「目のドナーが決まったよ」とは?意味・元ネタ候補(ブロスタ韓国公式のTikTok)と流行の理由を解説
TikTokを開いていると、見慣れたキャラの目が1つになっている動画が流れてくる。そこに乗るテロップが「目のドナーが決まったよ」です。2026年6月ごろから日本で一気に増えて、鬼滅の刃や呪術廻戦のキャラ、モンスターズ・インクのマイクとサリー、なんなら柴犬まで巻き込みながら量産されました。
言葉自体は聞けば意味が分かるのに、なぜそれが流行っているのかは説明を聞かないと分からない。当時の検索の伸び方も、だいたいその戸惑いが原因でした。
「目のドナー」とは?
二つ目のキャラクターを、画像や動画の加工で一つ目に変える。そして「目のドナーが決まったよ」「目のドナーが見つかった」といったテロップを添えて、目が1つになった理由を「誰かに片方あげた」ことにする。この型そのものを指す言い方が「目のドナー」です。
ドナーは臓器提供者のことなので、字面としては「目をあげる人が決まった」になります。実際の献眼や角膜移植の話ではなく、あくまで画像加工のオチとして名前だけ借りている言い回しです。
面白がられているポイントは、加工そのものよりも設定の雑さのほうにあります。目が1つ減っている理由を提供という一言で片づけるので、シリアスな顔をしたキャラほど落差が出る。呪術廻戦の漏瑚のように元から一つ目のキャラを持ってくると、逆に「もらった側」として成立するのも、この型が伸びた理由のひとつです。
表記はきれいに固まっていません。「目のドナーが決まったよ」が一番よく見る形ですが、「目のドナーが見つかったよ」「片目のドナーが無事見つかった」「顔のドナー」まで、投稿ごとに揺れています。決まった台本があるわけではなく、加工とテロップの組み合わせだけが共通している状態です。
元ネタ・由来
日本で「目のドナー」の本家として挙げられているのが、モバイルゲーム『ブロールスターズ』(ブロスタ)の韓国公式アカウントが投稿したTikTok動画です。投稿は2026年3月9日。
キャプションは「래리와 로리의 가슴 아픈 사연… 😢 근데 이거 수술 누가 했나요? 🤔」で、訳すと「ラリーとローリーの胸が痛む話…。でもこの手術、誰がやったんですか?」。日本版で「ラリー&ローリー」と表記される双子のキャラが題材で、サムネイルには涙目の弟ラリーと「형아!!!!(兄ちゃん!!!!)」のテロップが出ています。投稿者はSupercellのブロールスターズ韓国公式なので、公式が自分のキャラでこのネタをやったことになります。
数字も伸びていて、2026年9月3日時点で再生58万3千回、いいね5万8700件、シェア1万3700件、コメント1202件。シェアがいいねの2割超という比率は、内輪で笑って終わるより「これ見て」と回された動画に出る形です。
ただしこの動画が日本の流行の直接の起点だと確定しているわけではありません。根拠になっているのは、日本での拡散より3か月早いという時系列と、キャプションの内容が日本で作られている動画の型と一致することの2点だけです。日本語で最初に「目のドナー」と呼び始めた投稿については、確定的な記録が残っていません。ニコニコ大百科にも項目が立っておらず、由来をまとめた資料自体が2026年9月時点でほとんど無いのが実情です。
日本で広まったのは2026年6月
日本のTikTokでこの型が増えたのは2026年6月です。6月9日に呪術廻戦のタグを付けた投稿が出て、12日には「顔のドナー…」としてにゃんこ大戦争のキャラで作られ、16日には「片目のドナーが無事見つかった先輩」という別バリエーションが流れています。27日には漏瑚を使った投稿が上がりました。半月ちょっとで、対象のジャンルがゲームからアニメ、動物まで広がっています。
流行の速さが分かるのが、Yahoo!知恵袋に立った質問です。6月13日の深夜1時に「最近Tiktokで流行ってる目のドナーが見つかったよの本家知りたいです!」という質問が投稿され、15日に付いたベストアンサーが先ほどのブロスタ韓国公式の動画を挙げています。流行が始まってから数日で「本家どこ?」と聞かれるくらいには広まっていた、ということです。
日本での付き方として特徴的なのが「#片目界隈」というタグです。同じ趣味や作風で集まった人たちのまとまりを指す界隈がここでも使われていて、キャラを一つ目に加工する人たちのゆるい集団として機能していました。ネットミームは名前が付くと拡散が速くなりますが、この語の場合はタグのほうが先に整理された形です。
やっていること自体は、画像を加工して笑いを取るクソコラの系譜にあります。違うのは、加工の手数が「目を1つ消す」だけに固定されている点で、ネタを思いつく必要がないぶん誰でも参加できる。ひとつのテンプレに好きなキャラを流し込んで量産していく作られ方は、格付けミームのような穴埋め型のミームとよく似ています。
意味らしい意味が無いまま短い動画が流れ続ける感じは、ブレインロットと呼ばれる状態そのものです。1本見ても何も残らないのに、次の動画で別のキャラが同じ目に遭っているとつい見てしまう。
使い方・例文
- 「推しの目のドナーが決まったよ、って回ってきて震えた」
- 「マイクとサリーの目のドナー動画、発想が雑すぎて笑った」
- 「寝不足で片目つぶってたら友達に目のドナー?って言われた」
会話で使う場面はそこまで多くありません。基本は動画のテロップとして使う言葉で、日常会話に持ち込むときは「片目をつぶっている人」「隈がひどい人」をいじる軽口になります。ドナーという語が絡むので、実際に目の病気や手術の話をしている人に向けて使うのはやめておいたほうがいいです。
関連する言葉
ネットのキャラ加工ネタの土台としてはクソコラ、テンプレに当てはめて量産する型としては格付けミームが近い位置にいます。TikTokやYouTubeショートで意味の薄い動画を見続ける状態を指すブレインロットも、この手のミームを語るときによく出てくる言葉です。タグの「#片目界隈」に付いている界隈は、ネット上のゆるい集団を指す使い方が定着しています。
素材にされた作品側の話としては、呪術廻戦は第4期「死滅回游 後編」のスーパーティザービジュアルが公開されたところです。ネットミームがどこまで共通言語になっているかを試す遊びとしては、「ぬるぽ」に「ガッ」で返すミームかるたも面白い試みでした。