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マレーバクの赤ちゃんが“ウリ坊”そっくりな理由。イノシシとは無縁なのに、あの派手な模様が持つ深い意味

2026年7月14日 ・ トレンド「マレーバク 赤ちゃん うり坊 模様 保護色」より

動物園でひときわ人気のマレーバク。その赤ちゃんは、こげ茶色の体に白い縞模様と斑点が入った、まるでイノシシの子“ウリ坊”そっくりの姿をしています。あまりに似ているので「ウリ坊の親戚?」と思ってしまいますがじつはマレーバク、イノシシとはまったくの別グループ。あの模様には、ちゃんとしたワケがあります。

まず、バクは「ウマやサイの仲間」

意外に思われるかもしれませんが、バクの仲間は分類上「奇蹄目(きているもく)」に属し、ウマやサイと同じグループです。ずんぐりした体と長い鼻から、イノシシやブタ(こちらは偶蹄目)を連想しがちですが、系統としてはむしろ馬に近い。赤ちゃんがウリ坊にそっくりなのは、いわば“他人の空似”なのです。

タネ明かし①:うり坊柄は、森に隠れるための保護色

では、なぜ赤ちゃんはあんなに派手な模様をしているのか。答えは 保護色(カモフラージュ)です。よこはま動物園ズーラシアの解説によれば、縞と斑点が入り混じったまだら模様は、森に差し込む木漏れ日や、茂みの光と影に紛れるのにうってつけ。地面に落ちた光のまだらと体の模様が溶け合うことで、まだ身を守る力の弱い赤ちゃんが、外敵に見つかりにくくなるのです。

しかもこの模様、体の場所によって少しずつ違います。胴体は縞模様、顔と足は水玉(斑点)模様、そして耳のふちだけは白。この耳のふちの白は、じつは大人と同じ配色。赤ちゃんのうちから、大人になる準備が一部だけ始まっているようで、なんとも面白いディテールです。

生後5〜6か月で、あの白黒ツートンへ

この“ウリ坊姿”が見られるのは、じつは短い間だけ。一般には 生後5〜6か月ほどで、少しずつ大人と同じ白黒くっきりの体色へと変化していくとされます。生まれたてのまだら模様の子に会えるのは、まさに“今だけ”の限定。動物園でマレーバクの赤ちゃん誕生のニュースを見かけたら、早めに会いに行く価値があります。

タネ明かし②:じつは、大人の“白黒”も保護色

「派手なうり坊柄が保護色なのはわかった。でも、大人のあの目立つ白黒ツートンは、逆に目立つのでは?」。そう思いますよね。ところが、大人の白黒模様も、れっきとした保護色なのです。

同じくズーラシアの解説によると、マレーバクが暮らすのは夜の暗い森。暗闇の中では、体の黒い部分が闇に溶け込み、白い部分だけが浮いて見えるため、体全体の“輪郭”がぼやけて、どこからどこまでが1頭のバクなのか分かりにくくなる。つまり、白黒に分断することで、かえって姿をくらませているというわけです。昼間の動物園で見ると最高に目立つあの柄が、本来の暗い森では“消える”ための工夫だと知ると、印象がガラッと変わります。

実際の赤ちゃんは、こんなにかわいい

言葉で説明するより、実物を見るのが早いかもしれません。愛媛県立とべ動物園では2025年、同園初となるマレーバクの赤ちゃん(父・ダン、母・ナナハ)が誕生。その愛らしいうり坊姿が、公式チャンネルで公開されています。

イノシシの子に見えて、実はウマやサイの仲間。派手に見える模様は、赤ちゃんも大人も“隠れる”ための知恵。見た目のかわいさの奥に、森を生き抜くための理屈がぎっしり詰まっている。マレーバクの赤ちゃんは、そんな「知るともっと好きになる」動物の代表格です。

※生態・模様の役割は各動物園の解説にもとづく情報です。成長による変化の時期には個体差があります。