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「ヘリコプターで分かるゲーム会社」の4枚、カプコン製ヘリはWikipediaに項目まである

2026年8月29日 ・ トレンド「ヘリコプターで分かるゲーム会社」より

ヘリコプター1機の描かれ方だけで、どのゲーム会社の作品かが当てられる。そんな図解イラストが伸びています。描いたのは明太マヨ(@mentai_mayo107)さん。8月28日20時27分の投稿で、翌29日夜の時点でいいねが46,992、リプライが185件付いていました。

画像の見出しは「ゲーム会社紹介」。4つのパネルに任天堂・コナミ・カプコン・フロム・ソフトウェアが並び、それぞれのヘリが1機ずつ描かれています。面白いのは、4枚とも作者の思いつきではなく、実際のゲーム内の描写やネットで定着したイメージをなぞっているところです。1枚ずつ元をたどってみます。

ヨッシーは本当にヘリコプターになる

左上のパネルは、緑の体に赤い鼻のヨッシーが、頭から水色のローターを生やして脚で浮いている絵です。キャプションは「任天堂 ヨッシーヘリコプター かわいいヘリ。」。他の3社が機械のヘリを出しているなか、任天堂だけキャラ本人がヘリになっています。

これがちゃんと元ネタありです。ヨッシーには「モーフィング」という変身の仕掛けがあり、ヘリコプターのほかにモグラタンク、きかんしゃ、くるま、せんすいかんの5つに姿を変えられます。ヘリコプターは実際に空を飛べて、十字ボタンで上下と前後に動かせる操作になっていました。乗り物を出すのではなく主人公が乗り物そのものになるあたりが、たしかに任天堂らしい。

ちなみに任天堂のキャラは現実側でも再現されがちで、玄関の天井にバナナを吊るしてドンキーコングのステージを作った動画も13万いいねを超えています。

コナミのヘリが「温かい実家」扱いされる理由

右上は濃い緑の軍用輸送ヘリ。側面のドアが開いていて、そこに白い犬が座って前を向いています。キャプションは「コナミ ピークォド 温かい実家。」。

ピークォドは『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』でスネークが使う支援ヘリのコールサインで、機体の正式名は UTH-66 BLACKFOOT です。任務のたびに現場まで運んでくれて、終わればまた迎えに来る。実家と言われるのはその往復だけが理由ではなくて、PC版では音楽をインポートできる機能を使って、脱出時のヘリで自分の好きな曲を鳴らす遊びが流行りました。撤収シーンのBGMを自分で決められるので、これがやたら気持ちよかったわけです。

ドアに座っている白い犬も、MGSVでバディとして連れて行けるD-Dogとみられます。拡大すると片目のまわりだけ黒く塗られていて、これがD-Dogの目印です。スネークがミッション中に回収し、オセロットが育てた犬で、エピソード10まで進めたあとにマザーベースからヘリを呼ぶと相棒として使えるようになります。曲がかかって犬が乗っている乗り物は、たしかに帰る場所の顔をしている。

「カプコン製ヘリ」はWikipediaに項目がある

左下は、胴体からいくつも爆炎を上げて墜落しかけている軍用ヘリ。キャプションは「カプコン カプコン製のヘリ 約束された未来。」で、4枚のなかでいちばん説明がいらない1枚かもしれません。

この「カプコン製ヘリ」という呼び方には、Wikipediaに独立した項目があります。同社のゲームに出てくるヘリはよく墜落する、というイメージが定着したインターネット・ミームで、項目には具体例も並んでいます。『バイオハザード0』ではS.T.A.R.S.ブラヴォーチームのヘリがエンジントラブルで不時着して大破、『2』ではゾンビに襲われた警察官がサブマシンガンで操縦士を誤射して落とし、『3』と『4』はロケットランチャーで撃墜。『6』にいたっては4人の主人公それぞれのエピソードで全部ヘリが落ちます。

大事なのは、これがファンだけで回しているイジりではないところです。2022年9月、バイオハザードの公式アカウントが「バイオハザードのヘリコプターは99%墜落する」という情報は誤りだと注意を呼びかけ、最新作の『ヴィレッジ』時点でも墜落しなかったヘリは多数あると投稿しました。結果として「落ちとるやろがい!」というツッコミが相次いだ、とねとらぼが報じています。このときDead by Daylight公式から、そろそろモンハンからアイテム枠として採用されそうですね、という横やりが入り、バイオ公式がうちのヘリも頑張っているので大タル爆弾扱いはやめてほしい、と返す流れまでありました。

さらに2024年4月1日には、カプコンが航空事業に参入するというエイプリルフール企画を出しています。これまでのノウハウを活かして快適な空の移動を届ける、という言い回しで、自社のヘリが落ちるネタを会社の側から拾いにいった格好です。パネルの「約束された未来」は、メーカーも一緒になって育ててきた共通言語ということになります。カプコンはこの手の自己言及がうまくて、ドン・キホーテとの『ストリートファイター6』コラボでもコマンド表記をそのままTシャツの柄にしていました。

フロムの1枚だけ小さい字の長文が付いている

右下は黒い巨大な武装ヘリが、赤いレーザーサイトのような線を1本引きながらこちらを向いている絵。キャプションは「フロム・ソフトウェア 惑星封鎖機構大型武装ヘリ」で、ここまでは他と同じです。

問題はその下。このパネルにだけ、小さい字でびっしり文章が入っています。

最初のボスは倒しやすい、最初のボスは小手調べ。嘘を言うなっ!!破壊の跡に棲みついた支配と暴力。悪徳と野心、退廃と混沌とをコンクリートミキサーにかけてぶちまけたここはフロムの世界。ありとあらゆる新規プレイヤーを叩いて潰す。全てのプレイヤーへと進み、押し潰し、粉砕する。そしてふるいにかけられた人々はみなこう言う。「フロムゲーが始まった」

このヘリは『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』チャプター1のミッション「密航」に出てくるボスで、日本語名が惑星封鎖機構大型武装ヘリ、型番は AH12: HC HELICOPTER です。序盤も序盤に置かれているのにここで止まった人が多く、ファミ通が単独の攻略記事を出しているほど。チュートリアルの直後に無理ゲーを置いてくるのがフロムだよね、という共通認識がこの1枚に詰まっています。

そしてこの長文、『装甲騎兵ボトムズ』の次回予告ナレーションのパロディとみられます。原文にも、コンクリートミキサーにかけてぶちまけたという同じ言い回しで街を紹介する一節が出てきます。他の3社が3行のキャプションで済んでいるのに、フロムだけ文章量で殴ってくる。ヘリ1機の紹介で情報量が明らかにおかしいこと自体が、そのままフロムらしさの再現になっています。

4枚を並べてみると、ヘリという同じ被写体でも会社ごとに扱いがきれいに割れているのが分かります。任天堂はキャラをそのまま乗り物に変え、コナミは移動手段に居心地を持たせ、カプコンとフロムはそれぞれ別の意味でプレイヤーの記憶に刻んできました。自分が長く遊んだメーカーのパネルほど、説明なしで刺さるはずです。5枚目を足すならどこのヘリを描くか、考え出すと意外と止まらなくなります。

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