← 一覧へ エンタメ

『天地創造』が31年ぶりに動く? Pixel Arcadiaのティザーに「祈り」とクインテットのクレジット

・ 更新

31年間ずっと眠らされてきたゲームの名前が、いきなり英語のティザー映像から出てきた。

パブリッシャーの Clear River Games が8月18日に投稿した17秒ほどの動画。ひとこと添えられていたのは「It’s time to wake up.(そろそろ目を覚ます時間だ)」で、リンク先はレトロゲーム特化のショーケース番組「Pixel Arcadia」の告知でした。

「祈り」と、動画の隅に出るクレジット

この短い動画に、ファンが3つの手がかりを見つけています。

ひとつめは音楽。流れているのはスーパーファミコン『天地創造』の楽曲「祈り」のアレンジです。ふたつめは読み上げられる英語のセリフで、「Wake up! All the living things in the world await your awakening」。これは『天地創造』第4章に出てくるクマリのセリフにあたります。

そして決定打が3つめ。動画の下のほうに、うっすらと ©SQUARE ENIX / QUINTET / Kamui Fujiwara と Published by Clear River Games の表記が入っていました。スクウェア・エニックス(旧エニックス)、開発元のクインテット、キャラクターデザインの藤原カムイ。この3つが並ぶ作品は、事実上『天地創造』しかありません。

その藤原カムイ本人も、Pixel Arcadia の名前を出したうえでこう書いています。

言えないと言っている時点で、何かはある。ファンの読みもだいたいそこで一致していました。

31年間、一度も移植されなかった作品

『天地創造』は1995年10月20日にエニックスから発売されたスーパーファミコン用のアクションRPGです。開発はクインテットで、『ソウルブレイダー』『ガイア幻想紀』と合わせて「クインテット三部作」と呼ばれています。地下世界クリスタルホルムの村一番のやんちゃ者アークが、うっかり開けてしまった箱をきっかけに、滅びた地表を復活させる旅に出る話です。

この作品がややこしいのは、その後がまったく動いていないこと。欧州では1996年12月に任天堂から『Terranigma』として発売されましたが、北米では未発売のままでした。日本でもバーチャルコンソールや復刻版の類は出ておらず、31年間、移植もリマスターも一度もありません。同世代の名作がスイッチやサブスクで気軽に遊べるようになっていく中で、ここだけ空白になっています。

2021年には1万人超の署名が集まっていた

ファン側が黙って待っていたわけでもありません。2021年7月、kisato さんという個人が change.org で「SFC『天地創造』のアーカイブ配信をしてほしい!」という署名を立ち上げ、キャラクターデザインの藤原カムイと、音楽を手がけた小林美代子が賛同・協力しました。署名は1万人を超え、同年11月30日にスクウェア・エニックスへ提出されています。

もちろん署名の数がそのまま復刻を決めるわけではありません。ただ、今回のティザーで「祈り」が使われ、藤原カムイ本人が反応しているという並びを見ると、あのときの動きと地続きに見えてくる。2025年10月には発売30周年の記念キャンペーンも行われていて、権利側が完全に無関心というわけでもなさそうです。

配信は8月25日の午前3時から

Pixel Arcadia は、レトロインスパイア系の新作やHDリメイクの情報をまとめて出す配信番組です。現地時間8月24日の午前11時(太平洋時間)スタートなので、日本時間だと8月25日の午前3時から。YouTube と Twitch で配信されます。

X では「スクエニ、クインテット、藤原カムイって書かれてるから天地創造が復活するのか!?」と手がかりを並べて確認する人、「たのむ、天地創造リメイクしてくれ移植でもいいぞ」と祈る人、「本当ならついでにガイア幻想紀も欲しい」と欲を出す人まで、反応の温度差が面白いことになっていました。「発売した時期だけが悪かった」という書き込みもあって、これは1995年が名作RPGの当たり年で、その中に埋もれてしまったという長年の言われようを指しています。

中古市場の話をしている人もいました。移植が一度もないので、遊ぶ手段が中古のカセットしかない。おかげでソフト自体にプレミアが付き、サントラ「天地創造 クリエイティブサウンドトラック」にいたっては中古販売で4万円台、オークションの落札で7万円台という値が付いています。31年ぶんの需要が全部そこに向かっている状態です。

現時点で確定しているのは、ティザーに『天地創造』の音とクレジットが入っていることと、配信日だけです。中身がリメイクなのか、移植なのか、それとも別の何かなのかは8月25日の朝までわかりません。早起きするか、起きてから結果を見るかは各自の判断で。

【追記・8月25日】答えは「リマスター」、2027年に全機種で出る

日本時間8月25日の午前3時に配信された Pixel Arcadia の本編で、『天地創造』のリマスター版が正式に発表されました。パブリッシャーは予想どおり Clear River Games です。クインテットの幻の名作が現行機に帰ってくる、という打ち出し方でした。発売は2027年の予定で、対応機種はNintendo Switch / Nintendo Switch 2 / PS4 / PS5 / Xbox Series X|S / Steam / GOGと、いま人が持っている機械はだいたい網羅されています。日本語にも対応予定で、Steam のストアページはもう公開されました。

中身は「フルリメイク」ではなくリマスターで、現代の遊び方に合わせた便利機能が足されるとのこと。ここが具体的に何を指すのかはまだ出ていません。ただ、スクウェア・エニックスからライセンスの許諾を受けたうえで、オリジナル版の開発チームの主要メンバーが制作に加わっているとアナウンスされています。ティザーの時点で最大の懸念だった権利まわりが、ちゃんと片付いた状態で出てきた形です。

音楽は当時の2人、キーアートは藤原カムイの描き下ろし

楽曲のアレンジを担当するのは、オリジナル版の作曲を手がけた小林美代子と曳地正則。そして藤原カムイが新しいキーアートを描いています。ティザーの時に「言えない」とだけ書いていた本人が、今度は絵と一緒に出てきました。

「三十年前、スーパーファミコンで生まれた『天地創造』が、ようやく再び手に取れる日を迎えました」という書き出しで、続けて「コンソールとPC、配信とパッケージ。当時のままではないにせよ、現代の環境で遊べる形で帰ってきたことを、心から嬉しく思います」。添えられている絵は、槍を構えたアークとヨミが空を舞う新規カットです。

反応で目立ったのは、素直に喜ぶ声と同じくらい「三部作の残りもお願いします」の圧でした。『ソウルブレイダー』『ガイア幻想紀』も同じクインテット製で、こちらも現行機では遊べません。実際この日は「ガイア幻想紀」までトレンドに並んでいます。あとは「買った直後にリマスターが発表されるやつだ」という、中古で高いカセットを手に入れたばかりの人の悲鳴。プレミアが付いていた作品なので、ここは笑うに笑えない人が一定数いそうです。

なお海外向けには、8月26日からドイツ・ケルンで開かれる gamescom 2026 に出展される予定です。31年待った続きは、もう少し先の2027年になります。

出典: AUTOMATON(正式発表) / AUTOMATON(ティザー) / Pixel Arcadia 公式サイト / 4Gamer(2021年の署名運動)

広告