの発進で一度エンストすると立て直すのに数秒かかります。教習所のコースと違って公道には後続車がいるので、その数秒がとにかく気まずい。貼り紙で先に謝っておくというのは、その気まずさに対するかなり合理的な自衛策ではあります。

初心者マークの車に幅寄せしたら、罰を受けるのは後ろの車

ここで知っておくと得をするのが、初心者マークを付けた車は法律に守られているという点です。免許を取って1年を経過していない初心運転者は初心者マークの表示義務がありますが、それとは別に、周囲の車の側にも「初心運転者等保護義務」が課されています。中身は、初心者マークを付けた普通自動車に対して幅寄せをしたり、車間距離が取れなくなるような進路変更をしたりしてはならない、というものです。

違反すると、普通車で反則金6,000円と基礎点数1点。ちなみにマークを付けるべき人が付けていなかった場合(初心運転者標識表示義務違反)の反則金は普通車4,000円なので、金額だけ見ると周りの車が守らなかったときのほうが高いことになります。

注意したいのは、後ろにぴったり付いて走ること自体がそのままこの違反になるわけではない、という点です。保護義務違反が想定しているのは幅寄せと、車間が取れなくなるような割り込みのほう。とはいえ貼り紙の主が頼んでいるのは、まさにその前後の距離です。点数の詳細は警視庁の交通違反の点数一覧表にまとまっています。

ツッコミが入ったのは、紙ではなくテープのほう

貼り紙の内容にケチを付ける声はほとんど見当たらない代わりに、別のところに指摘が飛んでいました。留めるのに使われているのが茶色いガムテープだったため、「誰か養生テープの存在を教えてあげて」という返信に1千件のいいねが集まっています。「私は好感持てるけどね、これ。」と前置きしつつ「でもガムテ、剥がすの大変だよ?笑」と心配する人もいました。塗装面に貼ったガムテープは、時間が経つと粘着剤が残って厄介です。

「似たようなことありました。」と、自分が過去に遭遇した貼り紙の写真を出してくる人も出てきて、リプ欄はちょっとした貼り紙の品評会になっていました。もっとも、手書きのメモ一枚で無断駐輪が止まった話や恐山でヘルメットにかぶせられた袋に置き手紙が入っていた話を見ても分かるとおり、日本の路上における手書きの紙の伝達力はやたらと高いです。今回も、狙っていたはずの後続車どころか1,290万回ぶんの表示に届いてしまいました。

そもそも前の車というのは、じっくり眺める時間があるぶん妙に記憶に残ります。「前の車、古すぎ」と驚いて撮ったら自分の愛車も戦前のロールスロイスだった話のように、前の車を眺める数十秒がそのままネタになることも多い。街で「マニュアル1日目」の紙を見かけたら、クラクションを鳴らす代わりに車一台分だけ下がってあげてください。

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