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「誘ってんじゃん」とは?意味・元ネタ(森脇良太)を解説

誘ってんじゃん(さそってんじゃん)(さそってんじゃん) ・ 2026年8月27日 公開

サッカーの試合中に、選手が副審へ食い下がりながら言った一言。それが12年たった今も擦られ続けて、本人のYouTubeチャンネル名にまでなっています。「誘ってんじゃん」の話です。

「誘ってんじゃん」とは?

2014年、Jリーグの試合中に浦和レッズの森脇良太選手が副審へ向けて放った抗議の言葉です。フルで書くと「誘ってんじゃん!分かる!?分かる!?」。

意味はサッカーの文脈そのままで、「相手がわざと体を当てさせにきている、つまりファウルを誘っている」という訴えです。続く「わかる!?」は副審への呼びかけで、「見てましたよね、わかりますよね」と同意を求めるニュアンスになります。

このフレーズが残った理由は、たぶん言い方にあります。怒鳴りつけて終わりではなく、必死に確認を取りにいこうとする。その声がそのまま音声に乗ってしまったので、何度も見返される場面になりました。

ネット上では、相手の挑発に乗ってしまったときのツッコミとして貼られることもある語です。

元ネタは2014年9月7日、ナビスコカップ準々決勝

舞台は2014年9月7日、埼玉スタジアム2002で行われたヤマザキナビスコカップ準々決勝第2戦、浦和レッズ対サンフレッチェ広島です。スコアは2-2。浦和は阿部勇樹が34分、槙野智章が71分に決め、広島は野津田岳人が39分、佐藤寿人が48分に返しています。

問題の場面は後半アディショナルタイム。コーナーフラッグ付近でボールをキープする広島の髙萩洋次郎選手に、森脇選手がチャージを仕掛けて倒してしまい、ファウルを取られます。そこで副審に向かって出たのが「誘ってんじゃん!分かる!?分かる!?」でした。

ここでタネ明かしなんですが、ピッチ上の選手の声が中継に乗ることは普通ありません。この一言が全国に届いたのは、コーナーフラッグ付近に立っていた集音マイクが声を拾ったからです。試合の音を臨場感たっぷりに届けるための機材が、たまたま抗議の最前線にあった、とFootball Tribeが伝えています。数メートル位置がずれていたら、このフレーズはこの世に存在していません。

その後、本人がDAZNの番組で誕生の裏側を語っています。

面白いのは、ネタにしている側の顔ぶれです。2020年には元チームメイトの槙野智章選手がInstagramでこの場面に実況を付けて遊び、宇佐美貴史選手が「最近で1番笑った。笑」とコメントを寄せました。森脇・髙萩・槙野の3人はいずれもサンフレッチェ広島の下部組織の出身で、森脇と槙野は浦和でもチームメイトでした。身内にいじられるところまで含めて、このフレーズの居心地が決まっていった感じがあります。

なぜ12年たっても生きているのか

いちばん効いたのは、本人がこれを自分の看板にしたことです。森脇選手のYouTubeチャンネルは名前がそのまま森脇良太の誘ってんじゃんTV。登録者は2万人ほどで、投稿数は220本を超えています。いじられて仕方なく受け入れたのではなく、先に自分で使ってしまった形です。

だから周りも気兼ねなく使えます。2024年9月に現役引退を発表したあと、Jリーグ公式チャンネルはホームラストゲームの動画を「【涙を誘ってんじゃん!】」というタイトルで公開しました。リーグの公式が選手の代名詞で言葉遊びをするという、なかなかの距離感です。

ちなみにJリーグ公式のこういうノリは通常運転で、2026年には全60クラブにパートナーポケモンを割り当てる企画もやっています。

そして2026年8月26日には、モンストがブルーロックとのコラボCMで本人出演の再現をやりました。当時の細部まで作り込まれているので、中身はモンスト×ブルーロックのCMの記事にまとめてあります。ブルーロック側は実写映画の絵心甚八の再現度でも話題になっていたので、再現の当たり年だったとも言えます。

12年前の切り抜きが、公式CMの企画として戻ってくる。ネットに残るというのはこういうことかと思わされます。

使い方・例文

一般の文脈での決まった用法があるわけではなく、実際は「元ネタを知っている人同士で貼り合う」使われかたが中心です。そのうえで、よく見る形はこのあたり。

  • 相手の挑発に乗って言い返してしまったとき。「誘ってんじゃん!わかる!?」
  • 限定商品や増量キャンペーンにやられたとき。「この値段で大盛り無料は誘ってんじゃん」
  • 友達のボケに全力で乗ってしまったあとの言い訳として。「今のは誘ってんじゃん、わかる!?」

ポイントは「わかる!?」までセットで言うこと。ここまで付けて初めて、あの必死な確認のトーンが再現されます。

なお、検索サジェストには「誘ってんじゃん なんJ」が並びます。掲示板でもそれなりの回数、擦られてきた語ということです。

関連する言葉

スポーツの現場で出た一言がネットの共通語になる例としては、あきらめたらそこで試合終了だよが代表格です。こちらは漫画のセリフですが、勝負の場から出てきた言葉が日常のツッコミに転用される流れは同じ。

野球まわりで言えばなんJ(なんでも実況J)がスポーツ発ミームの巨大な生産地で、猛虎弁(もうこべん)のように文体ごと定着したものもあります。試合の一場面が切り抜きとして切り出され、元の競技を知らない人にまで届くというのが、この手の言葉に共通する広がりかたです。

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