「パーティーパロット」とは?元ネタはBBCが撮ったカカポの求愛動画
虹色に色を変えながら、ノリノリで首を振るオウム。あのGIFの正体は、ニュージーランドに実在する飛べないオウム「カカポ」の、あるテレビ番組の1場面です。
「Party Parrot」とは?
「Party Parrot(パーティーパロット)」は、虹色に色が変わりながら左右に揺れるオウムのGIFアニメです。ドット絵っぽい小さな画像で、Slackやチャットのリアクション絵文字として世界中で使われています。
海外ではそのまま「パーティーしようぜ」の合図です。日本ではそれに加えて、黒板の前にオウムたちが並んでしゃべる解説動画の主役としても知られています。
元ネタはBBCのカカポの映像
モデルになったのは、2009年9月29日にBBC公式のYouTubeチャンネルへ上がった『Last Chance to See』の1場面です。
出てくるのはカカポのオス「シロッコ」で、動物学者のマーク・カーワーディンさんの頭に乗ってきます。シロッコは学者を相手だと思い込んで、求愛の動きを始めてしまいました。司会のスティーヴン・フライさんが、笑いながら、希少なオウムに求愛されていて、君をメスだと思っているんだと実況します。
動きがいちばん分かりやすいのは1分20秒あたりです。
この動画は、確認した時点で3,000万回以上再生されています。
シロッコはどんなカカポか
カカポは、ニュージーランドにだけいる飛べないオウムです。夜行性で、世界でいちばん重いオウムとして知られます。
シロッコは1997年3月23日にコッドフィッシュ島で生まれました。生後3週間ほどで呼吸器の病気にかかり、自然保護局(DOC)のレンジャーに人の手で育てられた個体です。そのせいで人間を仲間だと思って育ち、学者の頭に乗ってきたわけです。
2010年1月には、ニュージーランド政府から「保全活動の公式スポークスバード」に任命されました。DOCは、こうした任命は世界初とみています。
カカポは絶滅の危機にあり、DOCの公式ページによると現存数は325羽です。
Slackの絵文字として世界に広まる
動画のオウムがGIFになった経緯は、残念ながらはっきりしていません。最初に作った人も初出の年も、Know Your Memeにすら載っていません。
はっきり分かっているのは、2016年1月にSlack向けのGIFサイト「Cult of the Party Parrot」ができたことです。同じ年のうちに、Redditのコミュニティ(6月)、Chrome拡張(7月)、絵文字キーボードアプリ(11月)が次々に生まれました。
サイトの合言葉は「PARTY OR DIE」で、絶滅を心配する意味も込められているとされます。サイトにはカカポ保護への寄付リンクもあり、Cult of the Party Parrot から見られます。ノリで広まったミームなのに、元ネタの鳥への目配りがちゃんとあるのは珍しいところです。
日本では黒板の前の「授業」の型に
日本のParty Parrotは、2018年9月にハッシュタグ付きで動画を定期投稿するアカウントが始動したところから広がったとされます。2020年4月11日にその動画がバズり、いいねは2万8,000を超えました。
続いて2020年4月16日、ネッコさんが、黒板の前でParty Parrotたちが授業をする動画を投稿します。角帽の先生役と、生徒役のオウムが出てくる型で、いいねは5万を超えました。
この投稿のあと、似た動画が一気に増えます。ニコニコ大百科によると、「最後に下ネタへつなげる鳥」というイメージが日本で広まったのもこのころです。
YouTubeでは、次のような動画が定着の例として挙げられます。
- 「Night of Fireを聞くだけで回るようになってしまったParty Parrot達」(2020年5月、約194万回)
- ネッコさんの「たのしいあいさつ」(2020年4月、約83万回)
最近は、数学解説チャンネルのMath-Rakuが「【party parrot】」シリーズを出しています。「歴代数学者の最狂名言たちを紹介」(2023年9月)は約41万回再生されました。「パーティーパロット 数学」と検索されるのは、このあたりの動画が理由と読めます。
使い方・例文
- Slackで
:partyparrot:を送って、デプロイ成功をみんなで祝う - 「金曜の定時前、気分はもうパーティーパロット」
- 「テスト終わった、今日から回り続けるパーティーパロット」
- 解説動画の登場人物として、先生役や生徒役のオウムを並べる
関連する言葉
同じように虹色のGIFで広まったNyan Catとは、ネットの動くドット絵ミームの先輩後輩の関係です。口をパクパクさせるPop Catや、回り続けるoiia猫も、短いループで見せる動物ミームとして並べて語られます。
動物を主役にしたミームの流れは猫ミームにもつながっています。リアクションとして気軽に使う点では絵文字の仲間でもあります。