「ナイスおじさん」の元ネタは誰?英国の詩人マイケル・ローゼンの詩「Hot Food」
ショート動画の編集で、うまくいった瞬間に目をカッと見開いたおじさんが「ナイス」と言う。あの素材が 「ナイスおじさん」 です。正体はイギリスの詩人マイケル・ローゼンで、元は自作の詩を読み上げる公式の朗読動画でした。
「ナイスおじさん」とは?
ナイスおじさんは、目を見開いて舌を「コッ」と鳴らし、「ナイス」と言うおじさんの動画素材のことです。日本ではTikTokやYouTubeショートで、動画編集の称賛リアクションとして使われています。成功した場面にカットインさせたり、効果音のように「ナイス」だけ鳴らしたりします。
「ナイスおじさん」は日本での呼び名です。英語圏では単に 「Nice」 や、少し崩した 「Noice」 のミームとして知られています。
元ネタ・由来
おじさんの正体は、1946年生まれのイギリスの児童文学作家で詩人、マイケル・ローゼンです。代表作は絵本『きょうはみんなでクマがりだ』(原題 We’re Going on a Bear Hunt)。2007年から2009年まで英国の Children’s Laureate(桂冠児童文学作家)も務めた、本国では有名な人です。著書は200冊以上あります。
ミームの元になったのは、本人の公式チャンネルにある「Hot Food」という詩の朗読動画です。詩集『The Hypnotiser』に入っている作品で、熱い食べ物をめぐる家族の一コマを描いています。動画は63秒で、熱い料理を頬張ったあとに舌を鳴らして「Nice」と言う場面があります。ここが切り取られて素材になりました。
2026年10月28日時点で再生数は約5780万回、高評価は約164万。YouTube上の公開日表示は2008年です。
英語圏での広がり
英語圏では2009年、BBCの子ども向けチャンネル CBeebies で絵本を朗読した映像が YouTube Poop(映像を細切れにして繋ぎ直すネタ動画)の素材になりました。これを皮切りに、ローゼンの朗読動画が次々とネタにされていきます。ローゼン本人は2011年に、YouTube Poop界隈への感謝と「面白い」という反応を出しています。ただし2012年には、公式サイトで子ども向けの詩が卑猥な改変に使われることへの懸念も表明しました。
いまは本人も受け入れているようで、公式サイトの絵本『Hot Food: Nice!』(絵はニール・レイトン)のページには、朗読が「ミームにまでなった」と書かれています。
なお「Noice」という綴り自体は、ローゼンより前からあるスラングです。2013年のコメディ番組 Key & Peele のスケッチにも出てきます。「Noice」はローゼンが発祥、とは言えません。
日本での広がり
日本では2021年11月に、まんぼうさんが海外ミームの解説動画で取り上げています。2023年11月にはTikTokで「#ナイスおじさん」のタグが付いた動画が確認できます。
日本で誰が最初に「ナイスおじさん」と呼び始めたのかは、はっきりした記録が見つかっていません。
使い方・例文
- 「ここでナイスおじさん入れたら編集が締まった」
- 「ノーカットで決まったからナイスおじさんをカットイン」
- 「友達のファインプレーにナイスおじさんのスタンプ送った」
動画編集では、成功の瞬間や、ちょっと褒めたい場面にかぶせるのが定番です。音だけ使う人もいれば、おじさんの顔ごと小窓で出す人もいます。「ナイス」の一言で足りるので、字幕や説明がいらないのも使いやすい理由です。
関連する言葉
動画のオチに音を足すネタなら、Vine Boom が代表格です。ひと言のセリフ素材が広がった例としては fahhh もあります。顔や一瞬の表情が切り取られて素材になる流れは ギガチャド と似ていますし、猫の動画素材を切り貼りして物語を作る 猫ミーム とも近い使われ方です。元の映像や音を組み替えて遊ぶ文化の日本版は 音MAD です。