ポケモン「ローカルActs物産展」が長崎へ、デンリュウ起用は灯台が理由
ポケモン公式が9月17日の昼、巡回展「ポケモンローカルActs物産展」を長崎県で開くと発表した。会期は2026年12月25日から2027年1月17日まで。投稿は半日で1,000いいねを超えた。
告知そのものは短いが、公式の特設サイトまで見にいくと面白い情報がいくつか落ちている。会場がこれまでと毛色の違う施設だったり、活動そのものが無償で回っていたり。長崎の推しポケモンが「デンリュウ」に決まった理由も、ちゃんと書いてある。
長崎会場は年末年始をまたぐ、シリーズ最長の会期
まず基本情報から。
公式に載っている過去の会場を数えると、長崎は9カ所目にあたる。そして会期の長さが目立つ。これまでの会場はだいたい11日から19日で、いちばん長い香川(高松三越)でも3月26日から4月13日までの19日間だった。長崎は12月25日から1月17日までで、クリスマスから成人の日あたりまで走り続ける計算になる。
冬休みと年末年始の帰省シーズンをまるごと抱え込む日程なので、県外に出ている人が実家に帰るタイミングでも寄れる。九州のポケモン好きにとっては、年末の予定に入れやすい会期だと思う。
百貨店を回ってきた物産展が、長崎だけスタジアム
この物産展、公式の説明では「ポケモンローカルActsを展開している地域の百貨店と連携した」企画とされている。実際、これまでの会場は全部が地元の百貨店だ。
- 宮城 = 藤崎(2025年4月24日〜5月6日)
- 福井 = 西武福井店(2025年8月7日〜17日)
- 宮崎 = 宮崎山形屋(2025年12月26日〜2026年1月12日)
- 香川 = 高松三越(2026年3月26日〜4月13日)
- 福島 = うすい百貨店(2026年4月24日〜5月6日)
- 鳥取 = 丸由百貨店(2026年7月30日〜8月11日)
- 三重 = 松菱(2026年8月19日〜31日)
- 岩手 = パルクアベニュー・カワトク(2026年9月19日〜30日)
老舗の地方百貨店がずらりと並ぶなかで、長崎だけが長崎スタジアムシティ。サッカーのV・ファーレン長崎とバスケットボールの長崎ヴェルカが本拠地にしている複合施設で、サッカースタジアムとアリーナに、ホテルと商業施設とオフィスがくっついている。JR長崎駅から徒歩10分、ピッチと客席の距離は5メートルで日本一、客室からピッチが見えるホテルは日本初、と公式が並べているタイプの施設だ。
百貨店の催事場で物産展をやるのと、スタジアムの商業エリアでやるのとでは、通りかかる客層がまるで変わる。試合がある日に当たれば、サポーターがそのまま流れ込んでくる。スタジアムシティ側もすでにイベント欄に物産展を載せていて、会場は商業棟「NORTH」の2階と案内されている。
デンリュウが長崎の推しポケモンになった理由は「灯台」
物産展の主役は、その土地の推しポケモンだ。長崎は2024年6月に、デンリュウが「ながさき未来応援ポケモン」に任命されている。
なぜデンリュウなのか。ポケモン公式の長崎のローカルActs紹介ページにはっきり書いてある。長崎は入り組んだ海岸線と大小の島を抱えていて、灯台の数が日本有数。そしてデンリュウは分類が「ライトポケモン」で、しっぽの先の光ははるか遠くまで届くとされる。図鑑の説明文も「暗くなると 眩しく 輝く 尻尾の 灯りは 遠く 離れた 海の上からでも 見つけられる。」。つまり灯台そのものみたいなポケモンだから長崎、という理屈だ。
ダメ押しがもうひとつあって、長崎で広く歌われている童歌「でんでらりゅうば」に「でん」と「りゅう」が入っている。灯台と語呂の二段構えで持ってきているあたり、選定した人はかなり粘ったのだと思う。
長崎側の動きも止まっていない。デンリュウが描かれたマンホール「ポケふた」は、2026年6月28日のお披露目式で諫早市・対馬市・五島市・西海市・波佐見町の5市町に新しく据えられ、県内15市町にそろった。コラボ商品も長崎びわ茶のティーバッグ、波佐見焼のレリーフ型小皿、金蝶ソース、マドレーヌと増えている。専用サイトのデンリュウびびっと!アイランドin長崎県を見ると、物産展の決定は発表と同じ日に新着として出ていた。
ポケモンの使用料は無償
ここがいちばん「へぇ」だった部分。公式サイトには注記として、こう書かれている。
「※ポケモンローカルActsの活動におけるポケモンの使用料は無償です。」
同じ文言はローカルActsの本体サイトにもある。ポケモンほどのIPを自治体が観光PRに使うとなれば、普通は使用料の話が出るはずのところを、株式会社ポケモン側が取らない形にしているわけだ。自治体が払うのはグッズの製造や催事の費用で、キャラクターの利用そのものには料金が発生しない。
この座組みで2018年4月から続いていて、今では北海道・岩手・宮城・福島・福井・三重・鳥取・香川・高知・長崎・宮崎・沖縄の12道県に推しポケモンがいる。ラプラス(宮城)、ラッキー(福島)、カイリュー(福井)、ミジュマル(三重)、サンドとアローラサンド(鳥取)、ヤドン(香川)、ヌオー(高知)、ナッシー(宮崎)、ガーディ(沖縄)という具合で、県の売り出したいものとポケモンの特徴を引っかけた人選になっている。うどん県の担当がヤドンなのは、もはや説明不要だろう。
グッズは紙袋まで売り物、グリーティングは当日抽選
長崎のラインナップはまだ出ていないが、今週土曜から始まる岩手会場の商品ページを見ると、だいたいの勝手は分かる。
推しポケモンが集合したアクリルスタンド大が1,760円、Tシャツが3,850円、リバーシブルバケットハットが4,400円、クリアファイルが440円。面白いのはショッパー、つまり紙袋が単体商品として売られていることで、Sが500円、Mが770円、Lが990円。物産展の紙袋が検索されるくらいには欲しがられているらしい。
細かいところでは、アクリルスタンド大は各県1,760円で統一されているのに、鳥取のサンド&アローラサンドだけ1,925円。2匹セットなので少し高い、という値付けになっている。
推しポケモンのグリーティングは、岩手会場では当日抽選制。抽選券を1日2回配って、各回最大35組が参加でき、1組は最大4名まで。撮影は原則スタッフが行い、1組につき1台のカメラかスマホで2〜3ショット。長崎会場のグリーティング内容と商品の詳細は「続報をお楽しみに」の段階なので、デンリュウが会場に立つかどうかも含めて、これから発表されることになる。
長崎までは年末までまだ間があるが、その前に岩手のカワトクが9月19日から動き出す。イシツブテの地元がどうなるかを見ておくと、12月の長崎がどんな絵になるかも想像しやすい。