← ミーム辞典トップへ ネットミーム

「青雲 それは君が見た光」の元ネタは線香のCM、ちいかわとサンドウィッチマン

青雲 それは君が見た光(せいうんそれはきみがみたひかり) ・ 2026年9月16日 公開

「青雲 それは君が見た光」。テレビで一度は聞いたことがあるのに、どこで覚えたのかは人によってバラバラなフレーズです。親世代はお線香のCM、お笑い好きはサンドウィッチマン、野球好きは西武の「青雲弾」、そして若い世代は『ちいかわ』のハチワレから入っています。

「青雲 それは君が見た光」とは?

日本香堂のお線香「青雲」のテレビCMで流れる「青雲のうた」の歌い出しです。仏壇に上げる線香の宣伝なのに、歌詞は光だの希望だのとやたら壮大。この落差がウケて、昔からネットや芸人のネタに引っぱり出されてきました。

ネットでは歌の一節としてだけでなく、「〇〇 それは君が見た光」と主語を入れ替えて使う構文にもなっています。検索候補にも「結婚 それは君が見た光」「朝食 それは君が見た光」のような差し替え版が並んでいます。

元ネタは1981年のお線香のCMソング

線香の「青雲」は1965年9月に発売された、日本香堂の定番ブランドです。2025年に発売60周年を迎えていて、日本香堂の青雲60周年ページでブランドの歩みがまとまっています。

「青雲のうた」がCMに付いたのは1981年5月。青雲の全国展開に合わせて、連凧が空に上がる映像と一緒に流れ始めました。作詞は伊藤アキラ、作曲は森田公一で、最初に歌ったのも森田公一本人です。

歌い手はその後も替わっていて、1990年から尾崎紀世彦、2010年から錦織健、2020年から林家たい平が担当しています。2020年版は山田和樹の指揮で日本フィルハーモニー交響楽団が演奏し、2020年2月3日に杉並公会堂でレコーディングの様子がプレスに公開されました。線香のCMにフルオーケストラ。本気の出し方がちょっとおかしい。

歌詞は著作物なのでここには全文を載せません。続きが気になる人は歌ネットの「青雲のうた」で確認できます。

日本香堂の公式アカウントも、この歌がネタ扱いされているのは承知のうえで乗ってきます。CMソングの日にはこんな投稿をしていました。

2023年10月には、ボタンを押すと「青雲 それは〜君がみた光♪」が流れる「青雲ボイスマスコット」のガチャも発表されました。カプセルトイメーカーのフクヤが作るもので、1回500円・全5種、音源は初代の森田公一版。発表の時点では2024年春ごろから順次出回る予定と案内されていて、日本香堂の公式アカウントも喜んで反応しています。お線香のCMソングがガチャになるのを本家が歓迎しているあたり、公式もかなりノリがいい。

2ch、サンドウィッチマン、西武と続いたネタの系譜

2chのコナン「これは青雲」

2000年代の2ちゃんねるには、すでに『名探偵コナン』と青雲を組み合わせたネタがありました。コナンの「ペロッ…これは青酸カリ!」をもじって「ペロ・・・これは青雲」と始め、スレの住人が歌の続きをつないでいくものです。コナンの推理シーンで後ろに出る線は実は青雲、といった悪ノリのレスも付いていました。2007年11月26日付の書き込みを転載したブログが残っているので、少なくともその頃には出回っていたことになります。いつ誰が最初に言ったのかは、はっきりしていません。

サンドウィッチマンの結婚式スピーチ

お笑い好きにとっての入口は、サンドウィッチマンのネタ「結婚式のスピーチ」です。2007年のライブ「新宿与太郎哀歌」に収録されたネタとして紹介されています。

富澤たけしが「結婚、それは…」とそれらしくスピーチを始めると、中身がだんだん青雲のうたの歌詞そのものになっていき、途中で青雲だと気づいた伊達みきおがツッコむ、という流れのネタとして紹介されています。検索候補に出る「結婚 それは君が見た光」は、このネタを覚えている人が打っているものとみられます。

西武ライオンズの「青雲弾」

2020年には野球でも広まりました。西武ライオンズの山川穂高のいたずらで、川越誠司の登場曲がゴジラのテーマから「青雲のうた」に差し替えられます。その曲が初めて流れた2020年6月9日の練習試合で川越がホームランを打ち、そのまま登場曲として定着しました。

以来、川越のホームランは「青雲弾」と呼ばれるように。7月23日のロッテ戦で打ったプロ初本塁打には日本香堂の公式アカウントがお祝いを送り、Full-Countの記事でも線香メーカーと野球選手の異色の交流として取り上げられました。

ちいかわでハチワレが歌って若い世代にも広まった

いま10代〜20代でこのフレーズを知っている人は、たぶん『ちいかわ』経由です。2021年12月2日、作者のナガノさんが投稿した回で、ハチワレが「最近…好きな歌あるんだァ」と言い出します。ただし「歌詞…うろ覚えだけど…」と前置きしたうえで歌うのは「ララララ〜 ルルラ〜 ルラ ひかり〜」。覚えているのは「ひかり」と「きぼお」くらいです。

翌12月3日の続きでは、「音楽のトコ」のスピーカーから本物が流れてきてハチワレが「アッ」と反応。「これッこれッきいてッ」とはしゃいで、ちいかわと一緒に続きを歌い、最後は「なんか…ジ〜ンとするよね」としみじみしています。この回はいいねが10万を超えました。

ハチワレの「あの歌のタイトル出てこないけどメロディは知ってる」感じは、CMソングを聞いて育った人ならだいたい身に覚えがあるはずです。

この話は2024年9月3日放送のアニメ『ちいかわ』第199話「青雲」にもなりました。挿入歌はトクマルシューゴが編曲し、櫻井真一が歌った新録版です。放送後はTogetterの記事にまとまっているように「マジ青雲で草www」「ちいかわで青雲聴けると思わんやん」といった声が上がり、日本香堂の公式アカウントも「ハチワレちゃんが一生懸命歌ってくれた✨ 嬉しすぎて、何度も再生・・・」と反応しています。

その縁で、2025年5月には日本香堂から「お香 ちいかわ 青雲 45本入」も発売されました。再販や予約の状況は、ちいかわ青雲のお香の記事にまとめています。

なぜ40年以上もネタにされ続けるのか

理由はわりと単純で、まず短い歌が何十年も同じ形で放送され続けていることです。歌い手が替わっても曲はそのままなので、親子で同じメロディを知っています。

次に、線香の渋さと歌詞の壮大さのギャップ。仏壇の前で「君が見た光」と歌われる落差は、それだけでちょっと笑えます。そのうえ「青雲 それは〜」の形は主語を差し替えやすく、結婚でも朝ごはんでも好きなものを入れて遊べます。

あとは入口が世代ごとに違うことです。2ch、サンドウィッチマン、プロ野球、ちいかわと、ネタにする場所が移るたびに新しい人が歌を覚えていきました。

使い方・例文

歌い出しをそのまま口ずさむ使い方と、主語を差し替える構文の2通りがあります。

  • 「実家の仏壇の匂い嗅いだら脳内で青雲 それは君が見た光が流れ始めた」
  • 「給料日 それは君が見た光」(バイト代が振り込まれた日のポストに)
  • 「ハチワレがうろ覚えで歌ってた歌、青雲のCMだったのか」

もっともらしいスピーチを始めた友達に「それ青雲じゃん」とツッコむのも、サンドウィッチマンのネタを知っている相手なら通じます。

関連する言葉

同じ『ちいかわ』発のフレーズなら、ハチワレの口癖から広まったちいかわ構文や、映画の劇中歌がざわついた檻に入れてなんかずっと暗いとこがあります。2chのコナンネタのように、掲示板で生まれたネタが貼り回されて広まる流れはコピペの項でも触れています。

広告