「あっち見て」で本当にあっちを見る猫が話題 実は犬より難しい“指さし”のなぜ
「ちょっと、あれ見て」と指を差す。人間同士なら当たり前に通じるこの動作、猫にはなかなか伝わらないらしい。そんな話をくつがえすような黒猫が話題になっています。飼い主さんが廊下の先を指さして「あっち見て」と言うと、ちゃんと指した方向を見てくれるのだそうです。
ジェスチャーがやたら通じる黒猫「ろん」
投稿したのは漫画家のAKRさん。「ジェスチャーがかなり通じるタイプのねこ、ろんさん」というひと言とともに、まんまるの目でこちらを見上げる黒猫の写真をアップしました。手招きすれば来るし、指を差せばその先を見る。言葉が分からないはずの猫と、なんだか会話が成立しているような不思議な光景です。
この投稿にはもう一つ続きがあって、話の発端は同居しているもう1匹の猫「みたらし」でした。
みたらしに「あっち見て!」と廊下の先を指さすと、飼い主さんの顔と指そのものを見比べて「🐱❓」という顔をするだけ。以前「猫は指をさしても“指した先のものを見て”という意味だとは思わないんだよ」と教わったのを思い出した、という話です。ところが同じ家のろんは、指した先を普通に見てくれる。「逆にキミは何なの…?」というツッコミに、猫飼いから「うちのも指先しか見ない」「ろん賢すぎる」と反応が集まりました。
「指さしが分かる」って、実はけっこうすごい
指さした方向を理解する能力は、動物の世界では意外とハードルが高いものです。動物行動の研究では、犬はほぼすべての試行で人の指さしを見て正しい方の容器を選べるのに対し、猫は指を差されても反応しないことが多い、という結果が報告されています。
一方で、近い距離で指を差した場合は猫も70%以上の正答率を出したという研究もあり、「猫はまったく分からない」というより「やる気と条件次第でできる子もいる」というのが実際のところのようです。ろんは、そのできる側の猫だったわけですね。
この差はどこから来るのか。よく指摘されるのが、進化の背景の違いです。犬の祖先であるオオカミは群れで協力して狩りをしてきたので、仲間の動きや視線を読む力が発達しました。対して猫の祖先であるリビアヤマネコは、半乾燥地帯で単独で狩りをする暮らし。誰かと連携する必要がなかったぶん、人の合図を「自分へのメッセージ」として読む動機が薄いと考えられています。みたらしが指先ばかり見てしまうのは、猫としてはむしろ自然な反応なんですね。
「うちの子もやる」の声が続々
リプライには、指さしをめぐる猫あるあるがずらりと並びました。「指を差すと指先のニオイを嗅ぎに来る」「猫パンチしてくる」「無視して二度寝する」など、伝わらない側のエピソードが多数。そんな中で「ろんみたいに通じる子は本当にレア」と、賢さをうらやむ声も目立ちました。
ちなみに、猫が差し出された指のニオイを嗅ぐのは、あいさつ代わりに相手の情報を確かめる意味もあるとされています。「あっちを見て」が伝わらなくても、それはそれで猫なりのコミュニケーション。伝わる子も伝わらない子も、どっちもかわいいという結論に落ち着くのが猫飼いの日常なのでした。
指さしが通じるかどうか、気になった人はおうちの猫でそっと試してみてください。じっと指先を見つめられても、それが猫として正しい反応なので、がっかりしないであげてくださいね。