← ミーム辞典トップへ ネットミーム

「さてこのへんで一発音楽でもいってみようか。」とは?元ネタ(ドラえもん百科)と使い方を解説

さてこのへんで一発音楽でもいってみようか。(さてこのへんでいっぱつおんがくでもいってみようか) ・ 2026年9月3日 公開

タイムラインに突然、ラジオDJっぽく構えたドラえもんが流れてくる。手にはコーヒー、セリフは「さてこのへんで一発音楽でもいってみようか。」。その下にはYouTubeのリンクが1本だけ貼ってある。曲を貼るときの前振りとして定着したのが 「さてこのへんで一発音楽でもいってみようか。」 です。

「さてこのへんで一発音楽でもいってみようか。」とは?

使い方はいたってシンプルで、自分が聴かせたい曲を貼る直前に置く一言です。コマの画像を先に貼り、その次に曲のURLを続ける。それだけで「今からDJやります」という体裁が整うので、いきなり曲を投げるより角が立たない。誰に頼まれたわけでもないのに曲を流し始める気恥ずかしさを、ドラえもんに肩代わりしてもらう形になっています。

さらに定番なのが、同じ作品に出てくるドラえもんが泣きながらテーブルに突っ伏すコマと組み合わせる使い方です。DJ姿のコマ、曲のリンク、そして泣き崩れるコマ。この3枚セットで並べると「この曲、泣ける」という意味になります。セリフ自体は一切変えずに、後ろのコマだけで感想を表現しているわけで、貼るほうも読むほうも説明がいらない。

元ネタ・由来

出どころは、藤子不二雄監修・方倉陽二作画のスピンオフ漫画『ドラえもん百科』です。ラジオDJに扮したドラえもんがコーヒーを淹れながら読者に語りかける場面のセリフで、原作本編のセリフではありません。ドラえもんっぽさは完璧なのに藤子・F・不二雄の原作を探しても出てこない、という一段ややこしい素性を持っています。

この『ドラえもん百科』、ネタ元としてはかなりの働き者です。「ドラえもんの“えもん”がひらがななのは、ロボット戸籍調査員に名前を聞かれたときにカタカナの『エモン』が思い出せず、そのまま『ドラえもん』と書いたから」という有名な設定も、出どころはこの作品。原作ではなく方倉版で作られた設定は「方倉設定」と呼ばれていて、長らく本編の設定と混ざったまま語られてきました。「君はあののび太よりおっちょこちょいか!?」という煽りコマも同じ作品の産物です。40年以上前のコロコロの付録的な漫画が、いまだにXの画像レス供給源として現役でいる。

なぜ2026年8月末にまた流れてきたのか

古いネタなので普段は散発的に見かける程度ですが、2026年の夏は一度まとまって回りました。8月31日の朝にドラえもんのファンアカウントが例のコマだけを貼って投稿し、2万5,000いいねを超えました。その週(8月26日〜9月1日)のニコニコ大百科の週間HOTワードでも2位(スコア44.6bp)。しかも流入の99%が検索経由で、「これ何の漫画のコマなんだ」と調べた人がそれだけいたことになります。定番ネタが定期的に掘り返されて、そのたびに初見の人が増えるという、古参ミームの典型的な伸び方です。

タイミングもよかった。この直後の9月3日はドラえもんの誕生日(2112年9月3日生まれ)で、タイムライン全体がドラえもん一色になる日でした。公式のドラえもんチャンネルが0時ちょうどに出した誕生日ポストは5万8,000いいねを超えています。

同じ9月3日には、シャープ公式Xが「あと86年」の5文字だけを投稿して11年前の自分を引用し直すという遊びをやって伸びていました。誕生日そのものより、周辺のネタのほうが盛り上がるのがこの日の恒例になっています。

使い方・例文

  • 「さてこのへんで一発音楽でもいってみようか。(YouTubeのリンク)」
  • 「(DJのコマ)→(曲)→(泣き崩れるコマ)」でオールタイムベストを1曲だけ紹介する
  • 「深夜2時、さてこのへんで一発音楽でもいってみようかの時間です」
  • 「急に自分語りするのが恥ずかしいときのドラえもん、便利すぎる」

深夜のテンションで急に曲を貼りたくなったとき用の前置き、くらいの気軽さで使われています。並べる曲の方向性に決まりはないので、ボカロでも古い邦楽でもアニソンでも成立します。

関連する言葉

漫画のコマをセリフごと貼って会話に使うという意味では、これもコピペ文化の延長線上にあります。決まった型に自分の要素だけ足して投稿する遊び方が同じです。

ドラえもん由来のネットミームはほかにも多く、道具を出す音として記憶されているテッテレー(実際のアニメの効果音とは違うという説がある)や、ジャイアンのお前のものは俺のものが定番どころ。曲を流す文脈でつながるものだと、ニコニコ発の作業用BGMが近い立ち位置です。

グッズのほうでも掘り返しは続いていて、ハードオフのジャンクコーナーに並んだドラえもんの目覚まし時計が「おはよう」ではなく「アシャワ!」と鳴く話が話題になりました。ドラえもんは、本編以外のところからネタが湧いてくる量がとにかく多い。

広告